-生物、動物としての人間-
大塚いわお
きれい事では済まされない、生物としての人間の本性の数々を、リストアップして、あからさまにまとめてみました。
・周囲の状況が自分の思い通りになるようにする。
・自分の思い通りに、自由自在に動き回れることを望む。
・自分の意見を通そうとする。わがままである。
・自己実現を望む。
・自分が生活に必要な何かを思い通りに実行する権利を確保、保持しようとする。
・自分が何かを自由に意思決定、実現できる権限を確保、保持しようとする。
・自分に利益をもたらす権益を確保、保持しようとする。既得権益を手放さず、持ち続けようとする。
・周囲の他者を自分の思い通りに自由に動かせる力を持つのを好む。
・好き嫌いをする。
・自分の好きなものを手に入れようとする。
・自分の嫌いなものを拒絶する。[Murray 拒絶 rejection]
・自分たちに都合の良いように、うまく社会を動かしてくれる長の人が出現するのを望む。
・自分たちの意思をうまく実現してくれる長の人が出現するのを望む。
・自分たちの利益をうまく代弁してくれる長の人が出現するのを望む。
・いざというときに責任も取ってくれる長の人が出現するのを望む。
・他人が自分の言うことを聞く、自分の言うとおりにすると喜ぶ。
・他人に自分の言うことを聞かせよう、他人の行動を自分の思い通りにコントロール、管理しようとする。
・自由があるとうれしく思う。
・他人に束縛されない、コントロールされないとうれしい。
・好きな地点に動き回れる、移動できるのを好む。
・[Murray 自律 autonomy]
・自分のことを自分で律することができるのを望む。
・経済的に黒字になって自立しようとする。
・精神的に親や教師から自立しようとする。
・身体面で、自力で起き上がって歩けるのを望む。
・自分自身をしっかり持とうとする。
・自分のアイデンティティを確立しようとする。
・自分が占有できる対象を持とうとする。
他人がいいもの、資源、資産を持っていたら横取りしようとする。奪おうとする。たかろうとする。
・[Murray 防衛 defence]
・持ち物を他人に奪取されないようにガードしようとする。守ろうとする。セキュリティに敏感である。
・貴重な存在、貴重品、値打ち品を、他の人に取られないように、守ろうとする。
・自分の所有する土地、領土を、他人に奪われないように防衛する。
・自分の所有物を有効利用、活用しようとする。
・自分の所有物が使えない、使い物にならない、遊休状態なのを嫌う。
・自分に名前、呼び名があることを望む。
・自分が、名無しや無機質な番号記号で呼ばれるのを嫌がる。
・自分の名前が決まっていることを望む。呼び名がころころ変わるのを嫌う。
・自分に、肯定的で良い意味の名前や呼び名が付くことを望む。自分に否定的で悪い意味の名前や呼び名が付くのを嫌う。
・相手(物資を含む)の名前を知ろうとする。
・相手(物資を含む)に名前を付けようとする。
・[Murray 不可侵 inviolacy]
・他人に侵されない、自分だけの私的な空間、時間を保とうとする。
・自分の秘密が漏れないように気を遣う。
・相手に興味本位で覗かれるのを嫌がる。
・自分の評判を落とすこと、失敗、違反を、対外的に隠そうとする。そのために嘘をつこうとする。
・他人のプライバシーを覗き見しようとする。
・興味本位で、他人の情報を得ようとする。
・他人の秘密を暴こうとする。
・他人の秘密情報をこっそり横流ししようとする。
・自分の生存条件をできるだけよくしようとする。有利になろうとする。
・[Murray 露出 exhibition]
・自己主張をする。自分の意見を通そうとする。他人を押しのけて、自分を宣伝、アピールする。プレゼンをする。
・自分が前面に出ようとする。押し出しが強いのを望む。
・自分が目立とうとする。脚光を浴びようとする。
・自分にとって都合のよいことを求める。
・自分にとって都合のよいことはいつまでも覚えていようとする。
・自分にとって都合の悪いこと、自分が不利になることは、避けよう、忘れよう、見て見ぬふりをしよう、隠そうとする。
・自分にとって都合のいいことは、他人が嫌がっても、そのまま実行しようとする。
・自分の利益、儲け、黒字になることをしようとする。得にならないことはしない。損する、赤字を出すのを避けようとする。
・特権を持つ人とコネを作って利得を融通してもらおうとする。
・自分の利益にならない他人が困っていても、見捨てる、見て見ぬふりをする。
・無駄なコストをカットしようとする。
・成功しようとする。うまく行くのを望む。失敗を避ける。
・成功して、有利な立場になるのを望む。
・[Murray 達成 achievement]
・自分の到達したい目標に、思い通りに到達できることを望む。
・生存や、競争に勝つ、成功する上で必要な、有利となる能力、学力や学歴、資格を得ようとする。
・大きな利益、成功を得る、脚光を浴びるために、あえて危険を冒し、困難なことに挑戦しようとする。
・自分の長所がどこかを認識しようとする。できるだけ伸ばそう、補強しようとする。
・自分の能力上の欠点、欠陥を減らすように努力する。
・(病気は、生存をさまたげるもの。これはいけないとして直したいもの。壊れて動かないもの。不足していて補いたいもの、生存していく上で更に満たすべきものがある状態である。)
・病気にならないようにしようとする。病気を治そうとする。死なないように、障害が残らないようにしようとする。
・自分の状態を、今までよりも、さらに良く、正しく直して、自分の立場をより有利にしようとする。
・物事の効率や生産性等、自分の有利さをより向上させるため、人員や物品の配置をより合理的なものにしようとする。
・人員の整理や、労働の強化、新規技術を導入しようとする。
・列車に乗る時、製品を作る時など、高速で安価なのを好む。
・物事の効率が高いのを好む。効率を高めようとする。
・物事のスピードが速いのを好む。スピードを速めようとする。
・効率向上のために支払う犠牲が大きい場合、あえて効率を向上させずに、スローで良いとする。
・ライバルや敵と、勝敗をかけて一騎打ちしようとする。
・苛酷な現実と腹を据えて対峙、対決しようとする。
・生存競争をする。限られた椅子にありつこうとする。
・ライバルを蹴落とし、押さえつけ、抹殺しようとする。ライバルを敵視し、意地悪をする。
・自分だけが生き残ろうとする。
・[Murray 攻撃 aggression]
・自分と反対意見の人間を攻撃し、立ち上がれなくしようとする。戦争して、敵を滅ぼそうとする。
・自分と反対の意見を、訂正、抹殺しようとする。
・[Murray 優越 dominance]
・強くなろうとする。相手に勝とう、優越しようとする。
・相手に負けまいとする。負けず嫌いである。
・自分より弱い者、自分に負けた者をいじめよう、支配しようとする。
・自分の周囲を、自分より無能な人間で固めようとする。
・苛酷、不利な状況になると逃げ出そうとする。
・失敗時、責任を回避しようとする。失敗時、責任を他者(弱者、部下)になすりつけて、自分は責任から逃れようとする。
・敵やライバルと、自己の利益(これ以上戦うのは得策でない、相手と仲直りして手を組んだ方が利点が大きい・・・)のため、仲直りしようとする。
・仲直りのための第三者による調停、仲裁を求める。
・負けを認め、許しを請うてきた相手のことを、慈悲を感じて恩赦する。
・[Murray 支配、優越 dominance]
・自分が上位に立って、周囲を自分の思い通りになるように支配する。優位に立とうとする。自分を権威付けようとする。
・自分が上位に立って、劣った下位の人間を見下そうとする。劣悪な境遇の弱者を憐れむ。
・自分が下位に立つことを避けようとする。
・自分が優れており(優位であり)、他人は自分より劣っている(劣位である)と考えようとする。
・自分より優れている他者の存在に我慢がならず、ライバルとして敵視する、潰そうとする。
・[Murray 支配、優越 dominance]
・自分が上位に立って、周囲よりも優遇されることを望む。
・弱者を差別する。
・弱い者をサンドバッグ代わりに、フラストレーションの捌け口として道具として攻撃する。
・弱者へ不利な条件を一方的に押しつけて、自分は好条件を維持しようとする。
・弱者に責任を転嫁して、自分自身は安全地帯に逃げて、高みの見物を決め込もうとする。
・[Murray 養育的依存 succorance]
・自分より弱く、自分に忠実で、自分に頼ってくる者(自分の子供のような存在)を守ろう、養おうとする。
・反抗する弱者、自分の思い通りに動かない弱者に重い罰を与える。反抗する弱者を見せしめにする。
・弱者を、自分の都合で恣意的に切り捨てる。
・自分にとって都合の悪い末端弱者を、とかげのしっぽ切りして、自らは責任を逃れる。
・妬む。羨む。上に上がろうとする人の足を引っ張る。
・自分より上位にある者、上位に上がろうとする者を、妬んで叩いて引きずり下ろそうとする。
・[Murray 服従 deference、養育的依存 succorance]
・自分より強い者、大きな存在に頼ろう、依存しようとする。守ってもらおうとする。頼りとなる神の存在を作り出す。国~会社に頼ろうとする。自分を守ってくれる者に忠誠を誓う。
・大いなる者に見守られること、庇護されることを望む。大いなる者による保護を求める。
・[Murray 自己卑下 abasement]
・自分が弱い、不利であることをしぶしぶ認める。
・強者に自己の運命を任せる。
・自分が不利な状態にある場合、相手と対等な扱いを受けるのを望む。
・自分が不当に差別されるのを嫌う。
・自分が不公平を享受する状態に置かれるとと、不満を漏らし、公平な扱いを望む。
・上に上がろうとする。
・自分の能力や知識を更に向上させようとする。
・よりよい者になろうとする。
・下落するのを避けようとする。
・現状に飽きたらず、状況、状態を更によりよくしようとする。
・[Murray 反作用 counteraction]
・悪い結果を反転して、名誉を挽回しようとする。
・テストを受けようとする。自分がテストとかで何点取ったか(自分の成績がどの程度か)、自分のランクがどのくらいか、第三者による客観的で冷静な判定を知ろうとする。
・他者と対立しているとき、自分の方が合っているか、正しいか、第三者に判定してもらおうとする。裁判、審判で判決を求める。
・他人を自分の思うままに自由に判定して、賞罰の人事評価コントロールとかを自在にできるようにしようとする。
・褒められよう、賞賛されようとする。プラス評価されるのを望む。
・自分に対する評判、評価をよくしようとする。自分をよく見せようとする。
・化粧する。シェイプアップする。
・きれい事、理想論を言う。見かけ良心的に振る舞おうとする。格好を付けようとする。いい子ぶる。
・仲良しみたいなことを言う。人徳のあるようなことを言う。
・自信を持とうとする。
・自惚れる。高いプライドを持つ。高慢になる。他人を見下すのを好む。
・自慢する。威張る。傲慢になる。
・自分に高い評価を付けて、それに陶酔する。ナルシストである。
・他者が自分に高い評価を付けてくれないと、我慢できない。
・自分が周囲~社会に認められることを望む。無視されることを嫌う。
・自分が周囲~社会で必要とされることを望む。不要とされるのを嫌う。
・自分が周囲~社会で価値あるものとされることを望む。無価値とされるのを嫌う。
・周囲に有能(能力がある)と思われることを望む。無能と思われるのを嫌う。
・自分が、社会の中でメジャー、主流になることを望む。
・自分を選ばれた存在と見なそうとする。特権、特別扱い、VIP扱いされるのを好む。
・自然を支配する原理を司る者として、自分たち人間に似せた神の概念を作り、神が自分たちを一等に選んだと見なそうとする。自然界が、自分たち人間を中心に回っていると見なそうとする。
・自分が周囲に埋没したり、存在を無視されるのを嫌がる。目立とうとする。
・自分が他者から重用されること、重要視されることを望む。他者から軽んじられると怒る。
・自分のことを重要視する。一方、他者のことは軽んじる。
・栄誉や勲章を求める。他人に讃えられるのを好む。
・他者から、批判、否定されたり、マイナス評価を受けると、不快に感じる。怒ったり、泣いたりする。
・批判、否定されたり、マイナス評価されるのを避けようとする。
・周囲から非難されるのを避けようとする。周囲をイエスマンで固めようとする。
・[Murray 恥辱の回避 infavoidance]
・周囲の注目する中で失敗したりして、恥をかくのを嫌う。
・[Murray 恥辱の回避 infavoidance]
・周囲からプライドを打ち砕かれる屈辱的な扱いを受けるのを嫌う。
・自分が周囲におもちゃ扱いされる、もてあそばれるのを嫌う。きちんと心を込めて大切に扱ってもらうことを望む。
・自分が望んでいること、自分の意見が、周囲から認められること(認可されること)、周囲に反映されることを望む。
・自分の意見が賛成されるのを好む。
・自分の意見が否定される、拒絶されるのを嫌う。相手がイエスマンであることを好む。
・相手のしたことに反応しよう、反応を返そうとする。
・自分のしたことに対して、反応、応答があるのを望む。
・自分のしたことに対して、どのような反応、応答があるのか、気になって、(自分が書き込みをした掲示板等を)何度も見ようとする。
・相手が自分に都合の悪い、興味ない相手だった場合、相手を無視する。返答しない。
・されたら(やられたら)、やり返す。お返しをする。フィードバックする。贈答の返しをする。便宜を図ってもらったら、自分も便宜を図る。
・応酬する。報復する。復讐、仕返しする。
・自分が他者にしたことに対する見返りを、他者に求める。
・自分が他者に何か役に立つことをしてあげたら、その対価として、他者から何か同等のことをしてもらうことを望む。
・自分が他人に何か役立つことをしたら、感謝されたいと思う。感謝の言葉を要求する。
・他人に感謝されるとうれしく思う。
・他人から、何か自分に役立つことをされたら、うれしく思い、感謝しようとする。
・自分の生存に必要な、自分の生存に有利になる情報を得よう、知ろうとする。ニュースを見る。天気予報を見る。有効な情報を持っていそうな人のところに近づこう、知り合いになろうとする。周囲の物事に興味本位で首を突っ込む。冷やかす。
・自分にとって未知の土地、分野、領域に進むとき、事前に情報収集をしようとする。
・周囲が広く見渡せる展望、眺望、将来への展望があることを望む。高所に登ることを望む。
・他人から、自己の保存に有益な情報を引き出すため、互いにコミュニケーションを取ろうとする。
・間違った情報が流れているのを見ると、訂正したくなる。
・自分がいち早く手に入れた、自分しか知らない重大ニュース、他人、他社の秘密、あるいは自分が興味ある関心事とかいった情報を、誰かに話したくて、知らせ広めたくて仕方なくなり、周囲の他者に盛んにコミュニケーションを取ろうとする。
・ちゃんと見える、聞こえることを望む。
・回りが見えない、先が見えないのを嫌がる。
・不透明、不明瞭、不可視な状況を嫌がる。
・ピントがぼやけているのを嫌がる。
・確実であることを望む。
・浮きを嫌う。
・支えがきちんとあることを望む。足場が沈む、ふらつくのを嫌う。
・ぴったり合致することを望む。
・ずれるのを嫌う。
・自分の考えが正しいこと(相手の考えが間違っていること)を立証、証明しようとする。
・分からないこと、知らないことを、分からない、知らないまま放っておくのを嫌う。
・分からないこと、知らないことを、質問して、答えを得よう、確かめようとする。
・疑問を解決しようとする。
・分かろうとする。
・入ってくる情報、自分を取り巻く周囲の状況を理解しようとする。
・理解できない状態を嫌がる。
・理解できない状況から抜け出そう(理解できるまで努力する。理解できないその場を逃げ出す。)とする。
・起こった物事に対して、それがなぜ起こったのか、原因を究明しようとする。
・(事故等の)解明した原因に対して、対策を立てようとする。
・起こった物事に対して、そのことが持つ意味、意義がどういうものかを何かしら見いだそうとする。
・起こった物事同士の関連づけを、何かしら見いだそうとする。
・起こった物事について、何らかの説明ができることを望む。
・起こった物事について、(後付けでいいので)もっともらしい合理的な説明が付くことを望む。
・日常の状態がずっと続くと、退屈して、新たな刺激を求めたくなる。
・日常ではめったに起こらない珍事、緊急事、事件が起きるのを求める。
・日頃、あまり入らない、行かない土地、地方、地域に、新たな刺激を求めて、入ろう、行こうとする。旅行しようとする。
・日頃、あまり入らない、行かない、あるいは逆に行き慣れた近所の地域、地区に、小さな刺激を求めて、いつもとは違う時間帯とかに入ろう、行こうとする。
・未知の分野、領域にいち早く入って、まだ誰も到達していない重要な新事実を発見しようとする。
・まだ誰も考えついたことのない、新しい社会的に有用なアイデアを考案し、発明者としての栄誉を得ようとする。
・自分が他者に先駆けていち早く成し遂げた発見、発明の成果によって、食べていく、儲けられるようにしようとする。
・先行者利益を確保しようとする。先行者である自分が負ったリスクへの見返りを求める。
・未だ体験していないことを、体験してみようとする。
・新しい経験を好む。
・行ったことのない、入ったことのない土地、地域に行こうとする。旅行しようとする。
・自分にとって未知のことを、検索して、情報を得ようとする。
・インターネットの検索エンジンを使用して、ネット上の自分の欲しい情報を探そうとする。
・手に入れる物品が、新品で、誰も使っていない、中古でないことを求める。
・これから見ようとしている未知、未体験のゾーンの内容が、先に分かってしまい、体験に新しさがなくなってしまうのを回避しようとする。
・ずっと同じ刺激に出会っていると、慣れて飽きる。より新たな刺激を求める。
・得た情報を、頭の中やメモに記憶しよう、覚えよう、暗記しようとする。
・情報を、メモしよう、記録しようとする。
・記録したい事柄をカメラやレコーダーで撮影、録画、録音しようとする。
・得た情報を、知識として蓄積、有効活用しようとする。
・知識を沢山持とうとする。高度な、深い知識を得ようとする。
・学習しようとする。
・物事が、しっかり自分の身に付く、体に染みこむまで、何度でも実践して覚えようとする。
・過去の経験、しきたりや前例、既に得られた知見の保守を重んじる。
・自分の身体を動かそうとする。
・自分の身体が、自分の思い通りに動いてくれることを望む。身体が不自由になるのを嫌う。
・身体を動かすための筋肉や心肺を鍛えようとする。
・他人や社会を動かして、新たなムーブメント、流れを作ろうとする。
・機械(PC~自動車、飛行機)や人を、自分の思い通りに動かして、必要な機能の出力を得たいと望む。
・物や人を、自分の望む地点へ運びたいと望む。
・物資を、自分の望む形状、材質に加工しようと望む。化学変化を利用する。
・人や組織を、自分の望む体質に変化させようとする。
・いい生活をしようとする。ぜいたくをしようとする。
・何もしなくても、あくせく働かなくても生きて行けるのを望む。多額の収入が入ってくるのを望む。生活環境が恵まれているのを望む。
・生活物資を手に入れるのに必要な手だて、お金をより多く沢山手に入れようとする。儲けようとする(より多くの資金を儲けようとする資本主義は、人間にとって生得的である)。
・死後、天国でいい思いをしようとする。そのために、現世で善行を積もうとする。
・今の生活にそこそこ満足している場合、現状を変えようとせず、今までの状態を維持しようとする。保守的となる。
・快い思いをしようとする。楽な、楽しい思いをしようとする。何が快い、楽かは、生得的に決まっていることが多い(セックス、味覚・・・)。
・安楽な生活を望む。
・いい思い(楽である。快い。美味しい。)をしようとする。
・セックスで性的快感、オーガズムを得ようとする。オナニーをする。
[Murray セックス sex]
・心地よさを得ようとする(音楽のきれいなメロディーとかを聞いて)。
・居心地良さを得ようとする(部屋に冷暖房を入れたり、クッションとかを椅子に置いて)。
・美しい、きれいなものを手に入れようとする。自分が美しく、きれいになろうとする。
・感覚を楽しむ。
[Murray 感性 sentience]
・清潔を望む。不潔、病原菌の蔓延を避ける。
・身体を洗う。歯を磨く。
・掃除をする。
・きれいに片付けられ、整理された状態をよしとする。
・苦労を避けようとする。楽をしようとする。怠惰でだらだらしようとする。働かなくても済むのをよしとする。
・そのままやると苦労する作業について、手抜きをしようとする。
・心理的、身体的負担となる、フラストレーションやストレス、決断を避けようとする。
・負担が回避できなかったとき、感じた不快感をどこかで発散しようとする。
・例えば、自分のためているストレスを、掲示板荒らしや車の暴走等の行為で、他人に負担をかけさせる形で転嫁する。
・負担やストレスがかかる状態、あるいは退屈な日常が続くと、気分を一新させよう、転換しよう、気晴らししようとして、別のことをしようとする。
・つらいと、生きるのを止めようとする。自殺しようとする。
・つらいと、現実から逃避しようとする。
・(疲れたら)休もうとする。休暇、休養を取ろうとする。
・睡眠を取ろうとする。
・(仕事等が)いったん落ち着く、一段落するのを好む。
・[Murray 遊び play]
・日頃の責務から解放されて、ゲームとかで気楽に楽しんで、リラックスした雰囲気とか娯楽的な喜び、気晴らしを味わおうとする。
・相手を自分のおもちゃにしよう、相手にいたずらをしよう、相手をわざと困らせて反応を楽しもうとする。
・自分の本心を隠して、見かけ、建前のきれい事を言うのに疲れる。
・自分の内に秘めた本音、本心を、誰かに話してさらけ出して、スッキリしたい、閉塞感を打破して解放感を味わいたい、ガス抜きをしたいと考える。
・自分の本心を話せる、打ち明けられるカウンセリングや、話し相手のカウンセラーの存在を求める。
・内心に溜ったストレスやモヤモヤ感を誰かに向けて発散したい、話を聞いてもらいたいと考える。
・便利であること、利便性を望む。
・必要な物資や人材が、短時間で、手間をかけずにすぐ手にはいることを望む。
・コンビニエンスストアの利用を好む。
・手に入れた良好な環境が、そのまま覆らずに、長期にわたって安定して続くことを望む。
・心休まることを求める。平安、平和を求める。
・[Murray 防御 defence]
・自分が、安全領域に止まれるのを望む。
・自分の保身が図られることを望む。
・新しいこと、未知のこと、それゆえ危険かも知れない、失敗するかも知れないことを(するの)を怖がり、避けようとする。
・今までやってきて成功したこと、既に安全が保証されていること、実績のあることだけをしようとする。
・[Murray 危害の回避 harm avoidance]
・危険なことを回避しようとする。
・自分に取って害毒のあることを回避しようとする。
・自分に傷がつくことを回避しようとする。
・責任を逃れようとする。
・保証、保障があることを望む。
・大丈夫であることを望む。
・いざというとき、やってくる危機やクラッシュのために備えようとする。保険をかけようとする。
・互いに助け合って、より安心して生活できる社会にしようとする。
・信用、信頼のある相手を求める。
・取り決め、契約、約束が守られるのを望む。
・より有利な条件に鞍替えする。
・今までの相手を捨てて、より有利な取引の条件を出してきた相手に変える。
・自分勝手である。
・相手の自分への信頼が失われるのを恐れる。
・相手に対し、自分に都合の悪い点、矛盾点がばれないように、嘘をついて隠そうとする。
・自分に自信を持とうとする。自分自身を信頼できるようにしようとする。自信を付けようとする。
・高品質の物品や成果物を求め、低品質、手抜きを嫌がる。
・物品の入手とかで、本物、リアル、真正品、オリジナルを求め、偽物、模造品、コピーを嫌がる。
・食品、宝飾品などで、自然、天然物を求め、人工物、養殖物を嫌がる。
・純粋なものを求め、不純物が入ったものを嫌がる。
・純正、正規なものを求め、非正規なものを嫌がる。
・自分が暮らしやすくなるために、自分が暮らす社会を自分にとって暮らしやすく改良しようとする。
・破ると社会を暮らしにくくする、逆機能になる行動パターンを集めて禁止、制限する法律~律法、掟を作って、社会を暮らしやすく制御しようとする。掟を破った者を罰する。
・社会に一定の秩序が存在するのを望む。無法状態を嫌う。
・厳しすぎる規則に息苦しさを感じ、破ろう、違反しようとする。
・違反することで、自分が社会に刃向かうだけの強大な存在であることをアピールしようとする。
・現状に次第に満足できなくなり、打ち破ろう、破壊しようとする。
・うまく行かない点を見つけ出そうとする。
・問題点を解明しようとする。
・問題の原因を探ろう、見つけ出そうとする。
・問題を解決する対応策を探ろう、見つけ出そうとする。
・問題を解決する対応策を実施して、問題を最終的に解決しようとする。
・問題が、対応策の実施によって、本当に解決したか、効果を確認しようとする。
・元気、活発であろうとする。
・健康であろうとする。病気にかからないように心がける。
・他の自分より元気な人から、力を分けて貰おうとする。
・物事に積極的に対処するのを望ましいと考え、実行しようとする。そのための力を得ようとする。
・いつまでも、若々しくありたい、老けたくないと望む。
・自分を若く見せようとする。
・物事をどんどん解決していくだけのパワーにあふれた、力のみなぎった存在であろうとする。そのための力を得ようとする。
・衝撃を和らげてくれるものを求める。衝撃を嫌う。
・クッション、緩衝してくれるものを求める。
・柔らかさ、フワフワを求める。
・自分を受け止めてくれるものを求める。
・受け入れられるのを求める。
・拒絶されるのを嫌う。
・自分に対して、きめ細かな対応、配慮がなされることを望む。
・配慮への労力やコストが最低限ですむようにする。
・自分の利益にならない配慮はしない。
・自分が他人からされたら嫌なことを、他人に対してすることを避けようとする。
・自分が他人からされたらうれしいことを、他人に対してしようとする。
・自分が悪い状態になって、助け、救いが必要になった時、助けてもらえる、救われることを望む。
・いざ、自分ではどうしようもなくなった時でも、最低限生きていけることを望む。
・自分が社会的に転落して望みのない人生を送ることになることを、回避できることを望む。
・自分を社会的落下から助けてくれる保障、セーフティーネットの存在を望む。
・自分の生体としての存在を、生理的に保存、保持しようとする。
・死を恐れ、回避しようとする。不老不死を望む。
・生き続けようとする。
-(呼吸)酸素を取ろうとする。呼吸しようとする。
-(水分、食事、栄養摂取)水分、食事、栄養を摂ろうとする。
-(排泄、廃棄)不要物を排泄、捨てようとする。
-(体温維持)体温を保持しようとする。暑さ、寒さを避けようとする。
-(清潔、衛生維持)清潔、衛生状態を保とうとする。
・過酷な外部環境に自分が直接露出するのを防ごうとする。直接風雨に当たらないよう、中、奥に入っていようとする。家を持とうとする。
・自分の生んだ利益を蓄積しようとする。
・将来の有事に備えて、資産、資金、食料・・・を貯めようとする。
・入手した品物、購入した商品を、機能や商品価値が保全されるよう、保存しようとする。
・入手した有用な情報を、失われないよう、保存、記憶しようとする。
・自分にとって都合のいいことをいつまでも覚えていようとする。
・前回の望ましい~やりかけの状態が、再開時に保持されていることを望む。
・記憶したことを忘れる。
・自分にとって都合の悪いことを忘れよう、意識の片隅に追いやろうとする。
・自分の存在の永続を望む。後世、忘れ去られるのを恐れる。
・自分の業績、成果が、後世に残る、時代を超えて生き続ける、保存されるのを望む。
・自分の後継者が現れるのを望む。
・自ら師匠となって、有能な弟子を育てるのを望む。
・[Murray セックス sex]
・自分のコピーを増やそう、後世に残そうとする。
・子供、子孫を作ろうとする。セックスしようとする。子供をたくさん作るか、作る子供の数を絞ってその分良い条件で子供を育てようとする。
・自分=親の形質を子供に受け継ごうとする。
・親が、自分の価値観を子供に受け継がせようとする。
・親が、自分のしたかったができなかったことを子供に託す。
・親から伝達された行動を、そのまま子供にしようとする。
・子供にある育て方をする(虐待したり、一方的に叱っている)と、子供はその子供に同じ育て方(虐待、叱りつけ)をする。
・後天的行動が、(遺伝子同様)世代間で連鎖して、受け継がれる。
・行動の伝達は、生物種をまたぐ。生物種のアイデンティティは後天的なものである。(ヒョウの子供を犬が育てる。すると、ヒョウの子供は、自分を犬だと思い、犬そっくりな行動をする)。
・自分の子供を、自分の後継者にするのを好む。世襲を好む。
・自分の子供の成長とかを記録に取ろうとする。
・自分が取った自分の子供の記録、自分の子供の動静を、他人に見てもらおうとする。
・自分の子供を宣伝しようとする。
・自分の作った製品を周囲に宣伝する。
・[Murray 露出 exhibition]
・有名になろうとする。自分の存在を広めようとする。
・[Murray 露出 exhibition]
・自分自身のアイデアを、他者に向かって表現しようとする。
・遺伝的だけでなく、後天的な自身の文化的形質を他人に受け継ごう、広めよう、布教、宣伝しようとする。
・自分が他人に教えたことを、他人がその通りに実践したり、更に他の人々に伝えるとうれしく感じる。自分が他人に教えたことを、他人がやらなかったり、忘れるとがっかりする。
・自分の教えが他人の間に広まるとうれしい。
・自分の作ったプロダクトが、他人に見てもらえ、プラスの評価を受けて、受け入れられるとうれしい。
・自分の表現したいことを、コンピュータや他人の頭の中に入力しようとする。
・自分と意見が合う人、自分を理解してくれる人が見つかる、増えるとうれしい。自分にとってプラスとなる同類が見つかる、増えるとうれしい。
・自分と共通点のある相手を探そうとする。
・自分と共通点のある相手が見つかるとうれしい。
・自分の興した会社とかの規模や利益が、大きくなる、成長するのを望む。
・自分の同類を求める。
・自分と同じ属性(人種等)、価値観、内容の相手を優遇する。気の合う同士で仲間を作ろうとする。自分と同じ興味・趣味を持つ相手と、仲良くしようとする。
・自分と同意見、賛成なのを好む。自分への賛同者、賛成者を好み、優遇する。
・[Murray 拒絶 rejection]
・自分と属性(人種等)や価値観の違う、反する相手を差別、排除、冷遇、攻撃、滅ぼそうとする。
・自分に反対されるのを嫌う。反対者を避ける。
・[Murray 所属 affiliation]
・自分の味方、援軍を増やそうとする。
・[Murray 所属 affiliation]
・自分のことが他者に受け入れられる、好かれるのを望む。
・自分のことを受け入れてくれる他者の存在を求める。
・[Murray 所属 affiliation]
・自分が同意、共感されることを望む。
・自分に同意、共感してくれる他者の存在を求める。
・自分への同意、共感が得られないとがっかりする。怒る。
・自分のことを否定されるのを嫌がる。避けようとする。
・相手と合意にこぎ着けることを望む。
・[Murray 所属 affiliation]
・自分を受け入れてくれる仲間の中に入っていようとする。
・[Murray 慈愛 nuturance]
・自分がよりよい生存条件になるように、互いに助け合おうとする。サービスを融通し合おうとする。
・他人のために役立とうとする。いざというときに自分も助けてもらえるようにするためである。
・助けることで、自己宣伝しようとする。
・助け合いは、自分のエゴのためである。
・[Murray 養育的依存 succorance]
・無力な自分を、成人するまで大きく育ててくれる存在(より大人の養育者、親のような存在)を求める。
・他者からの無条件の支持や献身的な協力が欲しいと思う。
・他者から無償の愛情を注がれたいと思う。
・他者に甘えたいと思う。
・いつも見守って欲しい、ずっと一緒にいて欲しい、裏切らずに愛し続けて欲しいと思う。
・自分をしっかりサポートしてくれる大きな存在を求める。
・自分が帰ることができる故郷、ふるさとが欲しいと思う。
・心のよりどころを求める。
・自分の劣った、弱いところを、互いに補填し合おうとする。自分の得意なことを伸ばそうとする。分業する。
・自分にないものを持っている存在と、相互補完、分業しようとする。そのために、異質な相手と仲良くしようとする。
・周囲の仲間と円滑な一体感を保つために意思疎通を図ろうとして、仲間とコミュニケーションを取ろうとする。
・周囲の仲の良い同類同士をまとめ上げて、組織化しよう、大きな力を発揮させようと望む。
・たとえ本心では欲が深くても、見かけ上、欲がないように見せかけよう、振る舞おうとする。
・欲深な自分を反省し、欲の発露をできるだけ抑えようとする。
・欲求、欲望を超越、克服した、神や仏のような神聖な存在、良き存在に憧れ、なろうとして、様々な修行を行おうとする。
・自分の欲求だけを自己中心的に実現するのでなく、自分以外の他人の欲求を実現することに目を向けようとする。
・他人のため、皆のため、社会のために自分を役立てようとするのを、望ましいと考え、実行しようとする。
・人のためになることをするのを、望ましいと考える。
・自分の周囲の社会や組織をうまく機能させるのに貢献できることを、望ましいと考え、実行しようとする。
-暗黒心理学-
2008.09 初出
人間の心理が本源的に持つ、本質的で逃れがたい、暗い側面、暗黒面を、10箇条にコンパクトにまとめてみた。
(1)快楽にはまる。
(1-1)安楽にはまる。楽をしようとする。怠ける。手抜きをしようとする。
(1-2)快感にはまる。気持ちいいことにはまる。セックスをする。おいしい食物を沢山食べる。いい匂いをかごうとする。たばこや麻薬にはまる。
(2-主)違反する。失敗する。
(2-副)隠蔽する。自分の評判を落とすこと、失敗、違反を、対外的に隠そうとする。
(3)嫉妬する。羨む。上に上がろうとする人の足を引っ張る。
(4)自惚れる。高慢である(プライドが高い)。
(5)他人を押しのけて、自己宣伝をする。自分を前面に押し出す。他人を支配する。
(6)見捨てる。困っている人を助けない。他人を使い捨てる。
(7)裏切る。寝返る。密通する。嘘をつく。
(8)配慮しない。嫌がることをする。意地悪する。弱いものをいじめる。
(9)略奪する。横取りをする。
(10)生物~人間の殺傷を行う。有用なものの破壊を行う。
2008.09 初出
2008.09-2008.11 初出
1.良心は生得か後天的か?
良くないことをすると、後ろめたい気持ちになる。良心がある。
良心は生得か、後天か?
(説1)
後天的に、これはいけないことだと叱られて後から教わったから、良心の呵責を感じるのではないか?良心は生まれつきには存在しない。子供を叱らずに放任すると、つけあがってわがまま、良心の呵責を感じない人間になる。
他人からひどいこと(痛い、損した)をされると、心~身体に痛みを感じる、傷を負う。しかし自分が同じことをする(報復する)と、負の無限連鎖になることに気づく。自分はひどいことをしないようにしようと自制する。これが良心のもとになる。
(説2)
温室育ちで、他人からひどい目に合わないままでいると、他人を信用して疑わない、お人好しのお坊ちゃん、お嬢さんになる。
お人好しと良心は関係あるか?(1)関係ない。良心は、他人からひどい目にあわされる経験がない限り生まれない。(2)関係ある。周囲から温かい対応をされてきた人は、他人をよい人だと思い、根本的に信じる。そうした他者への根本的な信頼が、良心のもとになる。他者への根本的信頼は、最初は親子関係(親子の相互信頼)から生じる。親が子供に温かく、子供のためを思って接すると、他者への原信頼や共感が生まれ、良心の発達につながる。そうした良心の発生する素地というものは、もともと生得的に人間に用意されている。
他人をひどい目にあわせて他人が苦しむのを見ても、共感がなければ、何とも思わないままである。
良心には、他人との共感、感情の共有が必要である。他人にこういうことをすると他人はどう思うだろうかということを、自分の立場に置き換えて、立ち返って感じ取る能力が必要である。他人の立場に立って考える能力が必要である。共感する能力は、生得的か?
自制心、リミッターは、学習によって身につく。
2.脳活動監視ヘルメット、ヘアバンドと良心
現状では、人間の内心は、外からはうかがい知ることが難しい。
殺人や詐欺のようなどんな邪悪な意図を抱いていても、外観で素知らぬ顔をされると、この人は別に悪い人ではないように思えてしまう。
なので、どうしても人間は、見えないところで隠れて悪いことをしがちである。
そうした人間の内心を絶えず監視して、悪いことをしないように導く役割を果たすものとして人間が考え出したものが、いわゆる宗教における神の存在である。
神によって絶えず内心を見守られるように思いこむことで、自制心が働き、悪いことをしないようにしようと、外在的な、仮想の力ある存在に頼って、良心を維持しようとしてきたのが、今までの人間である。
しかし、神は、あくまで人間が仮想で作り出したご都合主義の産物で、実際に存在するわけではない。あくまで信心する限り有効な代物であり、科学の発達によって宗教心が薄まると、その効力は急激になくなると考えられる。そうなると、神という外部の監視者を失った人間は内心に良心を維持することがそのままでは難しくなると考えられる。
では、科学の時代になって、人間の内心を監視する、良心を維持するためのしくみとして何が考えられるだろうか?
一つ考えられるのが、人間の脳の特定箇所~全体の活動を読み取るMRI、脳血流パターン読み取り装置、神経回路の活動読み取り装置みたいな機械、ハードウェアの活用である。要するに、人間の脳の活動を監視するハードを極力小型化、省電力化して、軽いヘルメット、ヘアバンドで、太陽電池~軽量充電池ベースで、個人が、いつでもどこでも、寝ているときでも絶えず着用することを、人類に普遍的な法律で義務づけるのである。
脳活動測定、監視ヘルメット、ヘアバンドを着用することで、人間がある特定の考えを抱くと、その考えを抱いたことをチェックして、ヘルメットに装着されたランプ、ないし遠隔地のモニタに、その旨表示されることが可能となる。他人の心理状態がヘッドセットで無線経由でみれるようになるのである。
つまり、人間が、嘘をついたら、その嘘をついた時に脳の活動上現れる特異なサインを脳活動監視ヘルメットが読み取って、周囲にランプ、電波等で表示して知らせる、警告できるようにするのである。従来皮膚を測定していた嘘発見器を、脳活動を測定することで精度を向上させるのである。
あるいは、人殺しや詐欺のような邪悪で危険な考えの持ち主について、そうした邪悪な考えを持ったときに脳の活動上現れる特徴的なサイン、パターンを、ヘルメットが読み取って、周囲にこの人は悪い人ですよと公然と知らせることができるようにする。もちろん、インターネットや電話の向こうの取引相手にもその通知が正しく行くように、情報システムを構築、維持するのである。
あるいは、怒って興奮している心理状態の人の内心をヘルメットで検知して、この人に近づくと機嫌が悪くてひどい目に遭いますよ、とかが、周囲からランプや特定電波の発信でリモートで分かるようにするのである。
犯罪を人知れず犯して、素知らぬ顔をしている人の、ばれては困るという不安な内心をヘルメットで特別に感知して、この人は隠れて悪いことをしている犯罪者ですよ、とかが、周囲からリモートで分かるようにするのでもよい。ヘルメットの脳内監視情報と、GPSの位置情報と組み合わせて、悪いことをして隠したがっている人が、この町内にいますよとかが、周囲に分かるようにするのでもよい。
一方、人助けとか、平和な気持ちとか、よい考えの持ち主については、そうした良好な考えを持っていることを、脳活動から読み取って、この人は、危険人物ではありません、安心してくださいとか、良い考えの持ち主です、ということで、良心、善意ポイントがたまるようにして、たくさんたまったら人徳の高い聖者です、ということにしてもいいかも知れない。
要するに、脳活動監視ヘルメットが、脳内の心理状態を測定し、チェックすることで、人間の内心の監視者として機能し、人間に良心の発生を促すようになるのである。その点、従来の見張り役である神が要らなくなり、宗教も要らなくなる。脳科学の進展が、宗教を、神を克服できるのである。これは、一種の科学革命である。
ヘルメット装着を義務づけることにより、ヘルメットを装着していない人間自体、内心に悪意を抱いているのでそのままではヘルメットを装着できない危険人物だと、割り出すことも可能である。
むろん、プライバシーとの兼ね合いがある。個人の脳の活動の全てを洗いざらい外部にヘルメット経由で公開してしまうのは、プライバシーの侵害となる。自分の内心の考えが皆外部に漏れてしまうと考えて苦しむ統合失調症患者が抱える問題と同様の問題が、ヘルメット着用者に起きてしまうだろう。なので、少なくとも、当初は、個人が内心に悪意を抱いていることを外部通知する、摘発する機能に絞って、ヘルメットを製作した方がいいかも知れない。
2008 初出
-神経系と霊魂-
2008.09 初出
霊魂(spirit)は、神経系の活動している状態、すなわち神経回路上を通る電気的なインパルスの発火~伝達の集合体である。
霊魂は、個別の神経回路(の活動)に、バラバラに分解して考えることができる。
その点、霊魂は、人間だけでなく、神経系を持つ動物一般に広く存在すると言える。
例えば、カナブンのような昆虫にも、神経系が内蔵されている以上、魂は存在すると言える。
あるいは、テレビやPCのような電化製品も、電源が入っているときは生きている、魂を持っていると言える。電気回路を電流が生きて通って、流れているからである。
死ぬということは、神経系や電気系統の上を、インパルスや電流が流れなくなる、電気が消えることと同様である。
電気製品は、コンセントを抜く度に死ぬのである(内蔵バッテリーのある場合は、内蔵バッテリーも同時に抜くことで完全死させることができる)。
生物~人間の場合、神経系に酸素が送られなくなり、あるいは脳の物理的破壊によって、神経系が不活性化し、電気的なインパルスが伝達しなくなり、冷たく、動かなくなった時点で、死んだことになる。
魂は、電気的な存在であり、死んだ時点でその場で消滅し、独りでに天に昇ったりすることはない。その点、死後の世界は、天国、地獄共に存在しない。
死んだ人の霊魂はどこにあるか?どこにも存在しない。神経系の活動の停止と同時に、その場で消滅したと考えられる。
死後の世界の存在を前提とした世界の諸宗教は、死後の世界を存在しないものとした現世完結の内容に改められるべきである。
2008 初出