性差社会学、性差心理学
-女性的/男性的・セックス/ジェンダーの世界-
第5版
大塚いわお
男女の性差を、手短に、表形式で説明します。
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(初出1999-2008年)
アンケート調査などのデータに基づいた考察です。
[要旨]従来、男女の心理的な差についてどのようなことが言われてきたか、能力差、パーソナリティ、社会的行動などの面からまとめました。
従来研究されてきた、男女の心理的性差について、[東、小倉etal2000][D.Kimura1999][宗方、佐野、金井etal1996][諸井、中村、和田 1999]などの内容をもとに整理した。
[参考文献] 本稿をまとめるに当たり、引用文献をさらうのに用いた文献は、以下の通りである。
東清和、小倉千加子(編) (2000) ジェンダーの心理学 早稲田大学出版部
宗方比佐子、佐野幸子、金井篤子(編) (1996)女性が学ぶ社会心理学 福村出版
諸井克英、中村雅彦、和田実(1999)親しさが伝わるコミュニケーション 金子書房
D.Kimura(1999)Sex And Cognition, MIT Press,Cambridge,Massachusetts(野島久雄、三宅真季子、鈴木眞理子訳 (2001)女の能力、男の能力-性差について科学者が答える- 新曜社)
以下における[引用文献]は、実際に行われた研究内容に直接結びつく文献である。
1.能力における性差
1.1 空間能力における性差
空間能力の総括は、例えば[Linn & Petersen 1985][Kimura1999]で行われている。
(1)空間知覚(spatial perception) 実世界の水平と垂直を決定する能力。
「棒-枠組みテスト」いろいろな角度に傾いた枠の中の棒を見て、棒を自分で垂直に置くか、垂直に置かれたことを正しく判定する。
「水位テスト」[Robert & Harel1996]ふたをして傾けた一連のビンの絵を一回に一つずつ提示し、それぞれに入っている水の面を描く。水は常に水平になっているので、それぞれのビンの中に水平な線を引けばよい。
→男性が優位である。
(2)メンタル・ローテーション(心的回転)与えられた形を別の方向から見るとどのように見えるか想像する能力。ある形(2次元、3次元)を回転させた結果できる、元の形に合った正しいものを選択する課題。
2次元のテスト[Collins & Kimura1997]
3次元のテスト[Vandenberg & Kuse 1978][Watson & Kimura1991]
→いずれも、男性の方が正解率が高い。
(3)空間的な視覚化(spatial visualization)物体の一部を折り曲げたり組み合わせたりしたときにどうなるかを想像する課題。
「折り紙テスト」(例)四角い一枚の紙を折った後に、穴を開ける。その後、紙を広げると、どの図のように見えるか?
「空間関係テスト」(例)左側の展開図を組み立てると、右側の4つのうちのどれになるか?
→男性がある程度優位である。
(4)埋没図形の発見(disembedding) 複雑な図形の中に隠された単純な図形を見つけ出す能力。単純な形を「埋没させている」他のパターンの多くを無視する必要がある。
→男性がある程度優位である。
(5)道順の学習
→男性の方が誤りが少なく、少ない回数で基準を満たし、全体として女性よりも短い時間で道順をマスターする[Galea & Kimura1993]。
→男性は地図上の方向と距離の詳細を正しく覚えており、女性は目印や道路の名前を詳しく覚えている。道を人に教える時、女性は目印を用いる傾向があるのに対して、男性は距離や方位(東西南北)を用いる傾向がある[Galea & Kimura1993]。
(6)物体の位置の記憶
ある並びに配置された複数の物の中で特定の物の位置を思い出す課題[Eals & Silverman1994]。
「メモリーゲーム」 トランプの「神経衰弱」のように、物体の絵が描かれたいくつかのカードを机の上に伏せて置き、同じ絵の組を表に返す課題。一致する組を見つけるためには、以前にめくられたカードの位置を覚えておかねばならない[McBurney,Gaulin,Devineni & Adams,1997]。
→いずれも、女性の方が、男性よりも優れている。
[1.1引用文献]
Collins,D.W. & Kimura,D.(1997) A large sex difference on a two-dimensional mental rotation task. Behavioral Neuroscience,111,845-849
Eals,M. & Silverman,I.(1994)The hunter-gatherer theory of spatial sex differences: proximate factors mediating the female advantage in recall of object arrays. Ethology & Sociobiology,15,95-105.
Galea,L.A.M. & Kimura,D.(1993) Sex differences in route learning. Personality & Individual Differences,14,53-65
Linn,M.C.,Petersen,A.C.(1985) Emergence and Characterization of Sex Differences in Spatial Ability : A Meta-Analysis. Child Development, 56, No.4, 1479-1498.
McBurney,D.H., Gaulin, S.J.C., Devineni,T. & Adams,C.(1997) Superior spatial memory of women: stronger evidence for the gathering hypothesis. Evolution & Human Behavior,18,165-174
Vandenberg,S.G. & Kuse,A.R.(1978) Mental rotations , a group test of three-dimensional spatial visualization. Perceptual & Motor Skills, 47,599-601
Watson,N.V. & Kimura,D.(1991)Nontrivial sex differences in throwing and intercepting: relation to psychometrically-defined spatial functions. Personality & Individual Differences,12,375-385
1.2 数学的能力における性差
[Stanley 1974] [Bembow & Stanley 1982]
非凡な数学的才能を持つ青年のサンプル(SAT-Mテストの数学分野で優れた成績を上げた生徒のサンプル)では、女性よりも男性が多く見いだされた。数学的推理能力を測るテストで、男性は女性よりも優れた得点を示した。
[Hyde 1996]
数学の成績が普通である一般人口サンプルでは、成績に性差は見られない。
[Low & Over1993]
総合的な数学能力では同レベルの高校生男女の場合でも、代数の文章問題を正しく解く能力は男子の方が高い。男子は、情報が少なすぎて解けない問題を「解不能」と見抜く能力や、問題を解く上で無関係の情報を無視する能力で、女子を上回っていた。
[Hyde,Fennema & Lamon1990][Jensen1988][Engelhard1990]
複雑さの低い計算問題では女子が成績が上であった。
より複雑な、問題解決を求められる文章・応用問題では男子が成績が上であった。
「数学的推論テスト」 文章問題を数式で解くことができる形に置き換える能力。複雑な関係の説明文から数式を立てる(「寮の喫茶室ではケーキを注文する人4人に対して、アイスクリームは5人います」など)。男子の方が成績が女子よりまさっていた。
[1.2引用文献]
Bembow,C.P., Stanley,J.C.(1982) Consequences in high school and college of sex differences in mathematical reasoning ability : A Longtitudinal perspective. Am. Educ. Res. J. 19,598-622.
Engelhard,G.(1990) Gender differences in performance on mathematics items: evidence from USA and Thailand. Contemporary Educational Psychology,15,13-16
Hyde,J.S.,Fennema,E. & Lamon,S.J.(1990) Gender differences in mathematics performance: a meta-analysis. Psychological Bulletin,107,139-155.
Hyde,J.S.(1996) Half the human experience : The Psychology of woman. 5th ed., Lexington, Mass.: D.C.Heath.
Jensen,A.R.(1988)Sex differences in arithmetic computation and reasoning in prepubertal boys and girls. Behavioral & Brain Sciences,11,198-199
Low,R. & Over,R.(1993)Gender differences in solution of algebraic word problems containing irrelevant information. Journal of Educational Psychology,85,331-339.
Stanley,J.C., Keating,D.P. , Fox,L.H. (eds.)(1974) Mathematical talent: Discovery, description, and development. Johns Hopkins University Press, Baltimore.
1.3 言語能力における性差
[Hyde & Linn 1988]
(1)語彙テスト、読解力、エッセイ作文力
→性差は見られない。
(2)文法と綴り
女子が男子を上回る。文法的に正しくない文章や文節を見分けることを求められる言語テストでは、女子の成績が有意に男子を上回る。
(3)言語流暢性 決められた時間内に特定の制限付きの語または文を作り出す能力。ある特定の文字を含む語、例えば「b」で始まる語を、big,brown,bossなどと挙げていく。特定の種類の語(家具)を一定時間内に思いつくだけ挙げる。
→女性の方が能力が高い。
(4)同一カテゴリに属する語の列挙
「円いもの」「金属のもの」を列挙するテストでは男性の方が得点が高い[Harshman,Hampson & Berenbaum1983]。
同一色(白、赤)のものを列挙するテストでは、女性の方が成績が上である[Kimura1994]。
(5)言語記憶 単語を再生したり、言語で容易に伝達できるものを思い起こす能力。
→女性が男性を上回る(年少者[Duggan1950][McGuinness,Olson & Chapman1990]、高齢者[Bleecker,Bolla-Wilson & Meyers1988][Bromley1958])。
→物と単語を結びつけて記憶する能力は女性の方が優れている。ただし、数字の記憶は男性の方が成績がよい[Duggan1950]。
→読み上げられた語のリストの記憶は、女性の方が優れている[Kramer,Delis & Daniel1988]。
[1.3引用文献]
Bleecker,M.L.,Bolla-Wilson,K. & Meyers,D.A.,(1988)Age related sex differences in verbal memory. Journal of Clinical Psychology,44,403-411.
Bromley(1958) Some effects of age on short term learning and remembering. Journal of Gerontology,13,398-406.
Duggan,L.(1950)An experiment on immediate recall in secondary school children. British Journal of Psychology,40,149-154.
Harshman,R., Hampson,E. & Berenbaum,S.(1983) Individual differences in cognitive abilities and brain organization,Part I: sex and handedness differences in ability. Canadian Journal of Psychology,37,144-192.
Hyde,J.S. & Linn,M.C.(1988) Gender differences in verbal ablility:A Meta-analysis. Psychological Bulletin, 104, No.1,53-69.
Kimura,D.(1994)Body asymmetry and intellectual pattern. Personality & Individual Differences,17,53-60.
Kramer,J.H.,Delis,D.C. & Daniel,M.(1988) Sex differences in verbal learning. Journal of Clinical Psychology,44,907-915.
McGuinness,D.,Olson,A. & Chapman,J.(1990)Sex differences in incidental recall for words and pictures. Learning & Individual Differences,2,263-285.
1.4 運動能力における性差
(1)標的当て[Watson & Kimura1991] 目的の物に何かを正確に当てる能力。ダーツを投げる、アイスホッケーのパック、ボールなどの物体の正確な狙いを要するスポーツなど。
→男性は平均して女性よりずっと正確に投げることができる。
(2)ボール受け止め課題 [Watson & Kimura1991]発射台から飛んでくるボール(ピンポン玉)に触れる能力。ボールをキャッチするのではなく、手でボールを止めるだけでよい。
→男性が優れている。
(3)末梢筋肉組織(指など、身体の中心から遠い筋肉)の正確な制御
→女性の方が男性より優れている。
(3a)パーデュー・ペグボード(Purdue Pegboard) 一定の時間内に、ボードの上の方にある窪みからできるだけ多くのペグを取り、大きさの合うボードの穴に順に差し込んでいくテスト(パーデュー研究財団,West Lafayette,Indiana 47907による)。
→成績は常に女性の方が高い。
(3b)指の動きの制御
[Kimura & Vaderwolf,1970]他の指を動かさないで、一本の指または二本の指を第二関節のところで曲げる動作。
[Ingram1975]指で手本と同じ形を作らせる課題。
→いずれも、女性の方がうまくできる。
(4)いくつかの動きを一つにまとめる能力
[Denckla1974]一本一本の指を次々に親指に触れ合わせる課題。
[Lomas & Kimura1976][Nicholson & Kimura1996]複数の指で電信機のキーを順に打っていく課題。
[Nicholson & Kimura1996]異なる音節の連続を発声する課題。
→いずれも女性の方が速くできる。
(5)単純動作の繰り返し
[Nicholson & Kimura1996]一つの指で同じキーを繰り返し打つ課題。単一の音節を繰り返し発声する課題。
→男性の方が速い。
[1.4引用文献]
Denckla,M.B.(1974)Development of motor co-ordination in normal children. Developmental Medicine & Child Neurology,16,729-741.
Ingram,D.(1975)Motor asymmetries in young children. Neuropsychologia,13,95-102
Nicholson,K.G. & Kimura.D.(1996) Sex differences for speech and manual skill.Perceptual & Motor Skills,82,3-13.
Kimura,D. & Vanderwolf,C.H. (1970) The relation between hand preference and the performance of individual finger movements by left and right hands. Brain,93,769-774
Lomas,J. & Kimura, D.(1976) Intrahemispheric interaction between speaking and sequential manual activity. Neuropsychologia,14,23-33.
Watson,N.V. & Kimura,D.(1991)Nontrivial sex differences in throwing and intercepting: relation to psychometrically-defined spatial functions. Personality & Individual Differences,12,375-385
1.5 知覚能力における性差
(1)味覚 舌の表面にある味覚を感じる受容体の能力。甘い、酸っぱい、塩辛い、苦いの4種類。
→4種類の味覚の全てで男性よりも女性の方が鋭い[Velle1987]。味が同じかどうかを判定する能力も女性の方が優れている。
(2)嗅覚 匂いを感じる能力。
→女性の方が鋭い。特に麝香(じゃこう)に似た匂いに敏感である。
(3)聴覚
音をどの位小さい音量まで聞き分けられるかの能力は、女性の方が鋭い。純音(振動数が一定の音)を聞き分けられる下限の閾値は、女性の方が低い。
音の高低を弁別する能力は、男女差がない。
雑音については、女性は男性に比べて、小さな音でも不快な騒音と感じる傾向がある[McGuinness1972]。
(4)触覚 肌触りを感知する能力。(例)皮膚(腕~手)に様々な太さの糸を載せて、糸を感じるか感じないかを試す。糸が太くなるにつれて、何かが皮膚についていると感じるようになる。
→女性の方が鋭い[Ghent-Braine1961][Weinstein & Sersen1961]。
(5)視覚
(5a)視野の広さ 視点を中心点に固定したままで、中心からどの位広い範囲を見ることができるかの能力。
→女性の方がわずかに広い[Burg1968]。
(5b)視力(acuity) 視野の中にある小さな物体を見分ける能力。
→男性の方が優れている[Burg1966]。
(5c)ちらつきに対する鋭敏さ 光の点滅が素早くても、点滅を感じ取れる能力。
→男性の方が、より高速な光の点滅を見分けられる[Ginsburg,Jurenovskis,& Jamieson1982]。
(5d)場依存性 線を引く場合などにおける、周囲の枠組みへの影響されやすさ。決定とは関係のない周囲の情報を無視して判定を下す能力の低さ。
→女性の方が、周囲の枠組みに非常に影響されやすい[Witkin1967]。
(5e)錯視 目の錯覚。
「ミュラー・リヤー錯視」長さが同じでも、両端から外向きの線が出ている線分は、内向きの線が出ている線分よりも長いと感じる。
→女性の方が、男性よりも長く錯覚状態が続く[Dewar1967]。
(5f)知覚速度 多種多様な意匠デザイン(文字、数字、絵)を素早く比較する能力。
「同一絵探し」テスト 指定された形と同じ形を探す課題。
「シンボル・ディジット・テスト」見本として数字と記号のペアが示された状態で、数字(または記号)の下の空欄に、見本に示されたペアの片割れの記号(または数字)をできるだけ素早く書き込むテスト。
→女性が優位である。
(5g)社会的知覚 顔の表情や声の調子といった、言葉以外の手がかりへの敏感さ。
→女性の方が敏感である[Hall1984]。
(5h)色覚 何色かを判定する能力。
「色名呼称速度テスト」様々な色の丸や四角を見せて何色かを素早く答えさせる課題。
→女性の方が優位である。女性の方が、男性よりも容易に色を命名できるし、色図形を容易に識別できる[Denckla & Rudel1974][DuBois1939][Ligon1932]。
[1.5引用文献]
Burg,A.(1966)Visual acuity as measured by dynamic and static tests. Journal of Applied Psychology,50,460-466.
Burg,A.(1968)Lateral visual field as related to age and sex. Journal of Applied Psychology,52,10-15.
Denckla,M.B. & Rudel,R.(1974) Rapid "automatized"naming of pictured objects,colors,letters and numbers by normal children. Cortex,10,186-202.
Dewar,R.(1967)Sex differences in the magnitude and practice decrement of th Muller-Lyer illusion. Psychonomic Science,9,345-346.
DuBois,P.H.(1939)The sex difference on the color naming test. American Journal of Psychology,52,380-382.
Ghent-Braine,L.(1961)Developmental changes in tactual thresholds on dominant and nondominant sides. Journal of Comparative & Physiological Psychology,54,670-673.
Ginsburg,N.,Jurenovskis,M. & Jamieson,J.(1982) Sex differences in critical flicker frequency. Perceptual & Motor Skills,54,1079-1082.
Hall,J.(1984)Nonverbal sex differences. Baltimore:Johns Hopkins.
McGuinness, D.(1972)Hearing: individual differences in perceiving. Perception,1,465-473.
Ligon,E.M.(1932)A genetic study of color naming and word reading. American Journal of Psychology,44,103-122.
Velle,W.(1987)Sex differences in sensory functions. Perspectives in Biology & Medicine,30,490-522.
Weinstein,S. & Sersen, E.A.(1961)Tactual sensitivity as a function of handedness and laterality. Journal of Comparative & Physiological Psychology,54,665-669.
Witkin,H.A.(1967)A cognitive style approach to cross-cultural research. International Journal of Psychology,2,233-250.
2.パーソナリティの性差
(1)自尊感情 自己の身体像、性格、能力、適性など自己の存在や自己に関する主観的な評価が肯定的である
[Maccoby & Jacklin 1974]
自尊感情は、男性性と女性性とを独立させて捉えた場合、両性具有型(男性性と女性性の両方が高い型)と男性型で高く、女性型と未分化型(男性性と女性性の両方が低い型)で低い。
(2)不安 情緒的混乱、心的矛盾葛藤が極まった状態
[Maccoby & Jacklin 1974]
幼児期には性差はほとんど見られないが、少年期になると性差が見られる場合と見られない場合とが半々となり、青年期になるとほぼ一貫して女性の方が高い。
[2.引用文献]
Maccoby, E.E. & Jacklin, C.N.(1974) The Psychology of sex differences. Stanford,CA:Stanford University Press.
3.社会的行動の性差
(1)自己開示 自分自身についての情報を他者に伝達すること
[Jourard 1971] [Jourard & Lasakow 1958]
女性は男性に比べて自分に関する情報をより多く伝達する。
(2)非言語的コミュニケーション 言語以外の、顔の表情や視線、音声の大きさや高さ、発話の速さ、ジェスチャ(しぐさ)などによるコミュニケーション
[Hall 1984]
非言語的メッセージの表現と解読の双方で、女性が優位にある。
(3)自己評価 自分に対する認知、評価。自己イメージ。
[山本、松井、山成1982]
女性の方が、男性に比べて、自己評価が低い。
(4)親和動機 自分の味方になる人に近寄って、進んで協力し、好意を交わし合うこと
[Latane & Bidwell 1977]
女性の方が、明らかに男性よりも、人と一緒にいる確率が高い。
(5)成功回避動機 成功後に起こりうる自分への不利益(成功すれば、友人関係や家庭生活に支障が出る)を予想して、意識的、無意識的に成功を避けようとすること
[Horner1968]
男性よりも、女性の方が成功回避動機を持つ。
(6)被説得性 他者に説得されやすいこと
[Eagly & Carli 1981]
女性の方が、より説得されやすい。
([Cacioppo & Petty1980]によれば、女性は男性向けの話題に対して、男性は女性向けの話題に対して説得されやすい。従来の研究では、男性向けの話題を実験に用いていたため、女性が説得されやすいという結果が出た、とされる。)
(7)心理的リアクタンス 高圧的なメッセージによって圧力がかけられた場合、圧力によって脅かされた自分の自由を回復するために、メッセージと反対の立場を取ること[Brehm,1966]
[上野 1994]
男性は圧力に対してリアクタンスが生じる。女性は、リアクタンスが生じず、むしろ説得される。
(8)集団同調 集団の他者の意見に同調すること
[Eagly 1978]
以前は、女性の方が男性よりも集団に同調しやすいとされてきたが、それを支持する研究は減ってきている。
(9)受動性 取る態度が受け身なこと
[Nemeth etal 1976]
女性は必ずしも受け身ではなく、意見が最終決定に反映される度合いにも男女の差がない。
(10)リーダーシップ 集団目標の達成を意図した、ある集団メンバーから他のメンバーもしくは集団全体への影響の試み。
[Eagly & Karau,1991]
ステレオタイプ的に「女性的」と判断される課題や、社会的な複雑性の高い課題(集団討議によって結論を出すような、人との協力や調整を必要とする課題)を行う集団では、女性がリーダーになる割合が高い。
[Eagly & Johnson 1990]
女性リーダーは、男性リーダーよりも民主的なスタイルを取ることが多い。
(11)課題志向(仕事の手順や計画を具体的に示したり、メンバーに指示・命令を与える、といったように集団目標の達成を促進する行動)と関係志向(メンバーの立場や心情の理解に努め、集団の人間関係がうまくいくように配慮する行動)
[坂田・黒川1993]、[Eagly & Johnson 1990]
男性リーダーは課題志向的、女性リーダーは関係志向的に行動しがちと予測されるが、実際には、男女の性差は見られない。
(12)友人関係 好意を寄せ、一緒にいて楽しく、興味や活動が共通し、協力的・理解的で、信頼でき、安らぎを与えてくれ、精神的支えとなってくれる対人関係
[Winstead 1986]
友情の形成において、女性の場合は、互いの価値観の類似性が、男性の場合は、興味関心を持っている事柄や好きな活動が似ていることが重要である。
[Caldwell & Peplau 1982][Johnson & Aries 1983]
友人同士ではずむ会話の内容において、女性の場合は、個人的な悩みや家族関係、恋愛関係などの対人関係に情緒的な話題を、男性は、スポーツ、趣味など活動にまつわる話題についてよく話す。
(13)感情表現 相手に自分の感情を伝達する度合い
[Hays 1984]
女性は男性に比べて、肯定的、否定的に関わらず、どのような感情でも表明しやすく、2人の情緒的な結びつきについても口にしやすい。
(14)身体接触 お互いに相手の体に触ったり、抱き合ったりといった身体的な情愛の表現の度合い
[Rands & Levinger 1979]
女性同士の方が、男性同士よりも、身体の接触が頻繁に起こりやすい。
(15)対人サポート 友人がストレス状況に直面しているとき、悩みを聴く、励ます、共感を示す、気分を和らげるなど、情緒的なサポートを与える度合い
[Chesler & Barbarin 1985]
女性は、男性よりも情緒的なサポートを多く与える。
(16)社会化 性役割の獲得プロセス
[Winstead etal 1997]
社会化は、女性の場合は、相互依存的、協調的であり、情緒的な面で他者に調子を合わせるように、男性については、独立心が強く、競争的、支配的であるように行われる。
(17)恋愛感情 相手の異性を思う気持ちの度合い
[松井 1990]
女性は交際が深まらないと、相手への気持ちを高めない(男性は、相手に対して最初から高い恋愛感情で臨むのに対して、女性は、中期以降になって、恋愛感情を高める)。
(18)恋愛関係の崩壊 男女の一方が他方を振ることで、恋愛関係が終わる過程
[大坊 1988]
男女の別れをリードするのは女性である。
[Hill etal 1976]
自分を振った相手と、女性はその後友人として交際できるのに、男性は友人として交際する気になることができない。
(19)メディア利用
[総務庁 1991]
女性は、男性に比べて、会話や電話といったパーソナル・メディアを用いてのコミュニケーションをより重視する(会話や電話を、なくてはならない大切なメディアと捉える)。
[3.引用文献]
Brehm,J.W.(1966)A theory of psychological reactance. Academic Press.
Cacioppo,J.T. & Petty,R.E.(1980) Sex differences in influenceability:Toward specifying the underlying processes. Personality and Social Psychology Bulletin,6,651-656
Caldwell,M.A., & Peplau,L.A.(1982) Sex Differences in same-sex friendships. Sex Roles,8,721-732.
Chesler,M.A. & Barbarin,O.A.(1985) Difficulties iof providing help in crisis: Relationships between parents of children with cancer and their friends. Journal of Social Issues,40,113-134.
大坊郁夫(1988)異性間の関係崩壊についての認知的研究,日本社会心理学会第29回発表論文集,64.
Eagly,A.H.(1978) Sex differences in influenceability.Psychological Bulletin,85,86-116.
Eagly,A.H. & Carli,L.L.(1981) Sex of researchers and sex-typed communications as determinants of sex differences in influenceability:A meta-analysis of social influence studies. Psychological Bulletin,90,1-20.
Eagly,A.H. & Johnson,B.T.(1990) Gender and leadership style: A meta-analysis. Psychological Bulletin,108,233-256.
Hall,J.A.(1984) Nonverbal sex differences:Communication accuracy and expressive style. Baltimore:John Hopkins University Press.
Hays,R.B.(1984) The development and maintenance of friendship. Journal of Personal and Social Relationships,1,75-98.
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Jourard,S.M.(1971) Self-disclosure:An experimental analysis of the transparent self. New York:Wiley & Sons, Inc.
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松井豊(1990)青年の恋愛行動の構造,心理学評論,33,355-370.
Nemeth,C.J. Endicott,J. & Wachtler,J.(1976) From the '50s to the '70s:Women in jury deliberations,Sociometry,39,293-304.
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上野徳美(1994) 説得的コミュニケーションに対する被影響性の性差に関する研究,実験社会心理学研究,34,195-201
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(初出2001年6月-2003年1月)
[要旨]女性の方が、生物として男性よりも貴重ゆえ、守られること、自己保身へのこだわりが強く、安全第一で、周囲の他者との助け合いを好むという視点から、従来の性差に関する知見を整理してまとめています。自己保身、安全などへの指向が実際に「女々しい」と感じられていることを、アンケート調査により確認しました。
従来の性差心理学においては、男女の能力差(空間認知能力、言語能力などの違い)に関心が集まっていた。男女に能力差が生じた理由として、
1)男性 外に出て食糧となる獲物を調達すると共に、女性と子供を外敵から守る役割を果たすことが必要だったから
2)女性 男性に守られながら、家庭という巣の中で子供を育てる役割を果たすことが必要だったから
といった性役割の差が指摘されている。
しかし、これまでは、なぜこうした性役割の差が生じたか、例えばなぜ男性が外に出るようになったか、なぜ男性が女性を守る必要があるかの根源的理由については、ほとんど触れられていない。
筆者は、上記の男女の能力差や性役割の差が生じた理由として、女性と男性との差の根源である卵子と精子の差、および身体に育児を養育するための機構(子宮、母乳の出る乳房)が付いている、いないの差に着目した。すなわち、
1)生殖時に担う、男性は精子、女性は卵子という違いが、女性=貴重品、男性=消耗品としての性質の違いに結びついている。
女性の担う卵子が、男性の担う精子より相対的に貴重であり、人口維持のキーとなっていることが、女性が男性によって守られることの根拠となる。
2)女性がいないと、子供を養育する生物としての仕組み(子宮で胎児を育てる、乳児に授乳する)が働かず、子供が育たないため、人口維持に直ちに影響する、というのも、女性を生物学的に貴重な資源とさせている。
と捉えた。
上記について、詳しくは、「生物学的貴重性と性差」という文章、および、人間の命の重さの不平等性についての検討-性別などの視点から-という文章を参照されたい。
このような観点からは、女性は、男性に比べてより大切にされ守られる「貴重な性(Precious Gender)」としての性質を強く持っていると言える。女性は、生物学的観点からは、「粗末な性(Humble Gender)」である男性に比べ、より上位に位置づけられる。「貴重な性」である女性は、生命維持という生物にとって究極的な価値を得ることができる分、危険にさらされる男性よりも、より高い、優先的な地位についていると言える。
これは、男性が社会集団の中で公式リーダーの地位についている場合でも同様である。女性は、自分の生命維持のために、公然と男性を、たとえ彼が公式リーダーであっても、犠牲にすることが許される(男性リーダーよりも優先して生き延びることができる)という特権を与えられている。
従来の社会的地位は、社会を動かす公的組織の長(リーダー)=上位というように専ら見られてきたため、社会的地位は男性上位であると捉えられてきた。しかし、それとは別の生物学的視点によって、優先的に生命維持を図れる度合いの強さという点から社会的地位の高さを捉えた場合、社会の中で、より大切にされ守られる存在である女性は、組織の長である男性よりもさらに地位が上である、と言える。
こうした「女性=貴重品」としての生物学的性質が、女性の行動様式の根源を決定していると考えられる。女性の生物としての貴重性が「女らしさ」を生む根本原因となっている。本当の女らしさは、基本的には、貴重品である我が身を守るために、自己の保身、安全に敏感なこと=「自己保身指向」「自己保全、安全指向」だと考えられる。
この点、女性は、「(自己)保身の性」(sex of self-preservation)と呼べる。女性が、頑強で優しい存在(男性)に自分が助けられ、守られることを絶えず指向する「守られる性(sex of being defended)」あるいは「助けられる性(sex of being helped, rescued)」となっているのは、自らを大切な貴重な存在であると考えることが原因であると言うことができる。
女性が自分の生命を犠牲にするのは、自分の子供が危険に陥った時とかに限定されると考えられる。
一方、「男性=非貴重品」としての生物学的性質は、「男らしさ」を生む根本原因となっていると考えられる。本当の男らしさは、基本的には、自分の保身を考えず、捨て身であること=「捨て身指向」であり、そこから、貴重な存在(女性、子供、VIPなど)を守る、助けるために、衝立、盾となって自己の生命を身代わりとして投げ打つ(自己の生命を粗末にする)こと=「衝立、盾(shield)指向」および、他人の助けをわざわざ借りずに一人で生き延びられる(自分の身は自分で守れるようにする)こと=「自衛・自立・独立指向」といった性質が出てくるのだと考えられる。
この点、男性は、「捨て身、ガード(他者守衛)、エスコート(護衛)、自衛の性」(sex of taking risk of life, guard, escort, self-defence)、あるいは、女性ら貴重な存在を後方にかくまって、外敵(これは、有害生物だけでなく、風水害のような自然の猛威とかも含まれる)と直接対決し、防御、攻撃する「外敵対決の性(sex of confronting enemies)」と呼ぶことができる。あるいは、捨て身になって、女性ら貴重な存在を「保護、守護、救助する性(sex of defence, rescue)」ということができる。
例えば、女性の書いたコミックで、ヒロインが男性に危ない場面から守られたり、助けられると、「○○君が私を助けてくれた!守ってくれた!」と、ヒロインの、その男性に対する好感度が急激にアップするという表現が頻繁に見られる。あるいは、自分が囚われの身になっているところを白馬に乗った王子に助けられたいとか、男性にお姫様だっこされて、抱き抱えられ、守られたいといった願望がしばしば登場する。この逆の女性が男性を助けるパターンはあまり見られないし、それによって、男性の女性に対する好感度が上がるという描写もあまりない。これが、女性が「守られる性」「助けられる性」、男性が「守る性」「助ける性」であることの一つの証拠例と言える。
要するに、女性は、自分のことが一番大切でかわいい、自分の保身、安全のためには他者(男性)が犠牲になってもやむを得ないと考える、自己本位、自分中心、自分優先、自己愛、自己憐憫の強い性であり、一方、男性は、大切な存在(女性)のために自分を犠牲にすることを一方的に強いられる性であると言える。この辺が、男性と女性の生得的な待遇の格差、男性差別につながっていると言える。
こうした生物学的貴重性の立場から書かれた性差心理学の研究は、まだあまり見られない。
この他、女性が「守られる性」、男性が「守る性」となるのは、生物学的貴重性以外にも、筋力の違いや身体のサイズという要因がある。
筋肉、筋力は男性は引き締まって強く、女性では、男性と比較して、より弛緩し、弱い。
筋力の弱い者は、外部の風雨や外敵等にさらされる環境適応においてより不利であり、筋力の強い者によって、保護され、守られる必要がある。
その点、筋力の弱い女性は、筋力の強い男性によって、その外界を守られる役回りとなると言える。筋力の強い男性は、外敵や風雨に直接対処して、強い力で外敵を倒し、風雨等を防ぎ、より内側の、筋力のない、無力な女性を守ることになる。従来なされてきた「女性=内側(ウチ)、男性=外側(ソト)」の区別も、このことと当然関係あると言える。
ただし、男性が本来、外敵や風雨等から女性を守るために使うべき強い筋力を、女性を攻撃して、服従させ、支配するために用いる事例が出てくる。これが、例えば家庭内ならドメスティック・バイオレンスということになるし、強姦とかもこの事例に含まれる。
一方、生まれつき筋力の弱い女性を男性が強い筋力で抑えつけるのはアンフェアだという考え方も当然のこととして女性、男性双方の間に浸透しており、その場合、口頭議論で済ませるべきということになるが、この場合、女性の方が生まれつき滑舌であり、ペラペラと口が回るため、口頭で攻撃されると、女性が有利となり男性は不利となってしまう。
これらとは別に、男性は背丈等身体のサイズが大きく、これに比べて、女性は、小さいことが多い。身体のサイズの大きい者は、小さい者の「盾」となって、外敵や風雨から守ることができる。このことも、男性を「守る性」、女性を「守られる性」としていると言える。
よく「女子供」という言い方で、女性と子供を一緒にして捉える見方が一般的である。
これは、女性が母親として子供を養育する子守の役に回ることが多く、子供と一緒にいることが多いと考えられるからであるが、実は、女性と子供の間に共通性が多いことも関係しているのではないかと考えられる。
要は、子供も、女性も、同様に「守られる存在」なのである。
子供は、子供を生んだ若い夫婦にとっては、かけがえのない貴重品、自分の命と引き換えにしても惜しくない存在であり、生きる望みの源である。それゆえに、大切に扱われる。
一方、子供は無力な存在である。体が小さく、未熟で、筋力とかが弱い。まだ生活能力が十分発達しておらず、自分一人だけでは生きていけない。それゆえ、力の十分強い者によって保護される必要がある。
こうした子供の貴重性、弱者性は、女性の生物学的貴重性、あるいは、筋力の弱さや体の小ささに基づく一種の弱者性と共通していると言える。こうした、貴重性、弱者性が、女性と子供を共通に「守られる存在」としており、それゆえ、女性と子供は、「女子供」と一括りにされるのである。
A.「女らしさ」の検討
「女性=貴重品、守られる性、保身の性」という視点からの「女らしさ」としてどのような点が考えられるかを以下に箇条書きの形でまとめた。
◎A1.「自己の貴重視」
自分のことが一番貴いと考え、他者に大事、大切に扱ってもらいたがる。
(1) |
被保護指向 |
自分が周囲の人間によって、貴重な存在として守られる・助けられる立場に回ることを根源的に望む。 |
(2) |
高貴指向 |
自らを(お姫様、お嬢様のような)高貴な存在と見なし、プライド(お高く止まる度合い、誇り、自慢の度合い)が高い。 |
(3) |
上品指向 |
自らの品位の高さに気を配る。高貴・上品と思われたがる。書物やビデオなどに品位を欠く表現がないかどうかうるさくチェックする。 |
(4) |
礼儀敏感性 |
自分に対する礼儀にうるさい。互いに相手が自分に失礼でないかに敏感である。 |
(5) |
自己本位、自己愛指向 |
自分のことが一番かわいい。自分のことが一番大切である。鏡に映る自分の姿に見とれるなど、自己愛が強く、ナルシストである。 |
(6) |
弱いふり指向 |
自分が社会の中で強者であることを認めると、誰にも守ってもらえなくなるので、例え強者の立場にいても(農耕社会の女性のように、男性より強くても)、弱い振りをして(男性に)守ってもらおうとする。被支配者として扱われたがる。力のか弱い感じを好む。 |
◎A2.「安全第一指向」
何事も安全第一で危険を冒そうとしない(危険回避指向)。失敗を怖がり避けようとする(失敗回避指向)。 自分が新たに物事を始める際に慎重であり、選択が保守的である(慎重、保守指向)。
○A2-1.「前例、退嬰指向」
←どんな危険や失敗が待ちかまえているか知れない未知の対象や状況を避けるため。そこそこ恵まれた今までの状態が今後も続くのを望むため。
既にその通り実行すれば安全で問題のないことが確立されている前例に従うことを何よりも重視し、そこから外れる新しいことを行うのを嫌い、避けようとする。
今までしたことのない新しいことに、自分が入って取り組むのを躊躇し、怖がり、誰か他の人がやってくれないかと実行を他者に転嫁しようとする(退嬰性)。先輩の作ったすでに安全性が確認されている前例、しきたりをひたすら守り、そこから外れたことをしようとしない。他者の成功例の模倣に長けている。試行錯誤をいやがり、これが必須となる独創性を重んじない。前例をよく知っている人を尊敬し、何もない状態から何かを作り出す人を軽んじる。前例をよく知っている先輩とそうでない後輩との間の支配・従属の上下関係がきつい(学校ばかりでなく、家庭の中の嫁姑関係もこれに当てはまる)(先輩後輩制、年功序列の重視)。
新たな物事を行うため前進するのに、まともに風を食らうハードな環境で過ごさなければならない一番手になることを嫌い、防風役の一番手が前にいることによって直接風を受けなくて済む、より楽で安全なな環境で過ごせる二番手となることを好む(二番手指向)。例えば、誰かが失敗を繰り返しながら未知の新しいこと(製品作りなど)に挑戦している間は、じっと待ってひたすら傍観を決め込み、成功したと見るや、パイオニアの行動を一斉に真似たり、それにちょっとだけ改良を加えた成果を社会に送り出して、結果的に一番手のパイオニアを駆逐する(コピー・物真似指向)。
現在のそこそこ恵まれた環境からの変化(例えば、現在の地位や所属を捨てて新しい環境へと冒険することなど)を好まず、大企業や役所勤務など安定した環境に、自分(や自分の家族)がずっとい続けるのを望む(安定指向)、あるいは、そこそこ居心地よい現状がそのまま変革されずに続くのを好む(保守・現状維持指向)。←「好条件の環境にい続けたがる」という点で、2.5「温室指向」とも関連する。
女性が、安全第一で危険を回避するため、(どんな危険が待ち構えているか分からない)未知の領域、分野に踏み込んで探検しようとしないことは、未知の領域、分野に入ることで得られる新しい境地、知見に、最初に接することができないことを意味する。その点、最初にそうした新しい知見、発見に接することのできる男性に比べて、新しい知見を得るのが必ず一歩遅れることになる。その点、技術・文化の発展において、女性(の強い社会)は、男性(の強い社会)に比べて、必ず一歩後進的となる(文化的後進性)。
○A2-2.「権威、強権追従指向」
←権威者、強権者の後をついていれば我が身の安全が保たれるため。
強い者(強権者、権力者)に惹かれ、なびく。「壁ドン」とか、強引に物事(デートの手順とか)をどんどん進める、自分たちを積極的にリードしてくれる強権、主導権の持ち主(特に異性である男性)に心がときめき、好きになる。強権政治、独裁政治を心の底で希望する。強者を「お上」と呼んで敬い、従う。強者(欧米列強とか)がもたらす文化、文物を愛好する。
権威者(先生、上役)や権威ある集団(家元.など)の後を追随したがり、お上の権威やブランドに弱い(ブランド指向)。自分のこれからの行動を自分を守ってくれる権威者に決めてもらおうとする。権威者の決めた規則に従順である(よく守る)(規則遵守指向)。規則が自分の真意に反している場合、表向きは従う(反抗しない)が、そうすることでストレスがたまると、裏で陰口を叩く(面従腹背)。
強者、権威者と結婚して自分の子孫を残そうとする。自分自身の生きた証(社会に広めるべき、自分自身の後天的・文化的コピー)を、権威ある者、強い者と不可分に一体化することで、「自己=権威者、強権者」という形で残す。
○A2-3.「責任回避、責任免除」
←失敗したときに責任を取らされて、社会的生命を断たれる(周囲の皆から村八分に会う、社会の中で公然と生きて行けなくなる、皆から見限られていざという時助けてもらえなくなる、糾弾・嘲笑・処罰・失脚の対象になる)ような危ない、恥ずかしい目に会わないようにするため、責任を回避したり、あるいは社会から、そもそも責任を取らなくて良いように免除されたりする。
(1) |
責任回避、責任転嫁指向 |
失敗したとき、自分から進んで責任を取ろうとしない。誰か他の人が代わって取ってくれないかと望む。責任を他者になすりつける(責任転嫁)か、周囲との連帯責任に持ち込む。 |
(2) |
受動指向(受け) |
自ら進んで行動を起こすと、取った行動に対してより大きな責任が生じてしまうので、自分からは行動を起こさず、受動的な(受け身の)態度を示す。 |
(3) |
高地位回避指向 |
大きな責任が生じる社会的に公式の高い地位・役職につくことを進んで避ける(責任者になろうとしないか、なっても「主」ではなく「副」責任者に止める)。男性を責任の伴う公式に高い地位へと積極的に追い立てつつ、自分たちは責任を取らなくて良い、気楽な立場を維持しようとする。 |
(4) |
あいまい・間接指向 |
直接的で明快な態度を取ると、取った行動に対する責任がより明らかになってしまうので、間接的で遠回し、玉虫色のあいまいな態度を取ろうとする。 |
(5) |
自己決定の欠如、服従指向(マゾヒスト) |
自分で自分の将来や取るべき行動を決めようとせず、周囲の他者に決めてもらおうとする。(有力な)他者の決定に素直に一方的にハイハイと服従し、他者の言うことを聞く(マゾヒストである)。いざ失敗したら、決めた他者の責任とすることができる(そうすることで自分は責任逃れができる)。自分の将来取るべき行動をアドバイスしてくれる占いを好む。他者に何でも決めてもらう分、自分は他者に操られているという被害者意識を抱きやすい。 |
(6) |
決断回避・先送り指向 |
自分からは進んで決断することをしないで、決断を先送りする。自ら決断すると、その判断について責任を問われてしまうため、それをいやがり避けようとする。 |
(7) |
支配の非公式性 |
自ら公式に社会の支配者であることを認めると、社会に対する、支配していることへの結果責任が生じてしまうので、実際に支配する立場にいても、決して認めようとしない。社会の支配者はあくまで男性であると主張する(例えば、女性・母性が実質的に優勢な日本社会において女性フェミニストが通常取る態度である)。他者を支配するとき、責任を伴う公的な組織の長に自らなるのではなく、長になった男性の生活上の管理者(母親や妻)になることで、責任からは自由になった状態で非公式な支配を行う。 |
○A2-4.「高不安性」
自分の周囲に存在する危険の可能性に対して敏感であり、自分がいつ危ない目に会うか、そのことに専ら注意が向いて、怖がり、臆病な態度を示す。身の安全確保に対する確信が持ちにくく、自身の保身を脅かす対象がいつ自分の近辺に現れるか分からないと考えて、怯える。自分を守ってくれる(ボディガード、エスコートしてくれる)シェルター役の存在(特に男性)を望む。
○A2-5.「内部指向」
よりよい条件の下で生き延びることを指向するため、苛酷な外部環境(冷たい外の風)に直接さらされるのを避け、温かさが常時保たれる(外部環境から遮断された)内部領域に留まろうとする。ピンク、赤のような暖色、心理的な暖かさを好む(温室指向)。
外部の見知らぬ危険かもしれないよそ者~外敵と直接向き合う必要のある(自己の属する家族~組織の)表面に露出することを避け、内部~奥に止まろうとする(表面回避指向)。日本において主婦のことを「奥さん」と呼ぶ慣行がこれに当たる。組織の顔として外部に直接露出する立場である、(自己の属する家族~組織の)代表になることを避けようとする(代表回避指向)。
戦争やビジネス戦線とかで、銃弾の飛び交う危険な前線には直接出ようとせず、専らエネルギー供給、飲み物配給等の後方支援に回る役目を果たそうとする(後方支援指向)。
ターゲット(ドアの取っ手、プリンタ等の家電製品、女性の自分自身)が外界に露出しないように、保護、隠蔽、ほこり除けを目的として、カバー、シート、覆いを掛ける、被せるのを好む(カバー指向、露出回避指向)。
◎A3.「心理的近接」 互いに心理的に近づき合い、一体化し、助け合おうとする。
○A3-1.「人間関係への指向」
←人と人との間を互いに結びつけることで、人々が互いに協力し合って、環境適応上の困難を克服できるようにさせるため。互いに関係を取り合って、いざという時に互いに助け合うことができるようにするため。
(1) |
関係構築・維持指向(関係の本質視) |
人間関係に長じる。関係を持つことそのものを重視する。人間自体に興味を持って近づこうとする。人形遊びのように、人間をかたどったものに関心がある。人間とはかけ離れた機械的なメカとかには関心がない。女子いじめの手段として無視が効果的であることからも分かるように、人間関係を断たれることに弱い。一人孤立したままい続けることが難しく、常に他者との関係を維持することを求める。 |
(2) |
親密、馴れ合い、仲良し、タッチ指向 |
互いにベタベタくっつき合うのを好み、人間関係が濃密・濃厚である(ウェットである)。互いに周囲の他人に心理的に近づいて親密な関係を保とうとする。互いに馴れ合おう、仲良し集団を作ろうとする。互いの親密さを無限に追求しようとし、相手が他に親密な相手ができると嫉妬する。同性の友人同士手をつなぎ合って帰るなど、互いの肌を触れ合うこと(タッチ)が自然である。親和欲求が強い。 |
(3) |
自己開示指向 |
自己開示を好む。自分のことを相手によりよく理解してもらうことで、自分と相手との距離を縮めようとする。 |
(4) |
コミュニケーション指向 |
人間関係を強化して、いざというときに連帯・協調して助け合いやすくするため、他人とのおしゃべり、コミュニケーションが好きである(コミュニケーションの本質視)。しゃべること自体が自己目的化している。他者とのコミュニケーションがしつこく、なかなか互いに話を切ろうとしない。 |
(5) |
配慮、気配り、親身、ケア指向 |
周囲の他者との良好な関係を保つため、絶えず周囲に配慮、気配りするか、配慮、気配りしているという姿勢を見せようとする。困っている他者とかを親身になってケアしようとする。周囲の他者を、自分の注意の対象、ケアのスコープ内に含める、内包することで、他者と心理的に一体化しようとする。 |
(6) |
依存、甘え指向 |
周囲の他者と心理的に近くにいて、(互いに)依存しよう、甘えようとする(「甘えの性」である)。すなわち、独立自立の(孤独を耐え忍ぶ)精神に欠ける。誰かに守ってもらわないと不安で仕方がない。 |
(7) |
表面的過剰自立指向 |
周囲の他者と仲良く相互依存して生きていくのがデフォルトの生き方である。そのため、何らかの形で、周囲の他者の援助を得られなくなって(今まで所属していた集団から外れて)一人で自立して生きていこうとするときに、男性に比べて、肩に力が過剰に入ってしまい、「自分はひとりぼっちなんだ。誰も助けてくれないんだ。」とヒステリックに決めつけ、見かけ上過剰に自立した態度を取るが、本当は誰かに助けてもらいたくて仕方がない。独力で生活していくのに自然でいられる男性に比べて、女性は悲壮な覚悟を決めがちである。 |
(8) |
安定組織所属指向 |
「寄らば大樹の陰」ということわざ通り、中央官庁や大企業のような安定した集団に所属して、いざというとき、同じ組織に属しているということで自分を助けてくれることを望む。自分の後ろ楯となってくれる組織が潰れにくい(組織が自分を守ってくれる状態が永続する)ことを指向する。 |
(9) |
反プライバシー |
周囲の他者との間で、互いに互いをチェックし合うのを好む。互いに相手が今何をしているか見えない個室をいやがり、大部屋で皆がいるのを好む。他人の噂話をするのを好み、プライバシー侵害の概念に疎い。 |
(10) |
注意誘引指向 |
自分の存在をアピールして他者に気づかせ、周囲の他者が自分のことを助け忘れるのを防ごうとする。自分に対して他者の注意を引き付けようとする。他者に対して自分へと興味を集中させようとする。ヒステリーを起こすなどして、周囲の視線が自分に集まるようにする。周囲の気を引くのを好む。周囲に自分のことを見られることが快感である。他人の視線を前提とした自己呈示の方法である化粧や服飾に対して強い興味を示す。 |
(11) |
中心人物化指向 |
周囲から注目を集める、ちやほやされる、対人関係面での中心人物となることを目指す。そうした人物になることを勝者、成功者と見なす。 |
(12) |
評価・期待敏感指向 |
他人に自分がどう見られているか、思われているかをしきりに気にする。周囲の自分に向けられる視線が気になり、盛んに恥ずかしがる(いわゆる日本=「恥の文化」の立役者であり、「恥の性」である)。他者に対して視線恐怖を起こしやすい。周囲の自分への期待に敏感である。周囲の他者に気に入られよう、受け入れてもらおうとする。 |
(13) |
感情・情緒指向 |
物事や他人を好きか嫌いかで感情的、情緒的に捉えようとする。対象との距離をひたすら近づけよう(入れ揚げよう)とするか、遠ざけよう(離れよう、避けよう)とするかのどちらかしかできない(対象への心理的近接・忌避)。公平・中立に物事を距離を置いて見ることができない。人や物事への距離感が欠如している。 |
(14) |
主観・直観の重視 |
他者との関係で冷静に一歩引くことが必要な、客観的、科学的な論理の振り回しを好まず、主観的勘に基づいた直観的判断を行うのを好む。 |
(15) |
関係粘着、しつこさ指向 |
いったん自分とつながった、関係を持った相手や対象(ネット掲示板等)に、いつまでもしつこく付きまとおうとする。いったん始めた会話を、話題を変えて、いつまでもしつこく続けようとする。 |
○A3-2.「心理的集合・密集・一体化」
←独りでいることから来る、誰も自分を助けてくれない、という不安から逃れようとするため。周囲の他者と近接することで、「周囲の皆と一緒にいる」という一体感が生まれ、「独りでない」 、「互いに困ったときに助けてもらえる」という安心感に浸ることができるため。
(1) |
集団主義 |
周囲の他者と物理的・心理的に近づいた状態としての集団を維持すること自体を好む。いつも集団で行動するのを好む。集団・団体でまとまっているのが好きである。トイレに行くのに、1人ではなく、複数人で連れ立って行く。食事を仲良しグループで固まって取る。集団から外れるのを恐れる。 |
(2) |
同調、迎合指向 |
周囲で流行っていることを、自分もやろうとする。周囲の服装などの流行にうるさく、細かくチェックしようとする。周囲に対して同調性が強い。周囲の動向に自分が付いて行けないことを恐れる。周囲の動向に自分を合わせる。自分を周囲の他者と一緒、一体化しようとする。周囲との調和・和合を保つことに心を砕く。 |
(3) |
密集指向 |
周囲の他者と一緒に狭い空間内にいる密集状態を(男性より)好む。 |
(4) |
メジャー(多数派)追従指向 |
周囲の皆が採用する、多数派、主流派に当たる事物の方を自分も進んで採用しようとする。多数派になることで、自分と同じ考えの仲間が数多く存在するのを好む。 |
(5) |
相互一体化・融合化指向(一体感の重視) |
対象との距離をより近く取ろうとし、対象との一体・融合化を指向する。相手との一体感を偏重し、「愛」という言葉を使うのが好きである。物事に対して客観性が欠如している(客観的な見方ができず、非科学的である。宗教・迷信を信じやすい)。対象を自らと一体化し、包み呑み込む態度を取りやすい。従来、母性や愛情と言われてきたのがこれに当たる。対象となるものを受容する(受け入れる)ことに長けている。心理的に一体化しやすい(抱きしめたい)ものを、「かわいい」と言って好む。恋人とかとのドロドロした愛憎関係を心の底で好む。 |
(6) |
コピー指向 |
他人が身につけた優れたアイデアを、自分も直ちにコピーして身につけようとする。コピーすることで、「私もあなたと同一、同質になった、追いついた。一緒だね。」という一体感を相手に示そうとする。周囲の流行を追おうとして、自分も周囲の動向を安直にコピーすることに忙しく、大元のアイデアを考え出した人のオリジナリティには余り考えが及ばない。 |
(7) |
閉鎖・排他指向 |
閉鎖的、排他的な仲良しグループを形成し、いつもそのメンバーでいようとする。閉じた空間・メンバーに限定された中で、同じ仲間と繰り返し息の詰まるような相互の親密さを追求しようとする。よそ者を入れると、今まで仲間と作り上げてきた親密な雰囲気が失われるので、よそ者の加入をいやがる。 |
(8) |
相対評価指向 |
自分の評価を、周囲の仲間と序列づけて比較する形で行う。閉じた集団~仲間の中で自分が何番目にいるか、ということにうるさい。一緒に同席している女性集団の中で一人がほめられると、他の同性の仲間が、自分がより低く扱われたと機嫌を損なう。他者が自分よりちやほやされ、優遇されると、ライバル視して、足を引っ張ったり、自分の方が格上であることを示そうとして、競争心を燃やす。 |
(9) |
規制・横並び・平等指向 |
各々が自由競争を行うことで、互いの間に大きな格差が生じて、敗者の心の中に勝者に対する嫉妬心が芽生え、互いの仲の良さ・一体感・調和・協調が崩れるのを避ける。競争を好まない(非競争指向)。なるべく相互の間に格差が生まれないように、横並び・平等になるように、護送船団・談合方式の規制をかけようとする。突出者の足を引っ張って、皆と平等の状態に戻そうとする(「出る杭は打たれる」を実践する)。 |
(10) |
ソフト感触、柔軟指向 |
互いに近接して存在するときに、相互にぶつかっても心地よい感触を保てるように、人当たりをソフト・柔らかにする。肌にソフトな柔らかい感触をもたらすぬいぐるみなどを好む。一見弱いが、柔らかくしなやかで、力が加わっても折れない強さを持つ。 |
(11) |
所属指向 |
どこかのグループに必ず所属しようとする。どこのグループにも入れてもらえず、孤立無援の状態に陥るのを何よりも恐れる。自分が所属する集団(学校、会社等)の格付けを盛んに気にする。 |
(12) |
仲良し・結束強調指向 |
自分が所属するグループ内の仲の良さ、和合、結束の強さを、互いの持ち物を揃えるなどして対外的にアピールしたがる。 |
(13) |
陰口・いじめ指向 |
グループ内の不満を、グループ外に表面化・表沙汰にせず、グループが表面上はうまく行っている(皆仲良し)ように取り繕いつつ、裏で陰口を叩いたり、悪口を言ったり、周囲の目に触れないところで不満の捌け口となるスケープゴートを作って皆で寄ってたかっていじめる。 |
(14) |
排除回避指向 |
自分が所属するグループから排除されて仲間外れにならないように気を遣う。グループの主流派におべっかを使ったり、スケープゴートの悪口を一緒になって言ったりする。 |
(15) |
突出者排除指向 |
所属する集団の中で、限度を超えて突出した者、個性が強すぎる者を、場の調和、和合、一体感を乱す者として非難し、集団から追い出す。 |
(16) |
護送船団指向 |
自己保身のために、互いにまとまって、船団のような集団を作ろうとする。 |
(17) |
和合、調和指向 |
互いに和合し、相互の一体感、調和を強調し、そのように相互に馴れ合った状態を持続させようとする。 |
(18) |
(自由)競争回避、横並び指向 |
互いの歩みを横並びに揃えてグループを維持するために、自由な競争を回避しようとする。 |
○A3-3.「注意の近視・表面・末梢性」
←物事に対する興味を自分の身の回りの狭い安全な範囲に限定し集中させるため。
ものの見方が近視眼的である。自分の今いるところから近距離の空間、短時間の手が届く範囲に専ら注意が行き、実用性に富む判断をする反面、遠大な計画性に欠ける(近距離・短時間指向)。物事の細かいところ、瑣末な枝葉のポイントにこだわり、きびしくチェックしようとする(姑による嫁いじめなど)(詳細、細密指向)。大局的な視点に欠ける(末梢、末端指向)。
ものごとの本質を追わず、枝葉末節の飾りにこだわる(装飾重視指向)。身の回りの品を購入するのに、その品物の機能本来について(環境適応にどう役立つか)よりも、どんな飾りが付いているか、見栄えはどうか(ファッション、デザイン)に関心が行く(機能軽視指向)。ものの見方が近め、浅め、表面的である(思考の奥行き欠如)。
自分の身辺の狭い、薄い範囲に注意が集中し、身の回りのちょっとした雰囲気の変化に敏感である。身辺の状況変化を感じ取る皮膚感覚に優れる(身辺敏感指向)。
○A3-4.「スケールの小ささ(限定分布性)」
←安全が確保される領域は、そうでない領域に比べて、小さく、限定されており、その中での自己実現のスケールは、自ずと小さく、ちまちまとしたものとなるため。
安全性が確保された狭い領域内に、自ら限定して分布しようとする。安全枠の外に出ようとしない。
限定された小さな領域の枠内で、自己実現をしよう、成果を出そうとする。安全枠内に囚われた形で物事を考える。
自身が生み出す成果、生産物が、スケールの小さい、壮大さに欠ける、繊細なものになる。
小ぶりの、スケールのこじんまりと小さくまとまった「かわいい」ものを好む(かわいさ指向)。
巨大組織にはあまり興味がなく、範囲の狭いこじんまりとしたアットホームな組織(会社、NPO・・・)、ないし縁故ネットワークの中で、主導権、支配力を握ることを指向する。
◎A4.自傷回避指向
貴重品としての自分が、外的な力で傷付くことを恐れ、回避しようとする。
(1) |
衝突回避指向 |
相手とぶつかることで、自分に傷が付いたりや割れができたりすることを避けようとする。 |
(2) |
静的指向 |
むやみに速く動いて、何かにぶつかった際に、大きな傷を負わないように、静かにじっとしているか、ゆっくりと慎重に動こうとする。落ち着いた、丁寧な、雅やかな挙動を取ろうとする。 |
(3) |
繊細指向 |
自分のことを、繊細で傷つきやすい存在と捉え、傷が付かないように、大切に気を配る。がさつな行動を忌避する。女性コミック作家のキャラクタとかを描く線が、か細く、繊細である。 |
(4) |
非破壊、共存指向 |
相手を破壊しよう、割ろうとせず、ありのままの形で受け入れ、共存しようとする。 |
B.「男らしさ」の検討
「男性=非貴重品、守る(ガード・守衛の)性」という視点からの「男らしさ」としてどのような点が考えられるかを以下に箇条書きの形でまとめた。
◎B1.「自己の非貴重視」
女性やその他重要人物のことを大事、大切に扱い、守ろうとする。そのために、自分が粗末な扱い(命を落とす、怪我をするなど)を受けても構わないと考える。
(1) |
守衛・保護指向 |
周囲の貴重な存在として守られる・助けられるべき立場の人物(女性、VIP、子供など)を守ることを根源的に望む。 |
(2) |
非高貴指向 |
自らを粗末な存在と見なし、高ぶらない。気さくである。 |
(3) |
下品容認指向 |
自らの品位の高さをさほど気にしない。下品でも構わないとする。 |
(4) |
無礼容認指向 |
自分に対する礼儀が守られるかどうかをさほど気にしない。互いの態度が多少無礼でも構わないとする。 |
(5) |
強がり指向 |
自分が社会の中で守衛・防衛・保護者として役立つことをアピールするため、(農耕社会の男性のように)例え社会的に(女性より)弱者の立場にいても、(女性よりも)強い振りをする(強がる)。自分のことを強者、支配者として扱ってもらいたがる。 |
◎B2.「安全提供指向」
自分より貴重な存在の身の安全を守ることに心を砕く。そのために危険に直面することを厭わない(危険直面・対峙指向)。 また、失敗を恐れず、果敢に立ち向かっていこうとする(失敗直面・対峙指向)。
○B2-1.「リスク、危険、未知指向」
←どんな危険や失敗が待ちかまえているか知れない未知の対象や状況の解明に、自身を実験台上のモルモットと見なして積極的に挑もうとする。そうすることで、失敗を繰り返しながら、自分が守ろうとする存在の生存可能性をより高めることのできる工夫や方策を見出すため。
すでに安全性が確認されている前例から外れた、今まで誰も入ったことのない未知の分野で業績をあげることに長けている。誰も入ったことのない未知の、どんな危険が待ち構えているかも知れない領域・空間を探検するのを好む(探検指向)。失敗を恐れず冒険・挑戦するのを好む(冒険・挑戦指向)。試行錯誤が必須となる独創性を重んじる(独創指向)。前例をよく知っている先輩とそうでない後輩との間の支配・従属の上下関係が緩く、年少者でも、独創的な成果をあげた者は上位者扱いされる(年功序列の弱さ)。
新たな物事を行うため前進するのに、まともに風を食らうハードな環境となる一番手になることを厭わない(パイオニア指向)。
現在の環境からの変化(例えば、現在の地位や所属を捨てて新しい環境へと冒険することなど)を好む。絶えず新天地を求め、そこそこ居心地よい現状をも積極的に変革していこうとする(変革指向)。
未知の領域、分野に進んで入る分、新しい知見を真っ先に得ることができ、(進んで入ろうとしない女性に比べて)より先進的な文化、技術を持つことができる(文化的先進性)。
自分自身の生きた証(社会に広めるべき、自分自身の後天的・文化的コピー)を、自分で切り開いた独創的な成果という形で残す。
○B2-2.「権威非追従指向」
←権威筋の他者に自分を守ってもらうのを好まない。自分の身は自分で守ろうとするため(自己防衛指向)。
自己の保身のために権威者の後を追随するのを好まず、権威に反逆したり、権威筋とは別の独自の道を歩もうとする。
相手に権威のあるなしで、相手の評価を変えることをしない。相手が権威者かどうかに影響されず、公平・客観的な評価を、相手に対して下そうとする(権威非影響性)。権威者の後ろ楯のない無名の新人でも、才能があれば、積極的に評価する(無名評価指向)。
○B2-3.「責任受容」
失敗したときに責任を積極的に取る。責任を取ることで、自分自身が社会的生命(組織内地位、社会的な評判など)を断たれる危ない目に直面することを厭わない。 自分が責任を取ることで、周囲の守るべき他者に責任が及ばないようにして、守ろうとする。
(1) |
責任取得指向 |
失敗したとき、自分から進んで責任を取る。責任転嫁をしない。責任は一人で取り、周囲との連帯責任に持ち込むことはしない(責任単独取得指向)。 |
(2) |
能動指向(攻め) |
自ら進んで行動を起こす。取った行動に対してより大きな責任が生じてしまうことを恐れない。失敗覚悟で積極的に攻める。 |
(3) |
高地位就任指向 |
大きな責任が生じる社会的に公式の高い地位・役職に進んでつこうとする(責任者になろうとする。「副」責任者ではなく「主」責任者になろうとする)。 |
(4) |
直接・明快指向 |
直接的で明快な態度を取ることで、取った行動に対する責任がより明らかになってしまうことをあえて受容する。態度を直接化・明確化することで得られる、業務効率化などのメリットを、失敗時の責任追及の矛先となってしまうデメリットよりも優先する。 |
(5) |
自己決定指向 |
自分で自分の将来を決めようとする。周囲の他者頼みにしない。いざ失敗したら、決めた自分の責任となってしまうが、それでも構わないとする。 |
(6) |
決断・即決指向 |
自ら進んで決断しようとする。決断の時期を積極的に早めようとする。決断することで決断結果への責任が生じることを避けようとせず、生じる責任に真正面から対処、対決する準備を怠らない。 |
(7) |
支配の公式性 |
自ら公式に社会の支配者であることを積極的に認める。社会に対する、支配していることへの結果責任が生じてしまっても構わないとする。 |
(8) |
優劣明確化(闘争、敗者の道具化)指向 |
互いの能力面での優劣をはっきりさせようと、互いに闘争する。勝った方が、負けた方を手下、道具としてこき使うことを許容する。 |
(9) |
支配・制御能力誇示指向 |
自分はこんなに、他人を打ち負かす、他人を寄せつけない、高い対象(物体、道具、人)制御・支配の能力があるんだと、周囲に誇示、自慢しようとする。他人に自分が支配・制御能力がないと疑われると、プライドを傷つけられる。 |
○B2-4.「低不安性」
自分の周囲に存在する危険の可能性に対して心の準備ができており、積極的に立ち向かっていこうとする。危険に対して、怖がったり、臆病な態度を取ったりしない。自身の安全確保に対する確信を持ちやすい。自分の身は自分で守ろうとする。
○B2-5.「外部指向」
外部環境に直接露出する表面領域に出ようとする。
生存のためのよりよい条件を、自分より大切・貴重な他者に譲ることを指向するため、苛酷な外部環境(冷たい外の風)に直接さらされるのをあえて受け入れる(苛酷環境受容指向)。青、水色のような寒色を好む。環境の冷たさ、風当たりの強さを受容し、耐えようとする。
外部の見知らぬ危険かもしれないよそ者~外敵と直接向き合う必要のある(自己の属する家族~組織の)表面に、積極的に進んで出よう、露出しようとする(表面露出指向)。組織の顔として外部に直接露出する立場である、(自己の属する家族~組織の)代表になることを進んで引き受けようとする(代表役割引受指向)。
戦争やビジネス戦線とかで、銃弾の飛び交う危険な前線に直接出て、命を惜しまず体を張って敵と戦闘を交える役目を果たそうとする(前線露出指向)。
◎B3.「心理的分離」 互いに心理的にバラバラに分散し、自立しようとする。
○B3-1.「非人間(物質・物体・メカ)指向」
←普段は、互いに自立性を保ち、できるだけ他人の助けを借りずに一人で生きて行けるようにするため。
(1) |
ツール(道具)指向、関係の手段視 |
ツール、道具を使うこと、物事をツールとして道具視することを好む。人間関係や他人を、何か物事を実現するためのツール・道具として捉える。人間自体には、あまり興味がない。人間とはかけ離れた機械的なメカや、岩石のような無機的な物質とかに関心を持つ。人間関係を断たれることに強い。一人孤立したままい続けることがさほど困難ではない。他者との関係は、それが自分自身の生存に役立つ手段として利用できるときのみ構築する。 |
(2) |
淡白関係、非タッチ指向 |
互いにベタベタくっつき合うのを好まない。人間関係が淡白、あっさりしている(ドライである)。互いに周囲の他人に心理的にむやみに近づこうとせず、一定の距離を置くことで、互いの独自領域(心理的な縄張り)を侵犯しないようにする。同性の友人同士で互いに肌を触れ合うのを避ける。 |
(3) |
プライバシー指向 |
自分のプライバシー(他者の侵入を許さない独自領域)を確保する、守ることに熱心である。自己開示を好まない。自分個人のことは、自分の心の内側にある独自領域にしまっておこうとする。互いに、自分が今何をしているか相手からは見えない個室にいるのを好む。 |
(4) |
コミュニケーションの手段化 |
互いの自立性を確保するため、他者とのコミュニケーションを必要以上に取ろうとしない。他者とのコミュニケーションが、用件解決の手段化、道具化しており、用件が済んだら、さっさと話を終わらせようとする(コミュニケーションの手段視)。 |
(5) |
自立指向 |
周囲の他者と心理的に離れて、相互に独立し、自立しようとする。他者の力を借りずに独力で生活して行くことが自然にできる。 |
(6) |
個人独立指向 |
中央官庁や大企業のような大きな集団に所属することに必ずしもこだわらず、個人で独立した業務をこなすコンサルタントや、ベンチャービジネスの起業家のような「一匹狼」になることを厭わない。自分の後ろ楯となってくれる組織を必ずしも求めない。 |
(7) |
注意非誘引指向 |
自分の独自領域(心理的な縄張り)に他者が入ってくるのを防ぐため、他者に対して、自分へと興味があまり集中しないようにする。周囲の視線が自分に集まるように周囲の気を引くのを好まない。他人の視線を前提とした自己呈示の方法である化粧や服飾に対する関心が薄い。 |
(8) |
評価・期待鈍感性 |
自分が構築した独自の世界の中へと興味が集中してしまい、周囲の自分への期待に対する敏感さに欠ける。他人に自分がどう見られているか、思われているかを余り気にしない。周囲の自分に向けられる視線が気にならない。周囲の他者に気に入られよう、受け入れてもらおうとする気が薄い。 |
(9) |
客観指向 |
物事や他人を好きか嫌いかで感情的に捉えようとせず、客観的、ドライに判断しようとする。公平・中立に物事を距離を置いて見ようとする。距離感がある対応をする。 |
(10) |
自力制御・支配指向 |
(扱うこと、勝つこと、支配することの難しい)対象(物体、道具、人)を完全に自分一人の力で制御、支配できる人間になることを目指す。 |
○B3-2.「心理的分散」
←自分の力の及ぶ独自領域(縄張り)をなるべく広く取って、互いに独自領域(縄張り)を侵犯しにくくするため。
(1) |
個人主義 |
周囲の他者と物理的・心理的に離れた、個人でバラバラに動き回れる状態を好む。単独行動を好む。集団・団体でまとまって行動するのを好まない。集団から外れて一人になるのをさほど気にしない。 |
(2) |
非同調指向 |
周囲で流行っていることとは無関係に、自分の独自に興味ある分野の探求をすることに熱心である。周囲の服装などの流行に、女性に比べて疎い。周囲に対して同調性が弱い。周囲の動向に自分を合わせようとしない。自分を周囲の他者とは別物、独自の存在として扱おうとし、周囲と不調和になっても構わないとする。 |
(3) |
広域分散指向 |
周囲の他者からは大きく距離を取って、互いに広い面積に分散して存在することで、自分の独自領域(縄張り)がなるべく大きくなるのを好む。周囲の他者と一緒に狭い空間内にいる密集状態を嫌う。 |
(4) |
マイナー(少数派)指向 |
周囲の人々が心理的に密集している多数派よりも、人のまばらな少数派を指向する。 |
(5) |
相互分離・切断指向 |
対象との距離を一定以上取ろうとし、対象との分離を指向する。相手と必要以上の一体・融合感を持つことを嫌い、対象との関係を切断しようとする。物事に対して客観的な見方をし、科学的である。宗教・迷信を信じない。対象となるものを自分から離して客観的に見つめることに長けている。 |
(6) |
オリジナル指向 |
自分と他人とは違うんだという立場に立ち、自分オリジナルのアイデアの創出を大切にする。他人が発明した優れたアイデアを、そのまま無条件に直ちに自分自身へとコピーしようとはせず、独自に別のアイデアを考え出せないか、工夫しようとする。自分ばかりでなく、他人のアイデアについても、そのオリジナリティを尊重する。 |
(7) |
開放指向 |
形成するグループが外部に向かって開いており、よそ者も能力や適性を認められれば、いつでも自由にグループに加入できる。メンバーが、必要に応じて外部と容易に入れ替わる。グループは、何か目標を達成するためのあくまで手段であり、目標が達成されたら解散する。グループ成員同士の付き合いが自己目的化しない。 |
(8) |
絶対評価指向 |
自分の評価を、周囲の仲間と比較せず、グローバルで絶対的な基準を用いて行う。自分が取った点数そのものに関心が行き、その点数が自分の所属集団の成績分布の中のどの位置に当たるか、ということにはあまり関心がない。一緒に同席している集団の中で一人がほめられても、自分に対する評価はそれとは独立、無関係に行われると考え、動揺しない。 |
(9) |
自由競争指向 |
互いに束縛されず、個々が各々独立して自由に動き回れるのを好む。他者より有利な立場に立つための手段を選ぶ際に、なるべく規制を受けず、ダイナミック、大胆に立ち回れるのを好む。自由競争の結果、格差や上下関係が生じても、その結果を甘んじて受ける(責任を取る)。格差を容認するとともに、失敗時のやり直し・格差挽回の機会がいつでも平等に与えられることを望む。 |
(10) |
能力主義、自己能力へのプライドの高さ |
問題を解決する持つ能力の高さで人間の格を測ろうとする。自分の能力の高さに対して、高いプライドを持ち、他者が自分より高い能力を示すと、ライバル視して、自分の方がより高い能力を持っていることを顕示しようとする。 |
(11) |
ハード感触、剛性指向 |
金属や岩石のような、ゴツゴツした硬い感触を(女性より)好む。気質が硬く剛性に富むが、柔軟さに欠け、力がかかるとひび割れて、ポッキリと折れてしまう。 |
(12) |
非結束指向 |
隙あれば、自分が所属するグループからバラバラにはみ出て、互いに自分の好きな方向に進んで勝手に自己主張しようとする。 |
(13) |
不満表出指向 |
グループ内の不満を、中でくすぶらせずに、グループ外に安直に表面化して、互いに他人の目に見えるところで攻撃し合い、さっさとガス抜きを行う。 |
(14) |
安易脱退指向 |
自分が所属するグループから脱退することを安直に行う。グループから出た後も、独りで自立して気楽に生きていき、機会を見て次のグループにさっさと混ぜてもらおうとする。 |
○B3-3.「注意の遠隔・空間・大局性」
←危険や異変の発生を見張るため、広い範囲の物事を一括して把握できるようにするため。
遠距離、長時間の展望、計画を持ちたがり、身近な場、細かいポイントについて注意が行き届かない(遠距離・長時間指向)。
例えば、実世界の垂直と水平を見極めるような、広域空間の三次元立体把握が得意である(空間把握能力が高い)。物事の大局的な把握が可能である(ワイド視点、大局指向)。品物の枝葉末節の飾りには興味がない(装飾軽視指向)。細やかさに欠け、大雑把である(粗雑指向)。品物の機能そのもの(環境適応にどう役立つか)に関心が行く(機能重視指向)。
奥行きのある広い空間に注意が向く(広大空間注意指向)。広大な空間を一気に見通して、遠い、深い物事の考察を行う(思考の深遠性)。
○B3-4.「スケールの大きさ(広域非限定分布性)」
←安全が確保される枠を超えてでも、自分の分布可能な領域を可能な限り広く、大きく取ろうとするため。
安全性が確保されない領域にも、積極的に打って出て、自分の能力を試し、生存可能な領域枠を広げようとする。安全枠の外に積極的に出て行き、広域分布しようとする。
自己実現をしよう、成果を出そうとする際に、枠を限定せず、できるだけ大きく取ろうとする。安全枠内に囚われずに広く、大きく物事を考える。
自身が生み出す成果、生産物が、スケールの大きい、壮大な、ややもすると細やかさに欠けたものになる。
巨大組織に属して、その中で昇進し、スケールの大きな影響力、支配力を行使することを好む。
◎B4.自傷容認指向
自分自身が粗末な非貴重品なので、外的な力で傷付いても一向に構わない。
(1) |
衝突指向 |
相手とぶつかることで、自分に傷が付いたりや割れができたりすることを厭わない。 |
(2) |
動的指向 |
広く取った空間を一気に移動するために、速く動こうとする。速く動くことで、何かにぶつかった際のダメージが多少大きくなってもやむを得ないと考える。 |
(3) |
粗暴、大胆指向 |
自分のことを、周囲の他者とぶつかることで多少傷ついても問題ないと考え、がさつな、大胆な行動を取る。男性コミック作家の描くキャラクタとかの線が、野太い。 |
(4) |
破壊指向 |
自分とぶつかった相手を破壊しよう、割ろうとする。 |
(5) |
殺伐、荒れ指向 |
互いに周囲の他者を攻撃し(攻め)合い、場を殺伐とした、荒れた雰囲気にしようとする。 |
◎B5.攻撃、戦闘指向
自分と敵対する他者を、積極的に攻撃して、破壊、屈伏、服従させようとする。その際、自分は勝てば、ある程度傷ついても構わないとする。
絶えず攻撃の対象、相手を見つけようとする。仮想敵を作りたがる。
戦闘や人殺しを好む。
C.考察
女性の生物学的貴重品としての行動、および男性の自らを粗末に扱う行動が生得的なものか、後天的に学習されたものかは、まだよく分かっていないというのが現状であろう。文化人類学の従来の知見(例えばM.Meadの研究)では、男女の性役割が通常とは逆転している(女性=非貴重品として行動する)の社会もごく少数だが見られるとされている。
ただし、少なくとも次のことは言えるのではないか。それは、現状の男女が、ほとんど皆「女性=貴重品、男性=非貴重品」としての行動を取るのは、女性が貴重品としての行動をとらなかった、すなわち命を粗末にした(女性が戦争などで前線に出て、どんどん死んだ)社会のほとんどが環境適応がうまく行かなくて滅んだ結果、女性が貴重品として行動し、男性が彼女らを守る形の社会のみが生き残った結果であるということである。
女性が命を粗末にした社会の環境適応がうまく行かなかった原因は、子供を出産できる女性の数が大幅に減ったため、出生する子供の数がそれに合わせて大幅に減少し、子孫の十分な再生産ができなくなったことにある、と考えられる。要するに、女性が危険に積極的に身をさらす社会も、かつてはかなり存在したかも知れないが、そうした社会が、その後の環境による淘汰(社会の子供の数が必要数を下回り、社会が存続し得なくなる)によって、現在ではほとんど存在しなくなったため、「女性=貴重品」という図式が世界的に定着した、と言えるのではないか。
何はともあれ、これからは、性差心理学者・社会学者たちは、男女の行動様式の差の根源を作り出す、生物学的な貴重性の程度の差にもっと目を向けるべきであろう。
D.実データに基づく調査結果
(1)態度についてのアンケート調査
こうした、生物学的貴重品としての「自己保身指向」的態度が実際に「女々しい」と感じられていることを、2002年11月に行ったwebアンケート調査(回答者205名)の結果、実際に確かめた。詳しくは、アンケート回答結果:自己保身指向=「女々しい」についての項目を参照されたい。
上記アンケートを元にした、女らしさ、男らしさを診断する心理テスト(生物学的貴重性の観点から)を実施中である。
参考までに、2002年11月に86名分の回答を収集した結果は次の通りである。
テスト結果値(各回答者毎の全項目平均集計値)について、明確な男女差は見られなかった。
また、項目別については、33個の項目中、想定通りの性差(女性が、より女らしい)(p<.01)が見られたのは7個、逆の性差(男性が、より女らしい)(p.<01)が見られたのが14個であった。
これは、回答国である日本において、男性が女性と同等(かそれ以上)に、自分自身のことを貴重な守られるべき存在であると考えていること、すなわち、日本男性が、根底で「女々しい」ことを示していると言える。これは、日本社会が女性的性格を持っていること、母性優位で、日本男性が心の底で母親に「頼りたい、守られたい」と思っていることと関連しているのではないかと考えられる。
(2)気体、液体分子運動についてのアンケート調査
気体、液体分子運動の動画における分子の動きがどれほど男性的、女性的に感じられるか、2007年8月に、webアンケート調査(回答者201名)で確かめたところ、気体分子の動き=男性的、液体分子の動き=女性的という結果となった。
一方、気体、液体分子運動の動画における分子の動きが、各分子がどれほど自身の保身、安全を重視するように感じられるか、あるいはどれほど危険に立ち向かうように感じられるか、2007年9月~10月に、webアンケート調査(回答者200名)で確かめたところ、液体分子の方が、より自身の保身、安全を重視しているように感じられ、気体分子の方が、より危険に立ち向かうように感じられるという結果となった。
これは、液体分子の方が、互いに寄せ集まって、集団を作り、そこに所属することで、互いに助け合い、孤立無援になることを防いでいる(護送船団である)ように感じられること、一方、気体分子は、各分子が一つ一つ孤立、独立、自立しており、自分で自分の身を助けなければならない(他者の応援を仰ぎにくい)と共に、積極的に外部の危険な領域に高速で飛び出していく状態にあるように感じられることを示していると考えられる。
このことより、「女性的=液体分子的=自己の保身、安全を指向する」「男性的=気体分子的=危険、リスクを指向する」という相互関連があることが明らかとなった。
(初出2001年4月-2010年10月)
検証すべき仮説↓
自分の保身を第一に考えて行動する「自己保身指向」の態度が、実際に「女々しい」と回答者に感じられていること。
回答期間 2002-11-27 1日間
回答項目↓
「生物学的貴重性と性差」の文章に記載された、「自己保身指向」に当たると想定される主要な態度を、33項目抽出したものを用いた。
回答収集手段↓
web上のアンケート調査による。
回答数 205
男 30.732%
女 69.268%
10代 44.390%
20代 45.366%
30代 8.293%
40代 0.976%
50代 0.488%
60代 0.488%
70代 0.000%
回答比率
〔1.1-5〕 |
||||||
番号 |
項目内容 |
仮説が |
どちらで |
仮説が |
-Z得点- |
有意 |
1 |
自尊心(プライド)が低い。 (反対) |
31.707 |
45.366 |
22.927 |
1.701 |
0.05 |
2 |
自分のことが一番かわいい。 |
43.415 |
33.171 |
23.415 |
3.503 |
0.01 |
3 |
何事も安全第一で危険を冒そうとしない。 |
49.268 |
29.268 |
21.463 |
4.734 |
0.01 |
4 |
すでに安全性が確認されている前例から外れたことをしようとする。 (反対) |
57.073 |
30.732 |
12.195 |
7.720 |
0.01 |
5 |
先輩後輩関係をよく守る。 |
22.927 |
31.707 |
45.366 |
3.888 |
-0.01 |
〔2.6-10〕 |
||||||
番号 |
項目内容 |
仮説が |
どちらで |
仮説が |
-Z得点- |
有意 |
6 |
先生や上役の決めた規則に従順である。 |
26.341 |
43.902 |
29.756 |
0.653 |
x.xx |
7 |
品物を購入するのに、ブランド品であることを重んじない。 (反対) |
54.634 |
32.683 |
12.683 |
7.321 |
0.01 |
8 |
自分からは進んで責任者になろうとしない。 |
52.195 |
32.195 |
15.610 |
6.361 |
0.01 |
9 |
自分からは行動を起こさず、受け身である。 |
60.000 |
24.390 |
15.610 |
7.309 |
0.01 |
10 |
物事に対して明快・明確な態度を取ろうとする。 (反対) |
54.146 |
27.805 |
18.049 |
6.083 |
0.01 |
〔3.11-15〕 |
||||||
番号 |
項目内容 |
仮説が |
どちらで |
仮説が |
-Z得点- |
有意 |
11 |
占いを好まない。 (反対) |
58.049 |
32.195 |
9.756 |
8.397 |
0.01 |
12 |
失敗したとき自ら進んで責任を取る(連帯責任には持ち込まない)。 (反対) |
65.366 |
22.927 |
11.707 |
8.751 |
0.01 |
13 |
人形遊びを好む(か、かつて好んだ )。 |
68.780 |
16.585 |
14.634 |
8.488 |
0.01 |
14 |
周囲から無視されることが怖い。 |
65.366 |
25.854 |
8.780 |
9.409 |
0.01 |
15 |
自分の友人に、他に親密な相手ができると、嫉妬する。 |
70.244 |
19.512 |
10.244 |
9.576 |
0.01 |
〔4.16-20〕 |
||||||
番号 |
項目内容 |
仮説が |
どちらで |
仮説が |
-Z得点- |
有意 |
16 |
自己開示を好まない。 (反対) |
27.317 |
48.780 |
23.902 |
0.683 |
-.-- |
17 |
他人とのおしゃべりが好きである。 |
53.171 |
34.634 |
12.195 |
7.256 |
0.01 |
18 |
誰かに守ってもらわないと不安で仕方がない。 |
74.146 |
13.171 |
12.683 |
9.444 |
0.01 |
19 |
官庁や大企業のような安定したところに就職したいと思う。 |
23.902 |
39.512 |
36.585 |
2.335 |
-0.01 |
20 |
他人のうわさ話をするのを好まない。 (反対) |
62.927 |
29.268 |
7.805 |
9.384 |
0.01 |
〔5.21-25〕 |
||||||
番号 |
項目内容 |
仮説が |
どちらで |
仮説が |
-Z得点- |
有意 |
21 |
ヒステリーを起こさない。 (反対) |
57.073 |
35.122 |
7.805 |
8.758 |
0.01 |
22 |
周囲の気を引く行動を取るのを好まない。 (反対) |
50.732 |
39.512 |
9.756 |
7.543 |
0.01 |
23 |
化粧や服飾に対して興味がある。 |
55.122 |
32.195 |
12.683 |
7.379 |
0.01 |
24 |
周囲の自分への期待に敏感でない。 (反対) |
37.561 |
45.366 |
17.073 |
3.969 |
0.01 |
25 |
周囲の他者に気に入られようとする。 |
60.488 |
30.244 |
9.268 |
8.781 |
0.01 |
〔6.26-30〕 |
||||||
番号 |
項目内容 |
仮説が |
どちらで |
仮説が |
-Z得点- |
有意 |
26 |
自分の所属する集団から外れるのを恐れない。 (反対) |
66.829 |
21.951 |
11.220 |
9.012 |
0.01 |
27 |
周囲で流行っていることを自分もやろうとする。 |
48.780 |
33.171 |
18.049 |
5.382 |
0.01 |
28 |
相手との一体感を重んじない。 (反対) |
33.659 |
51.707 |
14.634 |
3.920 |
0.01 |
29 |
仲良しグループを形成し、互いの親密さを追求する。 |
66.829 |
21.463 |
11.707 |
8.906 |
0.01 |
30 |
自分たちの仲間によそ者が加わるのをいやがる。 |
62.439 |
20.488 |
17.073 |
7.284 |
0.01 |
〔7.31-35〕 |
||||||
番号 |
項目内容 |
仮説が |
どちらで |
仮説が |
-Z得点- |
有意 |
31 |
物事の細かいところにこだわり、チェックしようとする。 |
58.049 |
30.732 |
11.220 |
8.056 |
0.01 |
32 |
品物を購入するのに、見栄えやデザインに重きを置かない。 (反対) |
43.902 |
43.415 |
12.683 |
5.942 |
0.01 |
33 |
自己の保身に関心がない。 (反対) |
45.854 |
43.902 |
10.244 |
6.807 |
0.01 |
[考察]
「仮説が正しい」欄の数値は、左側の態度のうち、赤色の項目が「女々しい」と感じられている割合、および、青色の項目が「女々しくない(男々しい)」と感じられている割合であり、自己保身指向=「女々しい」という仮説通りの回答が得られた割合である。
「仮説が間違い」欄の数値は、左側の態度のうち、赤色の項目が「女々しくない(男々しい)」と感じられている割合、および青色の項目が「女々しい」と感じられている割合であり、仮説とは反対の回答が得られた割合である。
「仮説が正しい」欄の数値が、「仮説が間違い」欄の数値を有意(水準0.01)に上回っている項目は、全33項目中、28項目であり、全体の85%を占める。「仮説が正しい」欄の数値が、50%を超えている項目は、全33項目中、21項目であり、全体の64%を占める。このことから、仮説(自己保身指向=「女々しさ」である)は、十分支持されたと言える。
注)有意水準欄の「-.--」表示は、仮説で女々しいと仮定した項目(左側)で、実際のアンケートにおいて、仮説が正しい方向に回答された割合が反対方向に回答された割合を超えたが、有意水準0.10には達しなかったもの
「x.xx」表示は、仮説で女々しいと仮定した項目(左側)で、実際のアンケートにおいて、仮説が正しい方向に回答された割合が、反対方向に回答された割合を下回ったもの
(初出2002年11月28日)
回答時期
2002年11月
回答数 86
男 45.349%
女 54.651%
10代 32.558%
20代 38.372%
30代 22.093%
40代 6.977%
50代 0.000%
60代 0.000%
70代 0.000%
回答比率
〔1.1-5〕 |
|||||||||||
No. |
文章 |
女性 |
グラフ表示 |
合計値 |
t値 |
||||||
とても |
かなり |
やや |
どちら |
やや |
かなり |
とても |
|||||
男性 |
グラフ表示 |
合計値 |
|||||||||
とても |
かなり |
やや |
どちら |
やや |
かなり |
とても |
|||||
1 |
自尊心(プライド)が低い。 |
女性 |
|
-1.170 |
2.401 |
||||||
6.383 |
2.128 |
17.021 |
6.383 |
8.511 |
29.787 |
29.787 |
|||||
男性 |
|
-0.667 |
|||||||||
7.692 |
2.564 |
20.513 |
7.692 |
20.513 |
28.205 |
12.821 |
|||||
2 |
自分のことが一番かわいい。 |
女性 |
|
-0.638 |
-1.494 |
||||||
10.638 |
8.511 |
14.894 |
8.511 |
14.894 |
14.894 |
27.660 |
|||||
男性 |
|
-0.872 |
|||||||||
0.000 |
7.692 |
7.692 |
10.256 |
46.154 |
20.513 |
7.692 |
|||||
3 |
何事も安全第一で危険を冒そうとしない。 |
女性 |
|
-0.191 |
-5.942 |
||||||
10.638 |
8.511 |
21.277 |
10.638 |
23.404 |
10.638 |
14.894 |
|||||
男性 |
|
-1.051 |
|||||||||
5.128 |
0.000 |
2.564 |
12.821 |
46.154 |
23.077 |
10.256 |
|||||
4 |
すでに安全性が確認されている前例から外れたことをしようとする。 |
女性 |
|
-0.106 |
9.466 |
||||||
8.511 |
10.638 |
19.149 |
17.021 |
21.277 |
14.894 |
8.511 |
|||||
男性 |
|
0.103 |
|||||||||
2.564 |
7.692 |
38.462 |
15.385 |
25.641 |
5.128 |
5.128 |
|||||
5 |
先輩後輩関係をよく守る。 |
女性 |
|
-0.511 |
-1.279 |
||||||
8.511 |
8.511 |
6.383 |
17.021 |
29.787 |
19.149 |
10.638 |
|||||
男性 |
|
-0.667 |
|||||||||
5.128 |
5.128 |
12.821 |
12.821 |
35.897 |
15.385 |
12.821 |
|||||
〔2.6-10〕 |
|||||||||||
No. |
文章 |
女性 |
グラフ表示 |
合計値 |
t値 |
||||||
とても |
かなり |
やや |
どちら |
やや |
かなり |
とても |
|||||
男性 |
グラフ表示 |
合計値 |
|||||||||
とても |
かなり |
やや |
どちら |
やや |
かなり |
とても |
|||||
6 |
先生や上役の決めた規則に従順である。 |
女性 |
|
-0.596 |
0.048 |
||||||
6.383 |
4.255 |
14.894 |
17.021 |
27.660 |
14.894 |
14.894 |
|||||
男性 |
|
-0.590 |
|||||||||
0.000 |
5.128 |
23.077 |
17.949 |
23.077 |
23.077 |
7.692 |
|||||
7 |
品物を購入するのに、ブランド品であることを重んじない。 |
女性 |
|
1.596 |
-3.829 |
||||||
40.426 |
25.532 |
10.638 |
8.511 |
8.511 |
4.255 |
2.128 |
|||||
男性 |
|
0.564 |
|||||||||
15.385 |
10.256 |
30.769 |
17.949 |
12.821 |
10.256 |
2.564 |
|||||
8 |
自分からは進んで責任者になろうとしない。 |
女性 |
|
-1.000 |
-2.609 |
||||||
4.255 |
2.128 |
17.021 |
8.511 |
29.787 |
10.638 |
27.660 |
|||||
男性 |
|
-1.744 |
|||||||||
0.000 |
2.564 |
5.128 |
15.385 |
12.821 |
20.513 |
43.590 |
|||||
9 |
自分からは行動を起こさず、受け身である。 |
女性 |
|
-0.340 |
-4.460 |
||||||
10.638 |
8.511 |
14.894 |
8.511 |
29.787 |
14.894 |
12.766 |
|||||
男性 |
|
-0.974 |
|||||||||
0.000 |
10.256 |
7.692 |
15.385 |
28.205 |
17.949 |
20.513 |
|||||
10 |
物事に対して明快・明確な態度を取ろうとする。 |
女性 |
|
0.936 |
-2.366 |
||||||
23.404 |
10.638 |
27.660 |
17.021 |
17.021 |
4.255 |
0.000 |
|||||
男性 |
|
0.538 |
|||||||||
15.385 |
10.256 |
17.949 |
33.333 |
15.385 |
7.692 |
0.000 |
|||||
〔3.11-15〕 |
|||||||||||
No. |
文章 |
女性 |
グラフ表示 |
合計値 |
t値 |
||||||
とても |
かなり |
やや |
どちら |
やや |
かなり |
とても |
|||||
男性 |
グラフ表示 |
合計値 |
|||||||||
とても |
かなり |
やや |
どちら |
やや |
かなり |
とても |
|||||
11 |
占いを好まない。 |
女性 |
|
-1.170 |
1.990 |
||||||
6.383 |
2.128 |
2.128 |
19.149 |
23.404 |
21.277 |
25.532 |
|||||
男性 |
|
-0.744 |
|||||||||
12.821 |
2.564 |
2.564 |
23.077 |
20.513 |
15.385 |
23.077 |
|||||
12 |
失敗したとき自ら進んで責任を取る(連帯責任には持ち込まない)。 |
女性 |
|
0.319 |
-5.135 |
||||||
14.894 |
6.383 |
25.532 |
23.404 |
14.894 |
8.511 |
6.383 |
|||||
男性 |
|
0.051 |
|||||||||
7.692 |
7.692 |
28.205 |
20.513 |
20.513 |
5.128 |
10.256 |
|||||
13 |
人形遊びを好む(か、かつて好んだ)。 |
女性 |
|
-0.447 |
7.727 |
||||||
19.149 |
12.766 |
4.255 |
8.511 |
12.766 |
8.511 |
34.043 |
|||||
男性 |
|
0.128 |
|||||||||
15.385 |
17.949 |
12.821 |
15.385 |
12.821 |
7.692 |
17.949 |
|||||
14 |
周囲から無視されることが怖い。 |
女性 |
|
-1.234 |
0.746 |
||||||
8.511 |
4.255 |
8.511 |
6.383 |
19.149 |
12.766 |
40.426 |
|||||
男性 |
|
-1.051 |
|||||||||
5.128 |
5.128 |
7.692 |
12.821 |
25.641 |
17.949 |
25.641 |
|||||
15 |
自分の友人に、他に親密な相手ができると、嫉妬する。 |
女性 |
|
-0.894 |
0.402 |
||||||
6.383 |
10.638 |
6.383 |
2.128 |
38.298 |
10.638 |
25.532 |
|||||
男性 |
|
-0.821 |
|||||||||
5.128 |
7.692 |
5.128 |
12.821 |
30.769 |
28.205 |
10.256 |
|||||
〔4.16-20〕 |
|||||||||||
No. |
文章 |
女性 |
グラフ表示 |
合計値 |
t値 |
||||||
とても |
かなり |
やや |
どちら |
やや |
かなり |
とても |
|||||
男性 |
グラフ表示 |
合計値 |
|||||||||
とても |
かなり |
やや |
どちら |
やや |
かなり |
とても |
|||||
16 |
自己開示を好まない。 |
女性 |
|
0.234 |
3.725 |
||||||
17.021 |
2.128 |
23.404 |
19.149 |
25.532 |
8.511 |
4.255 |
|||||
男性 |
|
0.538 |
|||||||||
7.692 |
20.513 |
25.641 |
23.077 |
15.385 |
2.564 |
5.128 |
|||||
17 |
他人とのおしゃべりが好きである。 |
女性 |
|
-1.447 |
2.759 |
||||||
4.255 |
2.128 |
8.511 |
2.128 |
25.532 |
27.660 |
29.787 |
|||||
男性 |
|
-0.744 |
|||||||||
2.564 |
5.128 |
12.821 |
15.385 |
33.333 |
20.513 |
10.256 |
|||||
18 |
誰かに守ってもらわないと不安で仕方がない。 |
女性 |
|
0.234 |
-9.453 |
||||||
10.638 |
17.021 |
19.149 |
17.021 |
21.277 |
4.255 |
10.638 |
|||||
男性 |
|
-0.538 |
|||||||||
5.128 |
10.256 |
12.821 |
23.077 |
12.821 |
17.949 |
17.949 |
|||||
19 |
官庁や大企業のような安定したところに就職したいと思う。 |
女性 |
|
0.468 |
3.013 |
||||||
21.277 |
17.021 |
12.766 |
17.021 |
12.766 |
6.383 |
12.766 |
|||||
男性 |
|
0.897 |
|||||||||
33.333 |
12.821 |
12.821 |
10.256 |
15.385 |
12.821 |
2.564 |
|||||
20 |
他人のうわさ話をするのを好まない。 |
女性 |
|
0.489 |
-5.158 |
||||||
23.404 |
12.766 |
10.638 |
19.149 |
19.149 |
6.383 |
8.511 |
|||||
男性 |
|
0.077 |
|||||||||
7.692 |
10.256 |
23.077 |
23.077 |
23.077 |
2.564 |
10.256 |
|||||
〔5.21-25〕 |
|||||||||||
No. |
文章 |
女性 |
グラフ表示 |
合計値 |
t値 |
||||||
とても |
かなり |
やや |
どちら |
やや |
かなり |
とても |
|||||
男性 |
グラフ表示 |
合計値 |
|||||||||
とても |
かなり |
やや |
どちら |
やや |
かなり |
とても |
|||||
21 |
ヒステリーを起こさない。 |
女性 |
|
0.234 |
2.633 |
||||||
25.532 |
6.383 |
8.511 |
19.149 |
17.021 |
12.766 |
10.638 |
|||||
男性 |
|
0.410 |
|||||||||
15.385 |
15.385 |
20.513 |
10.256 |
23.077 |
12.821 |
2.564 |
|||||
22 |
周囲の気を引く行動を取るのを好まない。 |
女性 |
|
0.149 |
-0.699 |
||||||
12.766 |
8.511 |
19.149 |
23.404 |
21.277 |
6.383 |
8.511 |
|||||
男性 |
|
0.128 |
|||||||||
10.256 |
15.385 |
20.513 |
15.385 |
15.385 |
15.385 |
7.692 |
|||||
23 |
化粧や服飾に対して興味がある。 |
女性 |
|
-0.979 |
0.147 |
||||||
10.638 |
8.511 |
4.255 |
4.255 |
21.277 |
23.404 |
27.660 |
|||||
男性 |
|
-0.949 |
|||||||||
2.564 |
2.564 |
17.949 |
5.128 |
33.333 |
23.077 |
15.385 |
|||||
24 |
周囲の自分への期待に敏感でない。 |
女性 |
|
-0.702 |
3.016 |
||||||
4.255 |
4.255 |
17.021 |
12.766 |
31.915 |
12.766 |
17.021 |
|||||
男性 |
|
-0.333 |
|||||||||
10.256 |
5.128 |
15.385 |
23.077 |
10.256 |
28.205 |
7.692 |
|||||
25 |
周囲の他者に気に入られようとする。 |
女性 |
|
-1.128 |
0.926 |
||||||
6.383 |
0.000 |
12.766 |
12.766 |
19.149 |
21.277 |
27.660 |
|||||
男性 |
|
-0.923 |
|||||||||
0.000 |
2.564 |
17.949 |
15.385 |
28.205 |
20.513 |
15.385 |
|||||
〔6.26-30〕 |
|||||||||||
No. |
文章 |
女性 |
グラフ表示 |
合計値 |
t値 |
||||||
とても |
かなり |
やや |
どちら |
やや |
かなり |
とても |
|||||
男性 |
グラフ表示 |
合計値 |
|||||||||
とても |
かなり |
やや |
どちら |
やや |
かなり |
とても |
|||||
26 |
自分の所属する集団から外れるのを恐れない。 |
女性 |
|
0.170 |
-7.047 |
||||||
19.149 |
4.255 |
17.021 |
19.149 |
21.277 |
12.766 |
6.383 |
|||||
男性 |
|
-0.026 |
|||||||||
7.692 |
7.692 |
25.641 |
15.385 |
25.641 |
12.821 |
5.128 |
|||||
27 |
周囲で流行っていることを自分もやろうとする。 |
女性 |
|
0.298 |
-2.743 |
||||||
12.766 |
17.021 |
14.894 |
19.149 |
23.404 |
4.255 |
8.511 |
|||||
男性 |
|
0.154 |
|||||||||
7.692 |
17.949 |
17.949 |
17.949 |
23.077 |
7.692 |
7.692 |
|||||
28 |
相手との一体感を重んじない。 |
女性 |
|
-0.255 |
0.475 |
||||||
4.255 |
6.383 |
21.277 |
25.532 |
17.021 |
21.277 |
4.255 |
|||||
男性 |
|
-0.231 |
|||||||||
7.692 |
5.128 |
15.385 |
25.641 |
28.205 |
10.256 |
7.692 |
|||||
29 |
仲良しグループを形成し、互いの親密さを追求する。 |
女性 |
|
0.851 |
-5.793 |
||||||
17.021 |
14.894 |
34.043 |
12.766 |
14.894 |
4.255 |
2.128 |
|||||
男性 |
|
0.051 |
|||||||||
7.692 |
20.513 |
10.256 |
15.385 |
28.205 |
12.821 |
5.128 |
|||||
30 |
自分たちの仲間によそ者が加わるのをいやがる。 |
女性 |
|
1.319 |
-3.071 |
||||||
29.787 |
21.277 |
19.149 |
14.894 |
10.638 |
4.255 |
0.000 |
|||||
男性 |
|
0.615 |
|||||||||
17.949 |
17.949 |
12.821 |
20.513 |
20.513 |
10.256 |
0.000 |
|||||
〔7.31-35〕 |
|||||||||||
No. |
文章 |
女性 |
グラフ表示 |
合計値 |
t値 |
||||||
とても |
かなり |
やや |
どちら |
やや |
かなり |
とても |
|||||
男性 |
グラフ表示 |
合計値 |
|||||||||
とても |
かなり |
やや |
どちら |
やや |
かなり |
とても |
|||||
31 |
物事の細かいところにこだわり、チェックしようとする。 |
女性 |
|
0.574 |
-9.638 |
||||||
10.638 |
21.277 |
27.660 |
12.766 |
14.894 |
8.511 |
4.255 |
|||||
男性 |
|
-0.718 |
|||||||||
2.564 |
10.256 |
10.256 |
7.692 |
35.897 |
25.641 |
7.692 |
|||||
32 |
品物を購入するのに、見栄えやデザインに重きを置かない。 |
女性 |
|
-0.340 |
-2.385 |
||||||
10.638 |
4.255 |
14.894 |
14.894 |
29.787 |
17.021 |
8.511 |
|||||
男性 |
|
-0.564 |
|||||||||
7.692 |
7.692 |
12.821 |
10.256 |
28.205 |
20.513 |
12.821 |
|||||
33 |
自己の保身に関心がない。 |
女性 |
|
-0.638 |
-0.020 |
||||||
8.511 |
0.000 |
10.638 |
19.149 |
27.660 |
29.787 |
4.255 |
|||||
男性 |
|
-0.641 |
|||||||||
5.128 |
0.000 |
10.256 |
17.949 |
46.154 |
17.949 |
2.564 |
凡例
■ 液体的(タイプL)と見なせる項目
■ 気体的(タイプG)と見なせる項目
回答結果 その1
回答期間
2006年12月4日~2006年12月9日
回答数 206
男 49.515%
女 50.485%
10代 26.214%
20代 43.689%
30代 15.534%
40代 8.738%
50代 4.854%
60代 0.485%
70代 0.485%
回答比率
No. |
文章 |
ドライ |
感じない |
少し |
やや |
かなり |
とても |
合計値 |
ウェット |
感じない |
少し |
やや |
かなり |
とても |
合計値 |
||
1 |
液体 |
ドライ |
56.311 |
17.476 |
15.534 |
5.825 |
4.854 |
0.854 |
ウェット |
23.301 |
13.592 |
17.961 |
21.359 |
23.786 |
2.087 |
||
2 |
気体 |
ドライ |
36.408 |
11.650 |
21.845 |
16.019 |
14.078 |
1.597 |
ウェット |
41.748 |
24.272 |
16.990 |
11.165 |
5.825 |
1.150 |
回答結果 その2
回答期間
2007年6月16日~2007年6月20日
回答数 207
男 49.275%
女 50.725%
10代 31.401%
20代 33.816%
30代 19.807%
40代 9.662%
50代 4.831%
60代 0.000%
70代 0.483%
回答比率
No. |
文章 |
ドライ |
感じない |
少し |
やや |
かなり |
とても |
合計値 |
ウェット |
感じない |
少し |
やや |
かなり |
とても |
合計値 |
||
1 |
近づく、低速 |
ドライ |
68.116 |
14.493 |
8.696 |
3.865 |
4.831 |
0.628 |
ウェット |
20.773 |
17.391 |
22.222 |
22.222 |
17.391 |
1.981 |
||
2 |
近づく、高速 |
ドライ |
54.106 |
15.459 |
16.425 |
5.797 |
8.213 |
0.986 |
ウェット |
28.019 |
23.188 |
15.459 |
18.841 |
14.493 |
1.686 |
||
3 |
離れる、低速 |
ドライ |
41.063 |
21.739 |
16.425 |
13.527 |
7.246 |
1.242 |
ウェット |
40.580 |
17.874 |
14.010 |
13.527 |
14.010 |
1.425 |
||
4 |
離れる、高速 |
ドライ |
30.918 |
8.213 |
18.357 |
21.739 |
20.773 |
1.932 |
ウェット |
62.802 |
18.357 |
8.696 |
5.314 |
4.831 |
0.710 |
||
回答結果 その3
回答期間
2007年8月21日~2007年8月31日
回答数 201
男 52.239%
女 47.761%
10代 30.348%
20代 33.333%
30代 20.896%
40代 13.433%
50代 1.990%
60代 0.000%
70代 0.000%
回答比率
No. |
文章 |
液体 |
感じない |
少し |
やや |
かなり |
とても |
合計値 |
気体 |
感じない |
少し |
やや |
かなり |
とても |
合計値 |
||
1 |
女性的に |
液体 |
38.806 |
19.900 |
19.403 |
11.443 |
10.448 |
1.348 |
気体 |
68.657 |
11.443 |
10.448 |
4.975 |
4.478 |
0.652 |
||
6 |
男性的に |
液体 |
66.169 |
13.433 |
10.448 |
6.965 |
2.985 |
0.672 |
気体 |
36.816 |
15.920 |
19.403 |
16.915 |
10.945 |
1.493 |
||
9 |
母性的に |
液体 |
54.229 |
18.905 |
14.925 |
6.468 |
5.473 |
0.900 |
気体 |
80.597 |
11.443 |
5.473 |
1.493 |
0.995 |
0.308 |
||
4 |
父性的に |
液体 |
79.104 |
8.955 |
9.453 |
0.995 |
1.493 |
0.368 |
気体 |
63.184 |
14.428 |
10.945 |
6.468 |
4.975 |
0.756 |
||
3 |
農耕民的に |
液体 |
41.791 |
16.418 |
20.398 |
14.428 |
6.965 |
1.284 |
気体 |
63.682 |
15.920 |
12.935 |
3.483 |
3.980 |
0.682 |
||
8 |
遊牧民的に |
液体 |
53.234 |
15.423 |
12.935 |
10.448 |
7.960 |
1.045 |
気体 |
48.259 |
15.920 |
15.423 |
6.965 |
13.433 |
1.214 |
||
5 |
日本的に |
液体 |
29.851 |
17.413 |
20.398 |
16.418 |
15.920 |
1.711 |
気体 |
58.209 |
14.428 |
12.935 |
8.458 |
5.970 |
0.896 |
||
2 |
アメリカ的に |
液体 |
75.124 |
10.448 |
7.463 |
5.970 |
0.995 |
0.473 |
気体 |
43.781 |
12.438 |
19.403 |
13.433 |
10.945 |
1.353 |
||
7 |
模倣的に |
液体 |
40.299 |
17.910 |
18.905 |
11.940 |
10.945 |
1.353 |
気体 |
54.726 |
15.920 |
15.423 |
6.965 |
6.965 |
0.955 |
||
10 |
独創的に |
液体 |
66.667 |
14.428 |
7.960 |
5.970 |
4.975 |
0.682 |
気体 |
35.821 |
18.408 |
19.900 |
11.940 |
13.930 |
1.498 |
回答結果 その4
回答期間
2007年9月15日~2007年10月19日
回答数 200
男 52.500%
女 47.500%
10代 27.500%
20代 36.000%
30代 23.000%
40代 10.000%
50代 3.500%
60代 0.000%
70代 0.000%
回答比率
No. |
文章 |
液体 |
感じない |
少し |
やや |
かなり |
とても |
合計値 |
気体 |
感じない |
少し |
やや |
かなり |
とても |
合計値 |
||
10 |
自身の保身を重視するように |
液体 |
14.500 |
9.500 |
15.000 |
25.000 |
36.000 |
2.585 |
気体 |
39.500 |
17.500 |
21.500 |
12.500 |
9.000 |
1.340 |
||
1 |
自身の安全を重視するように |
液体 |
12.000 |
9.500 |
23.500 |
24.500 |
30.500 |
2.520 |
気体 |
58.000 |
16.500 |
16.000 |
3.500 |
6.000 |
0.830 |
||
32 |
守られるのを好むように |
液体 |
7.500 |
8.000 |
13.000 |
22.500 |
49.000 |
2.975 |
気体 |
62.000 |
15.500 |
8.500 |
7.500 |
6.500 |
0.810 |
||
13 |
危険に立ち向かうように |
液体 |
61.500 |
17.500 |
14.500 |
4.500 |
2.000 |
0.680 |
気体 |
37.000 |
17.000 |
23.000 |
13.000 |
10.000 |
1.420 |
||
26 |
探検を好むように |
液体 |
70.500 |
16.000 |
6.500 |
4.500 |
2.500 |
0.525 |
気体 |
21.500 |
11.000 |
23.000 |
19.500 |
25.000 |
2.155 |
||
2 |
依存的に |
液体 |
9.000 |
8.500 |
18.000 |
27.500 |
37.000 |
2.750 |
気体 |
70.500 |
8.000 |
12.000 |
7.500 |
2.000 |
0.625 |
||
16 |
自立しているように |
液体 |
83.000 |
9.000 |
4.000 |
1.500 |
2.500 |
0.315 |
気体 |
27.500 |
19.000 |
16.000 |
19.000 |
18.500 |
1.820 |
||
17 |
規制を好むように |
液体 |
25.000 |
9.500 |
20.500 |
19.500 |
25.500 |
2.110 |
気体 |
72.000 |
14.500 |
8.500 |
3.500 |
1.500 |
0.480 |
||
3 |
自由を好むように |
液体 |
77.000 |
9.500 |
6.000 |
4.000 |
3.500 |
0.475 |
気体 |
12.000 |
8.000 |
13.500 |
22.000 |
44.500 |
2.790 |
||
7 |
個性的に |
液体 |
77.500 |
10.000 |
5.500 |
3.000 |
4.000 |
0.460 |
気体 |
24.000 |
11.500 |
19.000 |
18.500 |
27.000 |
2.130 |
||
4 |
プライバシーがあるように |
液体 |
68.500 |
18.000 |
6.500 |
5.000 |
2.000 |
0.540 |
気体 |
43.500 |
18.000 |
19.000 |
11.500 |
8.000 |
1.225 |
||
27 |
決まりを守るように |
液体 |
16.000 |
10.000 |
17.500 |
23.500 |
33.000 |
2.475 |
気体 |
61.500 |
21.500 |
9.500 |
2.500 |
5.000 |
0.680 |
||
21 |
決まりを破るように |
液体 |
79.000 |
11.000 |
4.500 |
3.000 |
2.500 |
0.390 |
気体 |
23.500 |
18.000 |
21.500 |
17.000 |
20.000 |
1.920 |
||
18 |
責任を回避するように |
液体 |
17.000 |
14.500 |
20.000 |
19.500 |
29.000 |
2.290 |
気体 |
30.000 |
21.500 |
19.000 |
14.000 |
15.500 |
1.635 |
||
5 |
責任を取るように |
液体 |
65.500 |
19.000 |
9.000 |
4.000 |
2.500 |
0.590 |
気体 |
66.500 |
14.000 |
12.000 |
4.000 |
3.500 |
0.640 |
||
8 |
閉鎖的に |
液体 |
12.000 |
13.500 |
14.000 |
22.500 |
38.000 |
2.610 |
気体 |
53.500 |
18.000 |
7.000 |
11.000 |
10.500 |
1.070 |
||
24 |
排他的に |
液体 |
30.000 |
18.500 |
15.000 |
13.500 |
23.000 |
1.810 |
気体 |
35.000 |
22.500 |
21.500 |
10.000 |
11.000 |
1.395 |
||
36 |
開放的に |
液体 |
81.500 |
9.000 |
3.500 |
2.500 |
3.500 |
0.375 |
気体 |
19.500 |
13.500 |
13.500 |
23.000 |
30.500 |
2.315 |
||
23 |
和合を好むように |
液体 |
18.000 |
14.000 |
16.000 |
23.500 |
28.500 |
2.305 |
気体 |
55.500 |
23.000 |
15.000 |
4.500 |
2.000 |
0.745 |
||
30 |
調和を好むように |
液体 |
15.500 |
10.500 |
23.000 |
21.000 |
30.000 |
2.395 |
気体 |
63.000 |
17.500 |
10.000 |
6.500 |
3.000 |
0.690 |
||
11 |
争いを好むように |
液体 |
72.500 |
13.500 |
10.000 |
1.500 |
2.500 |
0.480 |
気体 |
28.000 |
15.500 |
22.000 |
16.500 |
18.000 |
1.810 |
||
29 |
受動的に |
液体 |
15.000 |
21.500 |
16.000 |
23.000 |
24.500 |
2.205 |
気体 |
53.000 |
18.000 |
12.500 |
10.500 |
6.000 |
0.985 |
||
12 |
能動的に |
液体 |
52.500 |
24.000 |
11.500 |
7.000 |
5.000 |
0.880 |
気体 |
16.500 |
16.500 |
18.500 |
24.500 |
24.000 |
2.230 |
||
25 |
機動性があるように |
液体 |
59.000 |
24.000 |
11.500 |
3.000 |
2.500 |
0.660 |
気体 |
15.500 |
12.500 |
21.500 |
24.000 |
26.500 |
2.335 |
||
9 |
自主性があるように |
液体 |
73.000 |
13.500 |
7.500 |
3.500 |
2.500 |
0.490 |
気体 |
22.500 |
17.000 |
18.500 |
21.500 |
20.500 |
2.005 |
||
20 |
横並びを好むように |
液体 |
26.500 |
12.500 |
16.500 |
18.000 |
26.500 |
2.055 |
気体 |
69.500 |
14.500 |
9.000 |
4.500 |
2.500 |
0.560 |
||
31 |
個人の能力を重視するように |
液体 |
71.000 |
18.500 |
4.500 |
4.000 |
2.000 |
0.475 |
気体 |
27.000 |
15.500 |
21.000 |
18.000 |
18.500 |
1.855 |
||
33 |
格差を容認するように |
液体 |
58.000 |
19.000 |
15.500 |
5.000 |
2.500 |
0.750 |
気体 |
32.500 |
18.000 |
23.000 |
13.000 |
13.500 |
1.570 |
||
35 |
同調を好むように |
液体 |
10.500 |
10.500 |
16.000 |
24.500 |
38.500 |
2.700 |
気体 |
59.000 |
15.500 |
8.000 |
11.500 |
6.000 |
0.900 |
||
34 |
媚びるように |
液体 |
27.500 |
21.500 |
16.000 |
18.000 |
17.000 |
1.755 |
気体 |
65.000 |
15.000 |
10.000 |
7.500 |
2.500 |
0.675 |
||
15 |
かわいく |
液体 |
59.000 |
15.500 |
13.500 |
5.500 |
6.500 |
0.850 |
気体 |
66.500 |
14.500 |
9.500 |
6.500 |
3.000 |
0.650 |
||
37 |
農村的に |
液体 |
27.000 |
23.000 |
20.500 |
9.000 |
20.500 |
1.730 |
気体 |
71.000 |
16.000 |
6.500 |
5.000 |
1.500 |
0.500 |
||
19 |
都市的に |
液体 |
39.500 |
18.000 |
20.000 |
7.500 |
15.000 |
1.405 |
気体 |
19.000 |
14.500 |
20.500 |
17.500 |
28.500 |
2.220 |
||
6 |
暗く |
液体 |
22.000 |
14.500 |
25.000 |
15.000 |
23.500 |
2.035 |
気体 |
60.000 |
16.500 |
7.500 |
8.000 |
8.000 |
0.875 |
||
22 |
明るく |
液体 |
70.500 |
15.500 |
7.000 |
6.000 |
1.000 |
0.515 |
気体 |
31.000 |
17.500 |
18.000 |
19.000 |
14.500 |
1.685 |
||
28 |
温かく |
液体 |
44.500 |
25.000 |
15.000 |
9.500 |
6.000 |
1.075 |
気体 |
59.000 |
21.500 |
12.000 |
5.000 |
2.500 |
0.705 |
||
14 |
冷たく |
液体 |
48.500 |
19.500 |
17.000 |
5.500 |
9.500 |
1.080 |
気体 |
40.000 |
19.500 |
17.000 |
11.500 |
12.000 |
1.360 |
(初出2006年12月~ )
[要旨]この文章は、生物としての貴重性の大小が男女の性差を生む根本原因となっている、と主張したものです。クリームパンを例にあげ、女性は内部で保持されるリッチでおいしいクリームに、男性は、その外側で苛酷な環境にさらされてこんがり焼けてしまうパンに当たる、と捉えます。
目次
1.はじめに
2.生物学的貴重性
3.クリーム-パン図式
4.保護する・される立場(性役割)のねじれ
人間社会における性差を捉えた場合、目に付くことの一つとして、女性は、男性に比べて大切に扱われる傾向がある、というのがある。
例えば、戦争が起きたとき、男性は戦闘員として前線へと駆り出されて自ら死と直面するのに対して、女性は、非戦闘員として後方で「銃後の守り」といったより安全で命を保証される地位を得ることができる。
建築現場など危険を伴う作業で、女性が外れ、男性がすることになったり、あるいは、夜間人通りがないところを歩く時に、男性が女性をエスコートする場面というのが、結構見られる(大学生などで、男性は門限がないが、女性にはよくあるというのも、女性を夜遅い危ない時間に外出させないようにする、という周囲の配慮が働いているからと考えられる)。
女性が危ない目に会って(例えば暴漢に襲われるなど)、男性がそれを助けると、女性はその男性が好きになる、というパターンがアニメ番組などで良く見られる。危険な場面で活躍するのは、男性の役割であるという考え方が定着しているように思われる。
あるいは、前人未到の境地に進出する(宇宙を飛行するなど)場合において、まず男性が宇宙船に乗るなどして、成功するかどうかも分からず、未知の危険と隣り合わせになりながら、新たな領域を切り開く任務を遂行するのに対して、女性が進出するのは男性が何度か成功して安全だということが分かってからの場合がほとんどなのではないか?
このように、女性が男性よりも一歩遅れて進出するのは、新たな環境下に最初に男性を送り込んで実験台に乗せるかたちで(モルモット代わりに)いろいろやらせてみて、大丈夫かどうか吟味してから、初めて自分も進出しはじめるという、女性が持つ、危険を回避しようとする自己保身の傾向によるのではないかと考えられる。
このように女性の方が、自己保身、基本的生命の維持という人間の根本的欲求をより満たしやすい地位に生まれながらにして優先的に就けていると思われる。
その点、女性の方が、男性よりも地位が高いと考えられる。
自分の命が続くことを望むのは、生物にとって最も基本的な欲求である。それが脅かされやすいのが男性で、より維持されやすいのが女性である、ということになる。
こうした、扱われかたの男女差には、両者の生物的差が影響していると見ることができる。
生物学の遺伝レベルにおける、男性・女性の性差は、個体の貴重性・安全確保指向の大小と直結している。生物学的には、人間は、貴重な個体(女性)とそうでない個体(男性)とに分化している。
すなわち、卵子の担い手である女性は、男性に比べて生命を失ってはならず、男性に比べて大切・丁重に扱われている。生物的資源という面から見ると、卵子は精子よりも数が少ないため、あるいは生産コストが高くついているため、より貴重な存在だからだと考えられる。
女性の担う卵子が、大量の栄養分を持つデラックスな姿をしているのに対して、男性の担う精子はベン毛以外はほとんど遺伝子だけという簡素ないでたちである。
また、卵子の数1つに対して、その卵子1つに対応する精子の数は、数千万(だったか、とにかく大量)にのぼる。一月当たり1個だけ一つ一つ大事に出される卵子に対して、一度に数千万単位で出される精子は明らかに粗製濫造のそしりを免れえない。
女性が貴重であるのは、卵子の担い手であるという側面以外にも原因がある。女性は、受精卵を育てる子宮や、生まれてきた乳児に栄養である母乳を与える乳房のように、人間が生殖を行っていく上で決定的なキーとなる育児に関する複雑・精密な機構を体内に備えている。一方の男性は、それらを持っていないか、持っていても機能的には退化している。そういう点で、女性に生き延びてもらわないと、子供が生まれない~育つことができず、次世代の数が激減するため、人間社会にとっては(男性の数が減る場合に比べて)致命的なダメージとなる。
上記のことを、さらに詳しくまとめると、以下のようになる。
(1)貴重品である女性は、その生殖細胞(卵子)に栄養分を沢山付け、その身体に育児機構(子宮、乳房)のような高価な機構を集中させることにより、生殖細胞・身体の作りを、デラックスにする。
(2)消耗品である男性は、生殖細胞(精子)・身体共に、高価な機構は付けず、代わりに、貴重品(女性)のための衝立(防護壁)となって、外部環境から保護するための機構(高い背丈、筋力など)を付ける。
女性は、人間の生殖、生まれる人間の数を増やすことにとって、男性よりも、より致命的ないし決定的な重要性を持つ。それゆえ、女性は、男性よりも、よりよく生き延びてもらわないと、社会にとって困るのである。
例えば、男性10人、女性10人からなる社会があったとする。彼らは皆、通常の生殖能力を持っているとする。戦争が起きて、男性が皆前線に赴き、戦った男性10人のうち、1人しか生き残らなかったとする。残った男性1人が、社会を存続させるため、子孫を残そうとして、10人の女性とsexをしたとき、女性の排卵時期をうまく読み取ってsexすれば、女性一人一人が子供を産んで、1年に10人、社会の中に人間の数を、効率よく増やすことができる。
一方、戦争が起きたときに、男性ではなく、女性が皆前線に赴き、戦った女性10人のうち、1人しか生き残らなかったとする。残った女性1人が、社会を存続させるために、10人の男性とsexしても、女性1人が子供を1人産むだけである。なぜなら、受精卵を子宮の中で、数カ月にわたって育てる必要があるからであり、その間子宮は生まれてくる子供に独占され、新たな排卵もなされないから、何人の男性とsexしても次の子供はできない。したがって、1年に1人しか、社会の中に人間の数を増やすことができない。
このことから、男性が減っても、社会における生命の再生産には支障は起きないが、女性が減ってしまうと、大きな支障が起きることが分かる。女性は、人類が次の世代へと生命のバトンを渡す上で、どうしてもその数を減らしてはいけない、保たなくてはいけない存在であり、ある程度数が減っても構わない「消耗品」としての男性に比べて、より「貴重な」生命資源なのである。
人間は、生存にとって厳しい環境下で、「消耗品」の数が大幅に減少しても、生命の再生産に支障がないように、消耗品(男性)1個体の持つ生殖細胞の数を、貴重品(女性)のそれより大幅に増やすとともに、貴重品(女性)が自己の保身をしやすいように、消耗品(男性)が貴重品を防護しやすいように、各々の行動をコントロールする。すなわち、
(1)貴重品である女性は、自分自身を大切にし(自己愛、自尊心を強く持ち)、自己の保身に敏感である(安全なことが分かっていることしかしようとしない)。一方、
(2)消耗品である男性は、貴重品である女性を保護しつつ、自分自身は消滅しても構わないので、自己愛・自尊心はあまり強くなく、自己の保身についても、女性よりは、敏感でない。
女性が身の安全を守るのに敏感で危険な場面を避け、一方、男性が自ら進んで身の危険と直接対決することを迫られるのも、女性の生物学的な貴重さ(男性の非貴重性)の現れであると考えることができる
上記のことは、男性が、危険な目に会う、命を落としやすい、というより不利な立場に立つという点で、男女差別(普通使われるのとは逆で、男性が不利)に結びついている。
貴重品としての女性が持つ性格は、安全志向、成功例の後追い(失敗を恐れ回避する)、冒険心の欠如、大組織への依存心の強さである。要するに、自分を危険な目にさらしたくない、自分自身を大切なものと見なし守りたい(自己保身)、という意識がもととなっている。これらは、同時に、日本のような農耕社会の社会心理の基調をなしている。これは、社会の中の、本来農耕とは直接関係ない部分の性格までが、女性の勢力の強さによって、女性化している(女性向きのものになっている)ことを示している。
例えば、女性が主導権を握る農耕社会(例えば日本)は、男性が主導権を握る遊牧・牧畜社会(例えば欧米)に比べて、必ず進歩・近代化が一歩遅れる。ウェットさに加えて、安全指向(安全性が確認されていない領域には、進んで入ることはしないこと)から、新領域への進出の一番手を、常に、男性が主導権を握る、ドライかつ、危険なところにも進んで入っていくタイプの社会に持っていかれるからである。日本(女性が主導)が、アメリカ(男性が主導)に、新しい考え方や、制度・技術の導入などで、1タイミング必ず遅れるのは、このことの現れである。独創性の欠如(物真似ばかり)は、女性主導の農耕社会では、決して悪いことではない。女性の、安全を求めて危険・失敗を回避する欲求からすれば、自分が入るのが世界で初めての、どのような危険が待ちかまえているか分からない、未知の領域に、進んで入ることを避けるのは、当然の行動である。
こうした観点からは、女性の方が、男性に比べて、その生命がより重い、より生命救助されやすい存在であると考えられる。この考えが正しいことを、アンケート調査によって確認した。詳しくは、人間の命の重さの不平等性についての検討の文章 を参照されたい。
上記の生物学的な男女の差異を勘案した上で、人間の自然環境下における、生態学的な分布を考えると、女性は、中心付近の安全な地帯により多く位置し、一方、男性は、辺境の、苛酷な外部環境に対して自らを露出しなければならない地帯により多く位置する、ということが言えるのではないか。
人間以外の他の生物でも、メスがオスに比べ安全地帯により多く分布するということが、結構多くあるのではなかろうか?餌付けしたニホンザルの社会構成はそうなるようである。中心部にメスが主に分布し、オスは、司令塔役を勤めるリーダー(数匹)が中心にいる他は、全て外縁部に位置するか、ヒトリザルとして辺境を一匹で彷徨う。 一方、メスは、オスの形成したクッションに(サンドイッチの具の部分のように)守られる形で存在する。
以上のような図式は、「クリーム-パン図式」としてまとめられる。クリームパンをクリームパンたらしめるリッチかつ貴重な内容を持つクリームは、外部の熱を直接受けにくい中心部に位置し、一方より粗末なパン部は、外部の熱に直接当たって、こんがりと焼けてしまう。自らが外界の熱に対するクッション(断熱材)となって、体を張って、内部のクリームを守る。クリームが女性であり、パンが男性である、といえるのではないか。
これは、男性が女性よりも不利であるという形での男女不平等と捉えることができる(女性が一方的に男性よりも不利であるとするフェミニストの声にかき消されてしまいがちであるが)。この性差別は、おそらく生物学的に男女各々の心理システム内に組み込まれているため、あって当然のことだと思い込まれているのが現状である。男性の場合、危険な場面へと、無意識のうちに自ら進んで立ち向かう(生き延びたいという人間本来の「生存指向」ともいえるものを、自ら進んで放棄する)ように、生得的な動機がbuilt-inされているものと考えられる。
こうした、「女性=クリーム(=内部=守られる)」-「男性=パン(=外部=守る)」という図式は、生物学的な根拠がある、と考えられる。そして、生物としての性別がある限り、「女(=クリーム)=内、男(=パン)=外」という図式は、(フェミニストが主張するような「家父長制」とは無関係に)基本的には存在し続けるものである、といえる。
現代において、こうした「女=内、男=外」という図式があいまいになってきたのは、人間の生存しやすさを支える科学技術の進歩に伴って、男性が占めてきた外部ないし外縁領域の安全性が以前に比べて高くなったため、女性がどんどん進出するようになったためだと考えられる。
ちなみに、クリーム-パン図式を、自然環境とのかかわりにおいて考えてみると、
人間を含む生物にとって必須となる「水」を中心として同心円を描く(「水中心図式」)と、「内側=水が豊富=農耕」、「外側=水があまりない=遊牧」となる。農耕地域はより「水」に近く、生命を維持しやすい。生物学的に貴重な女性向きである。人間の自然界で生存可能な領域を、内周と外縁とに分けて考えたとき、明らかに「内周(=「水」にありつきやすい=生存しやすい)=クリーム領域」といえる。
遊牧地域は乾燥しており、「水」から遠く、生命を維持しにくい。死んでも構わない男性向きである。「外縁(=「水」にありつきにくい=生存しにくい)=パン領域」といえる。
以上の内容から、「クリーム=内周」領域は、湿潤な「ウェット」な領域であり、「パン=外縁」領域は、乾燥した「ドライ」な領域である、と見ることも可能である。このことは、女性=「ウェット」(=湿潤環境)=農耕社会向き、男性=「ドライ」(=乾燥環境)=遊牧社会向き、という性格分けのあり方と、男女の、自然環境に対する生態学的な分布のあり方とが、合致していることを示す。
上記の「クリーム-パン」図式と、それに関連して取り上げた、さまざまな「内周-外縁」関係の一覧について、以下に図にまとめて示す。
女性(貴重品)は、男性(消耗品)から、保護を受けるという点で、男性(消耗品)に対して依存的である。この場合、女性が男性に保護を受けるのは、その生物学的貴重性ゆえであり、弱者であるからとは、あまり言えない。弱者かどうかは、自然環境への適応力の有無によって決まる。適応力次第では、消耗品である男性が弱者として、貴重品である女性の保護を受けるという状態も発生しうる。一方の性の個人が他方の性の他者から保護を受ける原因として、貴重性と(環境不適応に基づく)弱者性とを区別する必要がある。日本のフェミニズムは、この点を、混同しているように思われる。
女性は、(虫を怖がるなど)か弱い者としての態度を取ることが多い。背景としては、女性には被保護欲求があると考えられる。この欲求は、生物学・生態学的観点からは、生殖上、よりリッチで数が少ない卵子を生産し、生殖上キーとなる育児に必要な機構を体内に備える貴重な性として、死んだり傷ついたりしても構わない(粗製濫造の精子を生産する)非貴重的性である男性に守ってもらいたい、というところから来る欲求と思われる。
この態度は、日本などのウェットな農耕社会においても見られるが、それは、農耕社会で、女性が、強大な勢力を振るっている事実と矛盾しているように一見見える。女性の真意は、本来の(環境に対して、男性より適合しているところから来る)強さを一時的に覆い隠して、男性を、(貴重品としての自分を守ってくれる)護衛役として都合よい時だけ頼りにして、利用しつくそうとするものであると考えられる。農耕社会における女性のこうした態度が、女性が、男性よりも、(全世界的に)弱いと錯覚させる一つの原因となっている。
たとえそれ自身が強くても、他者に守られるものの例として、天然ダイヤモンドの宝石があげられる。その硬度は最大であり、自分以外のあらゆるものに対して傷を付けることができるにもかかわらず、宝石箱に入れられて、大切に守られる(ダイヤモンドを守る宝石箱は、ダイヤモンドを使ってひっかくと容易に傷がつく点、ダイヤモンドより弱い)。それは、めったに手に入れることができない、なくしたら大変な損失である、という貴重性に基づくものである。それと同様に、農耕社会の女性も、(男性よりも)強いにもかかわらず、生物学的貴重さゆえに、男性から守られる存在である、と考えることができる。強さと守られることとは、決して矛盾しない。
遊牧社会では、貴重性の次元と、環境不適応による機能障害がもたらす弱者性の次元とで、保護を受ける側が、女性へと一貫しているため、「男性=保護する側、女性=保護される側」という図式が容易に成立する。農耕社会では、貴重性の次元と、環境不適応による弱者性の次元とで、保護を受ける側が矛盾する(前者では女性、後者では男性が、保護を受ける立場に回る)。したがって、遊牧社会のような明瞭な図式は、成立し得ず、男女の地位見積もりの混乱・遅れをもたらした。
いいかえると、日本のような農耕社会では、生物学的に貴重で守られるべき女性が、環境適応面で弱い男性を、守る役目に回っている。これは、保護する・される立場のねじれとして捉えられる。
まとめると、
女性 |
安全(生物学的に貴重) |
男性 |
危険(非貴重) |
女性 |
生物学的に貴重だから守られる |
弱い(環境不適応だ)から守られる |
コメント |
農耕 |
○ |
×(強い) |
矛盾(ねじれ)あり(守られる立場であるとともに守る立場でもある) |
遊牧 |
○ |
○(弱い) |
矛盾なし(一貫して守られる立場) |
農耕社会における「男尊女卑」行動は、環境に対してより適応的な女性が、環境に対して機能障害を起こした男性を一方的にサポートする(その点、女性にとって一方的な負担となり、不公平感をもたらす)行動として捉えられる。この行動は、遊牧社会の、女性は男性によって一方的に保護されるのみの存在、とする視点からは理解不可能である。男性側の「女性によるサポートは受けて当然」という尊大な態度とも相まって、「農耕社会の女性は、男性に対して、一方的に忍従を強いられる奴隷のような存在である」という、環境適応上の強者として、勢力的に男性を圧倒し、社会の主流の道を歩む実態からかけ離れた解釈を生み出した。これは、女性が、自分のことを守ってもらうために、故意に自分を必要以上にか弱い存在だと見せかけていることと相まって、「弱い女性を、さらにおとしめて、苛酷な目に合わせている」という錯覚を生み出している。
一方、遊牧社会における、「女性尊重(レディー・ファースト)」行動は、環境に対してより適応的な男性が、環境に対して機能障害を起こした(貴重品でもある)女性を一方的にサポートする(その点男性にとって不公平な)行動である。女性が男性のサポートを、当然の如く、尊大な態度で求めるため、男性は女性の下僕のように働く必要が生じ、女性の地位が、実態と反して、高く見積もられる結果(女性上位の社会に見える)を生み出す。それゆえ、「(遊牧・牧畜系社会の)欧米の方が、(農耕社会の)日本より、女性の地位が高い(から、欧米を見習うべきだ)」という、誤った見方を、日本のフェミニストに取らせている。
日本では、女性の環境適応性十分による強さ、および男性の環境不適応による弱さと保護の必要、が生じている。そこには、性役割のねじれが存在する。すなわち、生物学的貴重性の面からは女性が保護されるはずなのが、環境適応の観点からは男性が保護される立場になる。従来の性差に関する研究の大半は、この性役割のねじれに気づかずに、女性は常に保護されるべきか弱い存在と見なしているように思われる。
生物学的には、男性が女性を守るのが、生殖上の貴重さから見て自然である。それと逆の事態(女性が男性を守る)(立場のねじれ)が、農耕社会の典型である日本では起きている。日本社会は、女性が男性を守る(保護する)、生活上の世話をするという側面を持つ社会である。女性が男性を守る側面は、その母性的態度に出ているように思われる。
(初出1998年-2004年)
[要旨] 男性と女性のどちらの命がより重いか、どちらがより生命を救助されやすいかを、アンケート調査によって調べたところ、女性の命が男性よりもより重い、大切と捉えられていることを確認しました。例えば、普通の女子高生の方が、男性首相よりも、より命が重いという結果が出ました。
1.はじめに
従来、人権擁護の観点から、「全ての人の命の重さは平等であり、差別があってはならない」とされてきた。
しかし、それは建前だけで、実際には、人々の属性(年齢、性別、地位、人種・・・)によって、命の重さの点でかなり不平等があるのではないかと考えられる。
本文は、この命の重さに関する不平等を、主に性別などの観点から、一部明らかにしようとすることを目的としている。
2.検証すべき仮説
人々の命の重さを決定する要因としては、例えば、以下のものが考えられる。
命の重さを決定する要因 |
要因に対応する指標 |
指標と要因との関連 |
命の重さの比較(仮説) |
|
(1) |
将来性 |
年齢 |
年齢が低い(若い)ほど、将来性がある。 |
将来性がある若者の方が、年寄りよりも命が重い。 |
(2) |
生物学的貴重性 |
性別 |
精子に比べて数が少ない卵子の担い手である女性のほうが、精子の担い手である男性よりも貴重である。 |
貴重な女性の方が、そうでない男性よりも命が重い。 |
(3) |
高地位性 |
役職 |
ついている役職が主要であるほど、社会的・組織的に地位が高く、重要である。 |
高い役職についている方が、低い役職の者よりも命が重い。 |
[1]こうした要因をより多く身に付けている者ほど、命が重い(より優先して命を助けてもらえる)存在であると考えられ、そのことを確認する必要がある。
例えば、高校生か大人か、首相か一般人かの違いによって、命の重さの要因がどう違ってくるかは、以下の表のようにまとめられる。
将来性 |
生物学的貴重性 |
高地位性 |
|
女子高校生 |
○ |
○ |
- |
男子高校生 |
○ |
- |
- |
女性首相 |
- |
○ |
○ |
男性首相 |
- |
- |
○ |
女性事務員 |
- |
○ |
- |
男性事務員 |
- |
- |
- |
例えば、上記の表において、
女子高校生は、将来性と生物学的貴重性を兼ね備えている。
女性首相は、生物学的貴重性と高地位性を兼ね備えている。
男子高校生は、将来性のみ、男性首相は、高地位性のみを持っている。
将来性も高い地位もなく、貴重性のみを持つのは、普通の(並の)大人の女性(役職なしの中年女性事務員など)である。
何も持ち合わせていないのが、普通の(並の)大人の男性(役職なしの中年男性工員など)である。
なお、首相のような高い地位につくのは、年齢をある程度重ねた者であることが多い。
高校生は、将来性はあるが、社会的地位はあくまで見習い的なものに止まり、高くない。
[2]各要因が実際に命の重みを決定づける働きを持っているかどうかを確かめる必要がある。例えば、生物学的貴重性の面で言えば、貴重な女性の方が、そうでない男性よりも命を助けてもらいやすい、といった仮説が成り立つ。
[3]命の重さを決定づける要因間の強弱関係にも考慮する必要がある。
例えば、地位は低いが将来性のある高校生の方が、地位は高いが将来性のない高齢の首相よりも、より命に重みがある、といった仮説が成り立つ。
今回は、上記のうち、主に、
・将来性(年齢)の違いが、実際に生命の重みの違いをもたらしているかどうか |
を確認する目的で、調査を行う。
具体的には、男子高校生、女子高校生、男性首相、女性首相、男性事務員、女性事務員の6つのタイプについて、互いに総当たり形式で命の重さを比較してもらい、順位付けを行うこととする。
3.調査手順
上記の調査項目について、webを使用したアンケート調査を行った。方法は、webサイト上で男性度・女性度を測定する心理テストを試そうと集まってくるインターネット利用者に対して、具体的な説明を行うページに行く前に、関所の形で、「まずこのアンケートに回答して下さい」と回答を課す形で行った。
質問文や、回答項目については、本文末の(付録)を参照されたい。
4.調査結果
今回の調査結果データ(回答収集時期、回答者人数、回答者属性、回答結果)については、本文末の(付録)を参照されたい。
今回の結果より、
(1)人々による生命救助の優先順位は、
[←救助優先]女子高校生>男子高校生=女性首相=女性事務員>男性首相>=男性事務員[→救助非優先] |
であることが分かった。
男性首相(高地位性)と女子高生(将来性+生物学的貴重性)を比較した場合、より優先して助けられるのは、女子高生の方である。人々の間では、日本社会全体に対する重責を担っている小泉首相(2004年現在)よりも、そこいら辺にいる普通の女子高生(コギャル)1人の生命の方がより重いと感じられている。生命の重みという点では、将来性と生物学的貴重性を兼ね備えている女子高生は、今回比較した中で最強の存在である。
(2)将来性との関連では、
[←命が重い]若年(高校生)(将来性あり)>中年(将来性なし)[→命が軽い] |
であることが分かった。より将来性のある若年高校生の方が、中年の人よりも、より助けられやすく、命が重いと感じられていることが裏付けられた。
(3)生物学的貴重性との関連では、
[←命が重い]女性(貴重)>男性(非貴重)[→命が軽い] |
であることが分かった。より貴重な女性(卵子の担い手)の方が、男性(精子の担い手)よりも、より助けられやすく、命が重いと感じられていることが裏付けられた。
(4)高地位性との関連では、
[←命が重い]首相(高地位)(>)=事務員(低地位)[→命が軽い] |
であることが分かった。
具体的には、男性首相は、男性事務員よりも優先して助けられる度合いが高めであるが、一方、女性首相は、女性事務員に比べてより優先して助けられる度合いが変わらないことが分かった。
このことから、より地位の高い役職についている首相が、低い地位の事務員より、命が重いと感じられているとは、場合によっては必ずしも言えないことが分かった。
(5)命の重さを決める要因同士の比較では、
[←命が重い]将来性(高校生)(>)=生物学的貴重性(女性)>高地位性(首相)[→命が軽い] |
であることが分かった。
このうち、将来性onlyの男子高校生は、貴重性onlyの中年女性事務員より、ある程度命が重めであるという結果が出たが、その差は、有意水準0.01には届かなかった。一方、男子高校生は、高地位性onlyの中年男性首相よりも、有意に助けられやすく、命が重いという結果になった。
また、貴重性onlyの中年女性事務員は、高地位性onlyの中年男性首相よりも、有意に助けられやすく、命が重いという結果になった。
5.まとめ
従来、人権上の配慮から平等であるとされてきた、人間の命の重さが、実は条件によって格差があることを示した。具体的には、web質問紙調査によって、(1)若者は中年よりも命が重い(将来性の次元)、(2)女性は男性よりも命が重い(生物学的貴重性の次元)、(3)社会的地位(役職)は、必ずしも命の重さに関係しない、(4)命の重さを決めるには、将来性と(それにやや遅れて)生物学的貴重性が重要で、社会的地位(役職)の高さは上記2つに比べてあまり問題にならない、といった結果を明らかにした。
[質問文]
あなたは冬の冷たい川の中で二人の人が同時におぼれているのを発見しました。都合により、そのうちの一人しか救助できません。あなたはどちらを優先して助けますか?以下の、「1」から始まる、左右の人物を表す単語の対を読んで、「より助けたい」と思う人の側のボタンにチェックを入れて下さい。
[↓回答結果 1回目]
[回答日時] 2004年05月06日~07日
[回答数] 201
[回答者属性]
男 47.264%
女 52.736%
10代 42.289%
20代 46.766%
30代 6.965%
40代 1.990%
50代 0.995%
60代 0.000%
70代 0.995%
[回答比率]
〔1.男性-女性〕 |
||||||||
番号 |
項目内容 |
助けたい |
どちらで |
助けたい |
項目内容 |
-Z得点- |
有意水準 |
|
1 |
女子高校生 |
75.622 |
13.930 |
10.448 |
男性首相 |
9.960 |
0.01 |
将来性+貴重性>高地位性 |
3 |
女性首相 |
39.303 |
18.408 |
42.289 |
男子高校生 |
0.469 |
x.xx |
貴重性+高地位性=将来性 |
4 |
女子高校生 |
67.164 |
21.393 |
11.443 |
男子高校生 |
8.910 |
0.01 |
貴重>非貴重 |
5 |
女性首相 |
59.701 |
26.866 |
13.433 |
男性首相 |
7.671 |
0.01 |
貴重>非貴重 |
〔2.男性-男性〕 |
||||||||
番号 |
項目内容 |
助けたい |
どちらで |
助けたい |
項目内容 |
-Z得点- |
有意水準 |
|
2 |
男子高校生 |
58.706 |
14.428 |
26.866 |
男性首相 |
4.880 |
0.01 |
将来性>高地位性 |
〔3.女性-女性〕 |
||||||||
番号 |
項目内容 |
助けたい |
どちらで |
助けたい |
項目内容 |
-Z得点- |
有意水準 |
|
6 |
女子高校生 |
65.672 |
15.920 |
18.408 |
女性首相 |
7.308 |
0.01 |
将来性>高地位性 |
[↓回答結果 2回目]
[回答日時]
2004年10月27日~28日
[回答数] 212
[回答者属性]
男 41.509%
女 58.491%
10代 50.943%
20代 40.566%
30代 5.660%
40代 1.415%
50代 0.472%
60代 0.472%
70代 0.472%
[回答比率]
〔1.男性-女性〕 |
||||||||
番号 |
項目内容 |
-助けたい- |
どちらで |
-助けたい- |
項目内容 |
-Z得点- |
有意 |
|
1 |
中年女性事務員 |
54.245 |
22.642 |
23.113 |
中年男性首相 |
5.154 |
0.01 |
貴重性>高地位性 |
2 |
中年女性首相 |
58.491 |
27.358 |
14.151 |
中年男性事務員 |
7.575 |
0.01 |
貴重性+高地位性>なし |
5 |
中年女性事務員 |
64.151 |
28.302 |
7.547 |
中年男性事務員 |
9.733 |
0.01 |
貴重性>なし |
8 |
女子高校生 |
80.189 |
12.264 |
7.547 |
中年男性事務員 |
11.292 |
0.01 |
将来性+貴重性>なし |
9 |
男子高校生 |
47.642 |
16.509 |
35.849 |
中年女性事務員 |
1.879 |
0.05 |
将来性(>)=貴重性 |
〔2.男性-男性〕 |
||||||||
番号 |
項目内容 |
-助けたい- |
どちらで |
-助けたい- |
項目内容 |
-Z得点- |
有意 |
|
3 |
中年男性首相 |
42.925 |
30.189 |
26.887 |
中年男性事務員 |
2.795 |
0.01 |
高地位性>なし |
7 |
男子高校生 |
58.962 |
18.396 |
22.642 |
中年男性事務員 |
5.854 |
0.01 |
将来性>なし |
〔3.女性-女性〕 |
||||||||
番号 |
項目内容 |
-助けたい- |
どちらで |
-助けたい- |
項目内容 |
-Z得点- |
有意 |
|
4 |
中年女性首相 |
34.906 |
27.358 |
37.736 |
中年女性事務員 |
0.483 |
x.xx |
高地位性=なし |
6 |
女子高校生 |
69.340 |
14.151 |
16.509 |
中年女性事務員 |
8.302 |
0.01 |
将来性>なし |
注)有意水準欄の「-.--」表示は、仮説で優先と仮定した項目(左側)で、実際のアンケートにおいて、周囲の人々が取るとされた割合が50%を超えたが、有意水準0.10には達しなかったもの
「x.xx」表示は、仮説で優先と仮定した項目(左側)で、実際のアンケートにおいて、周囲の人々が取るとされた割合が50%に達しなかったもの
(初出2004年5月-10月)
[要旨] 性格・態度のドライ/ウェットさについて筆者が得た知見を、既存の男女間の行動様式の性差に関する学説内容と照合したところ、「女性的」=「ウェット」、「男性的」=「ドライ」という結果を得ました。また、ドライ/ウェットな項目内容のどちらがより「女々しく」感じられるか、インターネット上で調査した結果、「女々しい」=「ウェット」でした。
以下では、男女の間の対人行動面における性差を、ウェット対ドライの次元から説明する。
[目次]
1.従来の男女の行動面での性差に関する学説との照合
照合結果:まとめの表
2.「女々しさ」とウェットさの関連アンケート調査について
アンケート調査結果:まとめの表(女々しさ)
3.心理テスト回答結果における男女の性差の有無について
心理テスト回答結果:まとめの表(性差)
1.従来の男女の行動面での性差に関する学説との照合
対人感覚の「ウェットさ」に関しては、従来から、「女性的」なものと、関連があるとされてきた。例えば、〔芳賀綏1979〕においては、日本人の特徴として、「おだやかで、きめ細かく、『ウェット』で、『女性的』で、内気な」(強調筆者)といったものをあげており、上記の表現では、ウェットさと女性性との間に関係があるように示されている。しかし、芳賀は、ウェットさと女性性との間の相関について、実証データをもとに割り出したという訳ではなく、あくまでも漠然とした印象の形でしか、捉えていない。
そこで、「女性的」=「ウェット」(「男性的」=「ドライ」)という図式が実際に成り立つかどうかを確かめるために、当調査において抽出した対人関係パターンを、男女の行動面での性差に関する、主要な学説と照合し、表にまとめた(学説抽出に当たっては、〔間宮1979〕〔Mitchell 1981〕〔皆本1986〕などを主に参考にした)。
その結果、以上の表が示すように、従来の学説で取り上げられてきた対人関係と性差との関連は、ほとんど、
(1)女性的=「ウェット(互いに引き付け合い、牽制・束縛しあう力である、相互間引力が大きい)」
(2)男性的=「ドライ(分子間力相当の相互間引力が小さい)」
を示していることが、判明した。言い換えれば、
(1)女性の行動様式は、(分子間力の大きい)液体分子運動パターンに似ている
(2)男性の行動様式は、(分子間力の小さい)気体分子運動パターンに似ている
ということになる。
確認のため、どちらがドライないしウェットか、1999.5~7の、性格・態度のドライ・ウェットさを尋ねるアンケート調査の中で回答してもらったところ、以下のように、「男性的=ドライ」を選んだ人の割合が、「女性的=ドライ」を選んだ人の割合より、有意に多かった。
番号 |
項目内容 |
-ドライ- |
どちらで |
-ドライ- |
項目内容 |
-Z得点- |
有意 |
C12 |
男性的である |
46.154 |
24.434 |
29.412 |
考え方が女性的である |
2.863 |
0.01 |
こうした両者のウェット/ドライの違いが出る原因としては、女性と男性との、生物学的貴重性の違いが関係していると推定される。
生物学的により貴重な女性は、自分自身の保身のために、よりウェットな行動を取ると考えられる。
ウェットな行動を取ることが、なぜ生物学的に貴重な存在の、自己保身のために有効か、についての詳細な理由については、行動のウェットさと生物学的貴重性との関連についての表を参照されたい。
2.「女々しさ」とウェットさの関連アンケート調査について
上記の、男性・女性の性差と、ドライ・ウェットさとの関連、すなわち、「女性的」=「ウェット」、「男性的」=「ドライ」が、果たして、実際に人々にその通りと感じられているかどうかを検証するためのアンケート調査を行った。
[調査方法]「2つ対にして並べた文章で示された態度のうち、どちらが、より「女々しい」ですか?」と質問する、アンケートページを、インターネットのWebページ検索エンジンに登録し、回答者を募った。
アンケートの項目は、1999.5~7に調査して、有意にドライ(ウェット)と感じられたアンケート項目全体から、(原則としてZ得点5.00以上を得た)40程度の項目を、分類毎にまんべんなく抜き出したものを採用した。
回答期間は、2000.4.中旬であった。
[結果]
回答者総数は約200名であった。男女比はほぼ40:60で若干女性の方が多かった。年令は、10~20代だけで、全体のほぼ90%を占め、圧倒的に若いといえる。
ドライ・ウェットさを示す各態度項目について、各々「より女々しい」「より女々しくない」という判定を下した被験者の割合が、
・「ウェット」な方を、有意な差(水準1%)で「女々しい」とした項目→65.8%(27/41)
・「ドライ」な方を、有意な差(水準1%)で「女々しい」とした項目→2%(1/41)
・有意な差(水準1%)がない項目→31.7%(13/41)
となり、「ウェット」な方を、有意な差(水準1%)で「女々しい」とした項目が、全体の65%を占め、より多かった。逆の項目は、ほとんどなかった。
結論としては、「女々しさ(女らしさ)」と「ウェット・ドライさ」との関連については、回答結果を見る限りでは、現代の若い日本人男女の間では、「女々しさ(女らしさ)」=「ウェット」と捉えられている、と言える。
こうした結果は、1.における、「女性的」=「ウェット」とする文献調査の結果と合致している。
3.心理テスト回答結果における男女の性差の有無について
上記の、性差に関する学説との照合結果に見られたような、男性=「ドライ」、女性=「ウェット」という関係が、現代日本人の男女にどの程度見られるかを確認するためのアンケート調査を行った。すなわち、1999.7の時点で、日本の男女が、実際に、自分の性格を、ドライ/ウェットと自己診断する割合に、どの程度の男女差が見られるであろうか、という点について、調査した。
[調査方法]「あなたの性格が、ドライかウェットか心理テストで診断します」とする、アンケートページを、インターネットのWebページ検索エンジンに登録し、回答者を募った。
心理テストの項目は、1999.5~7に調査して、有意にドライ(ウェット)と感じられたアンケート項目全体から、(原則としてZ得点5.00以上を得た)40程度の項目を、分類毎にまんべんなく抜き出したものを採用した。
回答期間は、1999.7.中旬であった。
[結果]
回答者総数は約200名であった。男女比はほぼ50:50で同等であった。年令は、10~20代だけで、全体のほぼ90%を占め、圧倒的に若いといえる。
男女の間に有意な差(水準1%)が存在する項目
・男が女よりドライ→7.3%(3/41)
・女が男よりドライ→0%(0/41)
男女の間に有意な差(水準1%)がない項目→92.7%(38/41)
となり、男女の間に有意な差がない項目がほとんどであった。
結論としては、自分の性格を診断しようとする、心理テストへの回答結果を見る限りでは、現代の若い日本人男女の間には、性格のドライ・ウェットさという視点からは、顕著な性差は見られない、と言える。
なぜこうした結果が出たかの推察であるが、ドライ・ウェット次元での男女の性差は若年層間にも存在すると仮定した場合には、女性の回答のドライ化傾向として、捉えられる。具体的には、以下のような推論ができる。
・第二次大戦後の日本は、文化的には、欧米的な行動様式(個人主義など、ドライ)を、模倣すべきモデルとして、権威主義的に受容してきた。 特に、権威に従う傾向の強い女性は、「欧米的(ドライ)=先進的、より望ましい態度である」という図式に、強く反応し、(本来のウェットな自分の姿を、恰好悪いなどとして押し隠して、)自分はドライであるとする、回答をした。
・戦後の日本社会の指針となっている、アメリカが作った日本国憲法が個人、自由の尊重といったドライな性格を持っているが、女性は憲法のような、上位者が定めた規則を遵守しようとする気持ちが、男性に比べてより強いと考えられる。そのため、女性の回答が、より日本国憲法的=ドライとなり、男女間の差がなくなった。
といった点が考えられる。
(初出1999年-2005年)
全て、女性→ウェット、男性→ドライ、という結びつきとなっています(逆のパターンは、見つかりませんでした)。
なお、表中の「→B20 互いに集まる.....」といった表記は、表中の記述内容に対応する、ドライ・ウェットな性格・態度とは何かに関する以前行ったアンケート回答項目を示しています。
〔1〕個人主義-集団主義 |
出典 |
男性は特定の理由で集まるが、女性は単に集まるために集まる→B20 互いに集まること自体を好む/何か目的がないと集まらない |
Mitchell 1981 |
女子社員の多い職場では、必ずといってよいほど、いくつかのグループができる。女性は、とくに、集団を好み、楽しむようだ。 |
影山1968 |
女性は、心身ごと人や事と融合して一体化する傾向があり、愛情や感情移入を示しやすい→A14 他者との一体化・融合を好む |
間宮1979 |
女性は、全体の中に自分を調和させる(埋没させる)行為に快感を味わう→A14 他者との一体化・融合を好む |
皆本1986 |
男性的な権力の使い方は、個人を重視し、個人の功績を賞賛し、個人を集団から分離するのに対して、女性的な権力の使い方は、集団の幸福と他人との関係を促進する |
Bakan 1966 |
〔2〕自立指向-相互依存指向 |
|
なし |
|
〔3〕広域分散指向-密集指向 |
|
女子は、細部に着目するような認知の速さや、手先の器用さに優れるのに対して、男子は、細部よりも、全体に着目して物事を考える。女性は、(男性のように)広い視野に立って思慮し判断をせず、感情的に断定を下す→F22 ものごとを見る視野の広さ |
間宮1979 |
男性は、他人との距離を、女性の場合より大きく取りたがるのに対して、女性は、人の物理的接近に対して、男性より寛容(肯定的)である |
Mitchell1981 |
男性は密集した状態を女性よりも不快に感じる→A3 広い空間に分散 |
Deaux 1976 |
女性は、(男性のような)個人と個人との二元的対置が困難である。→C3 物の見方が客観的でない |
間宮1979 |
女性は、ものごとを客観的に見ないで、問題を人間対人間の感情の問題に置き換える |
影山1968 |
女性は、中心へ密集する傾向を持ち、男性は周辺へ分散する傾向を持つ→A3 狭い空間に密集/広い空間に分散、F24 中央集権/地方分権 |
Mitchell 1981 |
男性は孤独に耐え、転任による独居も、女性ほどには痛痒を感じない。→E32 互いに離れているのを好む |
間宮1979 |
〔4〕多様性の尊重-画一指向 |
|
男児の方が、自由が多く、(行動が)型にはまることが少ない、予測しがたい。 |
Mitchell 1981 |
女子は、男子に比べて、カテゴリーの規準から逸脱する幅が少ないし、カテゴリーが狭い→B17 画一的な枠にはめようとする |
Wallach1959 |
〔5〕非人間指向-人間指向 |
|
男性は、原料、物体、機械的問題、あるいは抽象的概念のようなことを取り扱う職業の追求に心を奪われる...(のに対して)女性の世界は、..はるかにもっぱら人々の世界であり、他者の願望や期待に非常に敏感である。女性は、他者を判断する際、男性よりも、感知力がある。→E27 人間関係そのものを重視 |
Newcomb1965 |
男子は、物事を直接的に研究し、操作するのに対して、女子では事物よりも人間の声や顔など対人関係に引かれ..対人的交流に適合した言語機能がよく発達する→E27 人間関係そのものを重視 |
間宮1979 |
男子の描くモチーフは車・飛行機など..無機物であるのに対して、女子の描く主役は有機物である。...女性画には擬人化が多い。→F42 無機物/有機物を扱うのを好む |
皆本1986 |
〔6〕非縁故指向-縁故指向 |
|
なし |
|
〔7〕自由主義-規制主義 |
|
上司が、女性に注意する時は、一方的にあなたが間違っていますというよりは、自分にも責任があるような言い方をすれば非常に効果が上がる。→B15 一人の犯した失敗でも周囲の仲間との連帯責任とする |
影山1968 |
〔8〕自律指向-他律指向 |
|
女性は、自我が自律的でなく、他人との関係によって維持される |
Mitchell 1981 |
女性は、自主的な判断や自信をもって決断することを躊躇する→C38 取る行動に自主性がある/ない |
間宮1979 |
女性は、他者の期待や願望に非常に敏感である→A23 周囲の意見に左右されやすい |
Newcomb1965 |
男子は、学習活動に対する自我関与の程度が高いのに対して、女子は、課題の成否よりも、成績に対する(親や教師など周囲の他者の)要求水準や、(周囲との)対人比較に裏付けられた意欲が高い→A23 周囲の意見に左右されやすい |
間宮1979 |
〔9〕反同調指向-同調指向 |
|
女性は、まわりへの気兼ねから、本心とは違った意思表示をしたり、しばしば本心とは逆の行動様式を取る→B9 行動を周囲の人々に合わせようとする |
影山1968 |
女子は、仲間との適合性が高く、(周囲との)判断の不調和にもそれに同調して自己の判断を変えるか、不調和に耐えて友人関係を維持するの対して、男子は、自己の判断に固執し、仲のよい友人でも同調できにくいし、不調和のままに耐えることも不得手である。→B9 行動を周囲の人々に合わせようとする/しない |
間宮1979 |
男性は、自己表現を尊ぶが、他者との協調的表現に関心が乏しいのに対して、女性は、自己主張より、他者との調和、他者への奉仕に大きな価値を感じる。→B9 行動を周囲の人々に合わせようとする/しない |
皆本1986 |
女性は男性に比べて同調性が高く、同情的であるし、影響力の強い人間に同一化しやすい→C34 周囲に同調したがる |
Schwarz1949 |
使う言語の文法的な特徴が標準からはずれていることについて..女は男よりはるかに気にしやすい。 |
Trudgill 1974 |
〔10〕反権威主義-権威主義 |
|
女子の方が、自己防衛のためにおとなの権威を援用しようとする |
間宮1979 |
女の方が男よりも標準変種や威信を持つと見なされている訛りに近い形の言葉を使う...権威ある特徴の発音を使う率が、社会階級を考慮に入れても、女は男よりはるかに高い....女は男より「良い」(正しい)形の発音を使う率が高い。 |
Trudgill 1974 |
〔11〕プライバシー尊重-反プライバシー |
|
なし |
|
〔12〕反あいまい指向-あいまい指向 |
|
女性は、男性に比べ、退嬰的で、明確な態度を表明しない →A9 物の言い方が率直/遠回し |
間宮1979 |
女子は、万遍なく全教科を習得しようとする(筆者注:教科に対する指向が不明確である)のに対して、男子は、得意な教科にエネルギーを集中し、不得意・退屈な教科には力を抜く(筆者注:教科に対する指向が明確である)→B18自分の今後の進路をはっきりさせようとする/しない |
間宮1979 |
男性は原色を使い、中間色を避けるが、女性は多く使う→A22 物事の白黒をはっきりさせる/あいまいにとどめようとする |
皆本1986 |
男性画は、特定の色やモチーフに関心を集中し、他を切り捨てる(筆者注:色に対する指向が明確である)のに対して、女性の色使いは、特定色に偏るのを避けて、どの色も均等に使う。この色を使ったから、あの色も使わねば、と考える(筆者注:色に対する指向が不明確である)→B18 自分の今後の進路をはっきりさせようとする/しない |
皆本1986 |
〔13〕合理指向-非合理指向 |
|
なし |
|
〔14〕動的指向-静的指向 |
|
女性は、男性のような強い自己主張を好まない→C14 自己主張 |
皆本1986 |
〔15〕非定着指向-定着指向 |
|
女児画の中心は、男児画より低めに位置することが多く、どっしりとした安定感がある。女の子は、高いものへの興味が希薄である。→C33 考え方が大地を指向する |
皆本1986 |
乗り物類を描く女子は、男子に比べ非常に少ない→A11 一カ所に定着して動かない |
皆本1986 |
〔16〕独創指向-前例指向 |
|
新しい道具に出会った時、男子は好奇心で目が輝きうれしい様子を示すのに対して、女子は恐怖心を示して尻込みする。→C22 新分野への拡散 |
皆本1986 |
女子の方が多くの種類の事象に恐怖反応を示す→D37 冒険しようとしない |
Goldstein 1959 |
女子は失敗に当面すると、解決の仕方がでたらめになり、課題場面から逃避する傾向が、男子より目立つ。→D37 冒険しようとしない |
Hermatz 1962 |
女子は以前成功した課題に戻る頻度が男子より多く、男子は以前失敗した課題に戻る頻度が女子より多い→D37 冒険しようとしない |
Crandall 1960 |
男子は、攻撃性を、反社会的・破壊的な行動の形で表現するのに対して、女子は、合社会的(規則を楯にする)・非破壊的(口先・態度のみ)な行動の形で表現する。女性は、反社会的行動が、男性に比べて少ない。→F30 現状を変革/追認 |
間宮1979 |
男性は現状を変えることを望んでいるのに対し、女性は男性が変えた現状に依存するが、自ら現状を変えることには消極的である。→F30 現状を変革/追認 |
皆本1986 |
女子の方が環境に適応し、規則を遵守する→F30 現状を変革/追認 |
間宮1979 |
〔17〕開放指向-閉鎖指向 |
|
女子の方が、排他的閉鎖的派閥を作りやすい |
間宮1979 |
(注) ????マークの付いた文献は、文献抽出で用いた〔間宮1979〕で、データが省略されているため、詳細データが分からなかったものである。
Bakan, D. The duality of human existence . Chicago: Rand-McNally. 1966.
Crandall, V. J., & Robson, S. (1960). Children's repetition choices in an intellectual achievement situation following success and failure. Journal of Genetic Psychology, 1960, 97, 161-168.(間宮1979 p178参照)
Deaux,K.: The Behavior of Women and Men , Monterey, California: Brooks/Cole, 1976
Goldstein, MJ (1959). The relationship between coping and avoiding behavior and response to fear-arousing propaganda. Journal of Abnormal and Social Psychology, 1959, 58, 247-252.(対処的・回避的行動と恐怖を誘発する宣伝に対する反応との関係)
Hermatz,M.C. : ????(間宮1979 p178参照) , 1962
影山裕子 : 女性の能力開発, 日本経営出版会 , 1968
間宮武 : 性差心理学 , 金子書房 , 1979
皆本二三江 : 絵が語る男女の性差 , 東京書籍 , 1986
Mitchell,G. : Human Sex Differences - A Primatologist's Perspective , Van Nostrand Reinhold Company, 1981 (鎮目恭夫訳 : 男と女の性差 サルと人間の比較 , 紀伊国屋書店 , 1983)
Newcomb,T.M.,Turner,R.H.,Converse,P.E. : Social Psycholgy:The Study of Human Interaction, New York: Holt,Rinehart and Winston, 1965 (古畑和孝訳 : 社会心理学 人間の相互作用の研究 ,岩波書店 ,1973)
Schwarz, O, 1949 The psychology of sex / by Oswald Schwarz Penguin, Harmondsworth, Middlesex.
Trudgill,P.:Sociolinguistics: An Introduction, Penguin Books, 1974(土田滋訳 : 言語と社会, 岩波書店, 1975)
Wallach M. A., & Caron A. J. ( 1959). "Attribute criteriality and sex-linked conservatism as determinants of psychological similarity. Journal of Abnormal and Social Psychology, 59, 43-50(心理的類似性の決定因としての帰属的規準性と性別関連の保守性)
Wright,F.: The effects of style and sex of consultants and sex of members in self-study groups , Small Group Behavior, 1976, 7 , p433-456
ウェット |
生物学的貴重性との関連 |
|
1 |
集団主義 |
一人でいるより、みんなと一緒に集まっていた方が、危険が迫ったときに、一人ではできないことを力を合わせて行うことができて、安心である。 |
2 |
相互依存指向 |
互いに頼りあったほうが、危険に合ったとき、互いの力を借りることができて、対処しやすい。 |
3 |
密集指向 |
分散しているよりも、一つのところに皆で集まっていた方が、皆一緒という感じが持てて、安心感がある。 |
4 |
画一指向 |
皆と同じ行動をすることで、周囲の中で一人だけ浮いてしまうことがなくなるようにして、周囲と同類となることで、周囲からの援助が受けやすくなるようになる。 |
5 |
人間指向 |
自分と同類の人間を指向することで、互いに助け合える可能性が高まる。 |
6 |
縁故指向 |
人間関係を、予め安心だと分かっているもののみに絞ることで、自分の保身のために、より効果的に活用することができる |
7 |
規制主義 |
取る行動に制約を設けることで、リスキーな行動を取る可能性を減らし、より安全に過ごすことが出来る。 |
8 |
他律指向 |
自分の行動を周囲まかせにすることで、自分からは、行動が失敗したときの責任を、積極的に負わなくて済むようにする。 |
9 |
同調指向 |
周囲の皆(大勢)がすることに合わせる方が、数の論理を頼みにすることができ、より安全なのだと感じて、安心できる。互いに周囲の皆と行動を合わせる方が、大勢の中の一員として振る舞うことができて、自我が拡大して、気分が大きくなり、危険に立ち向かうだけの勇気が得られるように感じる。 |
10 |
権威主義 |
周囲の皆が従うところの、安全性を権威ある者によって保証された行動様式に、自らも従うことで、自らの保身を確かなものにしようとする。 |
11 |
反プライバシー |
互いに相手の内情を知ることで、相手の困っていることの情報を共有しやすくなり、他者から助けが得られやすくなる。 |
12 |
あいまい指向 |
自分の言っていたことを不明瞭にして、いろいろな向きに取ることができるようにしておくことで、失敗して責任追求があったときに、「自分は本当はそうは言っていなかったのだ」として、逃げ易くする。 |
13 |
非合理指向 |
互いに感情的になって、共感、一体感を得やすくなる。 |
14 |
静的指向 |
(安全が分かっているところで)あまり動かずじっとしていた方が、動き回って危険な領域に入る心配がなく、保身に有利である。 |
15 |
定着指向 |
既に安全だと分かっている場所にずっといつづけることで、新たな場所への移動に伴う新たな危険の発生を防ぐ。 |
16 |
前例指向 |
既に安全が保証されたことだけを選んで行うようにして、未知のことを行うことによって起きる予測不能な危険を、避ける。 |
17 |
閉鎖指向 |
安全がすでに保証された仲間とだけ一緒にいることで、危険・有害かも知れない外部からのよそものの侵入を防ぐ。 |
(初出1999年-2000年)
回答期間 2000.4.15~18
回答数 207
男 41.063%
女 58.937%
10代 33.333%
20代 56.522%
30代 7.246%
40代 2.899%
50代 0.000%
60代 0.000%
70代 0.000%
回答比率
〔1.個人主義-集団主義〕 |
|||||||
番号 |
項目内容(ドライ) |
女々しい |
どちらで |
女々しい |
項目内容(ウェット) |
-Z得点- |
有意 |
1 |
単独・ひとりで行動するのを好む |
31.884 |
15.459 |
52.657 |
集団・団体で行動するのを好む |
3.250 |
-0.01 |
18 |
他者からの分離・独立を好む |
24.638 |
20.773 |
54.589 |
他者との一体化・融合を好む |
4.841 |
-0.01 |
34 |
ひとりで他者とは別の道を歩むのを好む |
32.850 |
15.459 |
51.691 |
ひとりで他者とは別の道を歩むのを好まない |
2.948 |
-0.01 |
〔2.自立指向-相互依存指向〕 |
|||||||
番号 |
項目内容(ドライ) |
女々しい |
どちらで |
女々しい |
項目内容(ウェット) |
-Z得点- |
有意 |
2 |
互いに自立しているのを好む |
28.019 |
14.976 |
57.005 |
人付き合いで互いにもたれあうのを好む |
4.523 |
-0.01 |
19 |
独立心が強い |
22.705 |
17.391 |
59.903 |
依頼心が強い |
5.888 |
-0.01 |
35 |
派閥を作るのを嫌う |
33.333 |
13.043 |
53.623 |
派閥を作りたがる |
3.130 |
-0.01 |
〔3.広域分散指向-過密指向〕 |
|||||||
番号 |
項目内容(ドライ) |
女々しい |
どちらで |
女々しい |
項目内容(ウェット) |
-Z得点- |
有意 |
3 |
広い空間に分散していようとする |
33.333 |
16.908 |
49.758 |
狭い空間に密集していようとする |
2.592 |
-0.01 |
20 |
一人ずつ個室にいるのを好む |
34.300 |
15.459 |
50.242 |
多人数で大部屋にいるのを好む |
2.495 |
-0.01 |
36 |
ものの見方が客観的である |
36.232 |
17.391 |
46.377 |
客観的でない |
1.606 |
-0.10 |
〔4.多様性の尊重-画一指向〕 |
|||||||
番号 |
項目内容(ドライ) |
女々しい |
どちらで |
女々しい |
項目内容(ウェット) |
-Z得点- |
有意 |
4 |
横並びであろうとしない |
30.918 |
15.942 |
53.140 |
周囲の他人と横並びであろうとする |
3.487 |
-0.01 |
21 |
人々の多様性を認める |
43.961 |
16.425 |
39.614 |
人々を画一的な枠にはめようとする |
0.684 |
-.-- |
〔5.非人間指向-人間指向〕 |
|||||||
番号 |
項目内容(ドライ) |
女々しい |
どちらで |
女々しい |
項目内容(ウェット) |
-Z得点- |
有意 |
5 |
他人との触れ合いを好まない |
13.043 |
25.604 |
61.353 |
他人との触れ合いを好む |
8.058 |
-0.01 |
22 |
自分の内面を他者に開示したがらない |
29.952 |
21.739 |
48.309 |
自分の内面を他者に開示したがる |
2.986 |
-0.01 |
〔6.非縁故指向-縁故指向〕 |
|||||||
番号 |
項目内容(ドライ) |
女々しい |
どちらで |
女々しい |
項目内容(ウェット) |
-Z得点- |
有意 |
6 |
縁故(コネ)を重んじない |
29.952 |
20.290 |
49.758 |
人付き合いで縁故(コネ)を重んじる |
3.192 |
-0.01 |
23 |
事前に根回しがなくても気にしない |
27.053 |
21.739 |
51.208 |
会議で事前に自分への根回しがないと気に食わない |
3.928 |
-0.01 |
〔7.自由主義-規制主義〕 |
|||||||
番号 |
項目内容(ドライ) |
女々しい |
どちらで |
女々しい |
項目内容(ウェット) |
-Z得点- |
有意 |
7 |
行動の自由を規制されることを好まない |
53.140 |
13.527 |
33.333 |
行動の自由を規制されるのを好む |
3.064 |
0.01 |
24 |
互いに束縛しあうのを好まない |
39.130 |
13.527 |
47.343 |
互いに束縛しあうのを好む |
1.271 |
x.xx |
37 |
互いに行動を牽制し合うのを好まない |
38.647 |
17.391 |
43.961 |
互いに行動を牽制し合うのを好む |
0.841 |
x.xx |
〔8.自律指向-他律指向〕 |
|||||||
番号 |
項目内容(ドライ) |
女々しい |
どちらで |
女々しい |
項目内容(ウェット) |
-Z得点- |
有意 |
8 |
周囲の流行に振り回されない(左右されない) |
30.918 |
14.010 |
55.072 |
周囲の流行に振り回される |
3.748 |
-0.01 |
25 |
自分の今後の進路を自分一人で決められる |
32.850 |
12.560 |
54.589 |
決められない(周囲の影響を受ける) |
3.345 |
-0.01 |
38 |
取る行動に自主性がある |
27.536 |
15.942 |
56.522 |
取る行動が自主性に欠ける |
4.549 |
-0.01 |
〔9.反同調指向-同調指向〕 |
|||||||
番号 |
項目内容(ドライ) |
女々しい |
どちらで |
女々しい |
項目内容(ウェット) |
-Z得点- |
有意 |
9 |
周囲に同調せず自律的であろうとする |
31.401 |
14.976 |
53.623 |
周囲に同調したがる |
3.467 |
-0.01 |
26 |
他人の真似をするのを好まない |
33.816 |
15.942 |
50.242 |
他人の真似をするのを好む |
2.578 |
-0.01 |
39 |
少数派に属するので構わないとする |
29.469 |
17.874 |
52.657 |
主流派の一員でいようとする |
3.681 |
-0.01 |
〔10.反権威主義-権威主義〕 |
|||||||
番号 |
項目内容(ドライ) |
女々しい |
どちらで |
女々しい |
項目内容(ウェット) |
-Z得点- |
有意 |
10 |
ブランドにこだわらない |
27.536 |
16.908 |
55.556 |
物を購入するときブランドにこだわる |
4.422 |
-0.01 |
〔11.プライバシー尊重-反プライバシー〕 |
|||||||
番号 |
項目内容(ドライ) |
女々しい |
どちらで |
女々しい |
項目内容(ウェット) |
-Z得点- |
有意 |
11 |
他人のプライバシーには干渉しない |
27.053 |
14.493 |
58.454 |
他人のプライバシーに介入したがる |
4.886 |
-0.01 |
27 |
互いに監視しあうのを好まない |
43.478 |
10.628 |
45.894 |
互いに監視しあうのを好む |
0.368 |
x.xx |
40 |
他人のうわさ話をするのを好まない |
15.942 |
14.493 |
69.565 |
他人のうわさ話をするのを好む |
8.343 |
-0.01 |
〔12.反あいまい指向-あいまい指向〕 |
|||||||
番号 |
項目内容(ドライ) |
女々しい |
どちらで |
女々しい |
項目内容(ウェット) |
-Z得点- |
有意 |
12 |
物の言い方が率直である |
33.816 |
14.493 |
51.691 |
遠回し・婉曲である |
2.781 |
-0.01 |
28 |
物事の白黒をはっきりさせようとする |
36.232 |
19.807 |
43.961 |
あいまいなままにとどめようとする |
1.242 |
x.xx |
〔13.合理指向-非合理指向〕 |
|||||||
番号 |
項目内容(ドライ) |
女々しい |
どちらで |
女々しい |
項目内容(ウェット) |
-Z得点- |
有意 |
13 |
考え方が合理的である |
39.614 |
22.705 |
37.681 |
非合理的である |
0.316 |
-.-- |
29 |
考え方が科学的である |
24.638 |
28.502 |
46.860 |
非科学的である |
3.781 |
-0.01 |
〔14.動的指向-静的指向〕 |
|||||||
番号 |
項目内容(ドライ) |
女々しい |
どちらで |
女々しい |
項目内容(ウェット) |
-Z得点- |
有意 |
14 |
動作がすばやい |
22.705 |
28.986 |
48.309 |
動作がゆっくりである |
4.371 |
-0.01 |
30 |
物事の決定のテンポが速い |
26.087 |
21.256 |
52.657 |
テンポがゆっくりである |
4.308 |
-0.01 |
〔15.非定着指向-定着指向〕 |
|||||||
番号 |
項目内容(ドライ) |
女々しい |
どちらで |
女々しい |
項目内容(ウェット) |
-Z得点- |
有意 |
15 |
遊牧生活を好む |
34.783 |
25.604 |
39.614 |
農耕生活を好む |
0.806 |
x.xx |
31 |
人事が流動的なのを好む |
33.333 |
27.536 |
39.130 |
人事が停滞しているのを好む |
0.980 |
x.xx |
〔16.独創指向-前例指向〕 |
|||||||
番号 |
項目内容(ドライ) |
女々しい |
どちらで |
女々しい |
項目内容(ウェット) |
-Z得点- |
有意 |
16 |
前人未踏のことにもあえて挑戦する |
25.121 |
20.773 |
54.106 |
前例があることだけをしようとする |
4.685 |
-0.01 |
32 |
現状を変革するのを好む |
31.884 |
23.671 |
44.444 |
現状をそのまま追認するのを好む |
2.068 |
-0.05 |
〔17.開放指向-閉鎖指向〕 |
|||||||
番号 |
項目内容(ドライ) |
女々しい |
どちらで |
女々しい |
項目内容(ウェット) |
-Z得点- |
有意 |
17 |
開放的な人間関係を好む |
39.130 |
22.705 |
38.164 |
閉鎖的な人間関係を好む |
0.158 |
-.-- |
33 |
集団外のことにも関心を持つ |
36.715 |
15.942 |
47.343 |
自分の属する集団内のことにしか関心がない |
1.668 |
-0.05 |
41 |
仲間内以外の人も受け入れる |
41.546 |
11.594 |
46.860 |
付き合いで仲間内以外の人を排除する |
0.813 |
x.xx |
注)有意水準欄の「-.--」表示は、1999.5~7の調査でドライとされた項目(左側)で、実際のアンケートにおいて、女々しいとされた割合が、より多かったものの、有意水準0.10には達しなかったもの
「x.xx」表示は、調査でウェットとされた項目(右側)で、実際のアンケートにおいて、女々しいとされた割合が、より多かったものの、より多かったものの有意水準0.10には達しなかったもの
回答結果
1999-07-23-05:37:46 現在
回答数 245
男 48.163%
女 51.837%
10代 27.347%
20代 62.041%
30代 9.388%
40代 0.408%
50代 0.408%
60代 0.000%
70代 0.408%
回答比率
番号 |
項目内容 |
-----------グラフ----------- |
項目内容 |
t分布 |
有意 |
〔1.個人主義-集団主義〕 |
|||||
1 |
単独・ひとりで行動するのを好む |
|
集団・団体で行動するのを好む |
1.954 |
0.10 |
18 |
他者からの分離・独立を好む |
|
他者との一体化・融合を好む |
1.254 |
-.-- |
34 |
ひとりで他者とは別の道を歩むのを好む |
|
ひとりで他者とは別の道を歩むのを好まない |
1.007 |
-.-- |
〔2.自立指向-相互依存指向〕 |
|||||
2 |
互いに自立しているのを好む |
|
人付き合いで互いにもたれあうのを好む |
1.257 |
-.-- |
19 |
独立心が強い |
|
依頼心が強い |
3.250 |
0.01 |
35 |
派閥を作るのを嫌う |
|
派閥を作りたがる |
-2.563 |
-0.05 |
〔3.広域分散指向-過密指向〕 |
|||||
3 |
広い空間に分散していようとする |
|
狭い空間に密集していようとする |
1.217 |
-.-- |
20 |
一人ずつ個室にいるのを好む |
|
多人数で大部屋にいるのを好む |
1.661 |
0.10 |
36 |
ものの見方が客観的である |
|
客観的でない |
0.874 |
-.-- |
〔4.多様性の尊重-画一指向〕 |
|||||
4 |
横並びであろうとしない |
|
周囲の他人と横並びであろうとする |
1.603 |
-.-- |
21 |
人々の多様性を認める |
|
人々を画一的な枠にはめようとする |
-0.799 |
x.xx |
〔5.非人間指向-人間指向〕 |
|||||
5 |
他人との触れ合いを好まない |
|
他人との触れ合いを好む |
0.708 |
-.-- |
22 |
自分の内面を他者に開示したがらない |
|
自分の内面を他者に開示したがる |
1.526 |
-.-- |
〔6.非縁故指向-縁故指向〕 |
|||||
6 |
縁故(コネ)を重んじない |
|
人付き合いで縁故(コネ)を重んじる |
0.357 |
-.-- |
23 |
事前に根回しがなくても気にしない |
|
会議で事前に自分への根回しがないと気に食わない |
0.010 |
-.-- |
〔7.自由主義-規制主義〕 |
|||||
7 |
行動の自由を規制されることを好まない |
|
行動の自由を規制されるのを好む |
0.737 |
-.-- |
24 |
互いに束縛しあうのを好まない |
|
互いに束縛しあうのを好む |
-2.266 |
-0.05 |
37 |
互いに行動を牽制し合うのを好まない |
|
互いに行動を牽制し合うのを好む |
-1.921 |
-0.10 |
〔8.自律指向-他律指向〕 |
|||||
8 |
周囲の流行に振り回されない(左右されない) |
|
周囲の流行に振り回される |
2.572 |
0.05 |
25 |
自分の今後の進路を自分一人で決められる |
|
決められない(周囲の影響を受ける) |
0.088 |
-.-- |
38 |
取る行動に自主性がある |
|
取る行動が自主性に欠ける |
1.241 |
-.-- |
〔9.反同調指向-同調指向〕 |
|||||
9 |
周囲に同調せず自律的であろうとする |
|
周囲に同調したがる |
0.218 |
-.-- |
26 |
他人の真似をするのを好まない |
|
他人の真似をするのを好む |
-1.798 |
-0.10 |
39 |
少数派に属するので構わないとする |
|
主流派の一員でいようとする |
-0.227 |
x.xx |
〔10.反権威主義-権威主義〕 |
|||||
10 |
ブランドにこだわらない |
|
物を購入するときブランドにこだわる |
-0.630 |
x.xx |
〔11.プライバシー尊重-反プライバシー〕 |
|||||
11 |
他人のプライバシーには干渉しない |
|
他人のプライバシーに介入したがる |
1.167 |
-.-- |
27 |
互いに監視しあうのを好まない |
|
互いに監視しあうのを好む |
-2.154 |
-0.05 |
40 |
他人のうわさ話をするのを好まない |
|
他人のうわさ話をするのを好む |
1.353 |
-.-- |
〔12.反あいまい指向-あいまい指向〕 |
|||||
12 |
物の言い方が率直である |
|
遠回し・婉曲である |
-0.680 |
x.xx |
28 |
物事の白黒をはっきりさせようとする |
|
あいまいなままにとどめようとする |
0.705 |
-.-- |
〔13.合理指向-非合理指向〕 |
|||||
13 |
考え方が合理的である |
|
非合理的である |
1.560 |
-.-- |
29 |
考え方が科学的である |
|
非科学的である |
3.238 |
0.01 |
〔14.動的指向-静的指向〕 |
|||||
14 |
動作がすばやい |
|
動作がゆっくりである |
2.652 |
0.01 |
30 |
物事の決定のテンポが速い |
|
テンポがゆっくりである |
1.648 |
0.10 |
〔15.非定着指向-定着指向〕 |
|||||
15 |
遊牧生活を好む |
|
農耕生活を好む |
-1.599 |
x.xx |
31 |
人事が流動的なのを好む |
|
人事が停滞しているのを好む |
-1.111 |
x.xx |
〔16.独創指向-前例指向〕 |
|||||
16 |
前人未踏のことにもあえて挑戦する |
|
前例があることだけをしようとする |
-0.164 |
x.xx |
32 |
現状を変革するのを好む |
|
現状をそのまま追認するのを好む |
-0.626 |
x.xx |
〔17.開放指向-閉鎖指向〕 |
|||||
17 |
開放的な人間関係を好む |
|
閉鎖的な人間関係を好む |
-1.157 |
x.xx |
33 |
集団外のことにも関心を持つ |
|
自分の属する集団内のことにしか関心がない |
-0.616 |
x.xx |
41 |
仲間内以外の人も受け入れる |
|
付き合いで仲間内以外の人を排除する |
-2.262 |
-0.05 |
項目総数=41
各項目 ドライを選択=1点、ウェットを選択=-1点、どちらでもない=0点
テスト結果値 = 合計値/項目数(41)
男性回答数 = 118
男性平均 = 0.417
男性分散 = 0.088
女性回答数 = 127
女性平均 = 0.377
女性分散 = 0.143
男性>女性 正規分布値 = 0.936981218993167
[要旨] 気体、液体分子運動の動画をインターネット上で人々に見せて、粒子(分子)の動きが、それぞれどの程度男性的、女性的に感じられるか回答してもらったところ、気体分子の動きはより男性的に、液体分子の動きはより女性的に捉えられる、という結果が出ました。
男性の行動様式は、気体分子運動として捉えられると考えられる。
すなわち、一人一人が、互いに離れてバラバラに独立、自立して、互いに高速に動き回り、能動的、攻撃的に振る舞う。
一方、女性の行動様式は、液体分子運動として捉えられると考えられる。
すなわち、一人一人が、互いに近づき、集まり、くっつき合って、互いに低速で、静的、受動的に振る舞う。
以下に、液体(女性)、気体(男性)の運動、行動パターンを動画で示す。
※以下の動画は、池内満さんが作成された、「分子のおもちゃ箱」(mikeさんのサイト) http://mike1336.web.fc2.com/の 分子運動Javaプログラムをそのまま借用しています。
無断転用を禁じます。
女性=リキッドタイプ=液体分子運動パターン |
男性=ガスタイプ=気体分子運動パターン |
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インターネット利用者(約200名)に、Webページ上で気体、液体分子運動の動画を見せて、それぞれどれほど男性的か、女性的かを回答してもらったところ、気体分子運動がより男性的と捉えられ、一方、液体分子運動がより女性的と捉えられることが分かった。
(初出2008年01月)
Figure.1 気体,液体分子運動パターン
分子運動シミュレーションムービー(研究参加者に見せたもの)
気体分子運動
液体分子運動
Table.1 気体,液体分子運動ムービーへのアメリカ的・日本的評価値の平均値と標準偏差(かっこ内)
刺激種類 |
男性的 |
女性的 |
液体分子運動 |
0.67 |
1.35 |
気体分子運動 |
1.49 |
0.65 |
n=201
Table.2 条件間の平均値の差の比較結果(対応あり)
比較対象 |
t検定 |
液体女性的-液体男性的 |
t(200)=5.42** |
気体男性的-気体女性的 |
t(200)=6.84** |
気体男性的-液体男性的 |
t(200)=7.47** |
液体女性的-気体女性的 |
t(200)=6.29** |
** p < .01
(初出2008年04月)
2012.07 初出
要約
人間の自己保身、安全、守られることvs危険への指向と,物質の気体,液体の人間に与える感覚のドライ,ウエットさの間の関連を明らかにするため,web での 調査を行った。気体・液体分子運動パターンをコンピュータシミュレートした2つのムービーを研究参加者200名に対して見せて,各ムービーで,粒子の動き が個人の対人行動としてどの程度、自身の保身、安全を重視し、守られることを好む、ないし危険に立ち向かうように感じられるかを評価してもらった。その結 果,気体分子運動パターンは人々の動きとして、危険に立ち向かうように,液体分子運動パターンは人々の動きとして、自身の保身、安全を重視し、守られることを好むように感じられることが分かっ た。
課題
実際に研究参加者に気体,液体の分子運動シミュレーションムービーを見せて,各分子の動きを人の動きと見立てた場合それぞれどの程度保身、安全、守られやすさvs危険を指向していると感じるか調べることにした。
方法
[データ収集方法] インターネットのwebサイトで回答を収集した。回答のカウントに当たっては,同じ研究参加者が複数回回答する可能性に対応するた め,回答時に同一のIPアドレスの持ち主は同一の回答者であると見なし,同一のIPアドレスの複数回答は最新の1個の回答のみを有効と見なすとともに, cookieを利用して複数回の回答を受付けないように設定した。
[研究対象者] 回答を得た研究参加者の総数は200名(男性105名,女性95名)であった。性別情報は,回答時に性別選択欄をwebページにラジオボ タンで設け,選択入力してもらうことで得た。
[調査時期] 調査時期は,2007年9月15日から10月9日の24日間であった。
[刺激映像] 刺激は,Ar(アルゴン)の分子運動パターンをシミュレートするJavaプログラムを,池内満(2002)のwebサイトよ り入手し,液体と気体それぞれの分子運動を最も明確に示すように,絶対温度20度(液体)と300度(気体)のそれぞれの分子運動を表すように調整した。 プログラムが表示した気体,液体各分子運動のムービーを,パソコン上でキャプチャし,各々30秒間のwindows media video形式のムービーに加工して,webサイト上で研究参加者のパソコンから再生可能とした。各ムービーの静止画は,Figure 1の通りである。
[質問項目] 上記各ムービーについて「これは,人々の動きを早送りで再生したものです。一つ一つの粒々が一人一人の人間を表しています。このムービーに おける人々の性格がどの程度、自己の保身、安全を重視し、守られることを好む、ないし危険に立ち向かうように感じられるか5段階評価して下さい。」とし て,それぞれ別々に回 答させた。段階は,「感じない(0)」から「とても感じる(4)」の5段階とした。
[手続き] 各ムービーは,一度に1個ずつ,順番をランダムにして呈示し,ムービー毎に回答させるようにした。回答はムービーが実際に動いているのを見な がらでないとしにくいため,各ムービーは回答中エンドレスで流れるようにした。なお,実験操作のデブリーフィングとして,回答が完了した時点で,「実はこ れは,気体,液体分子運動のシミュレーションムービーでした。」という断り書きを画面上に呈示した。
結果
気体,液体分子運動パターンが,人の性格としてそれぞれ、保身、安全、守られやすさ、ないし危険を指向しているように感じられた度合いの評定値の平均値と 標準偏差はTable 1に示した通りである。
見せたムービーの種類別に感じた度合いの違いを見るため,対応ありの平均値の差のt検定(両側)を行った(n=200)。結果はTable 2の通りである。
自己の保身を重視するように感じられる度合い、自己の安全を重視するように感じられる度合い、守られることを好むように感じられる度合いは、いずれも、液 体分子運動パターンの方が、気体分子運動パターンよりも有意に大きかった。
一方、危険に立ち向かうように感じられる度合いは、気体分子運動パターンの方が、液体分子運動パターンよりも有意に大きかった。
液体分子運動パターンでは、守られることを好むように感じられる度合いが、一番高かった。次に、自身の保身を重視するように感じられる 度合い、自身の安全を重視するように感じられる度合い、の両者が高かった。この両者の間には、有意差は無かった。一番低かったのが、危険に立ち向かうよう に感じられる度合いであった。
気体分子運動パターンでは、危険に立ち向かうように感じられる度合い、自身の保身を重視するように感じられる度合い、の両者が一番高かった。この両者の間 には、有意差は無かった。低かったのは、自身の安全を重視するように感じられる度合い、守られることを好むように感じられる度合いの両者であった。この両 者の間には、有意差は無かった。
考察
以上の結果により,気体分子運動のシミュレーションを人に見立てて観察させると、危険に立ち向かうように感じられ,一方、液体分子運動は、自身の保身、安 全を重視し、守られることを好むように感じられることが分かった。気体分子運動パターンと同様に振る舞う人のパーソナリティは危険やリスクに立ち向かうよ うに,液体分子運動パターンと同様に振る舞う人では自身の保身、安全を重視し、守られることを好むように感じられると考 えられる。
なお、
・液体分子運動パターンにおいて、守られることを好むように感じられる度合いが、一番高かったのは、液体分子運動パターンが、周囲の皆 と一緒にいれば大丈夫という、いわゆる護送船団方式を連想させるものであったためと考えられる。
・気体分子運動パターンにおいて、自身の保身を重視するように感じられる度合いが、危険に立ち向かうと感じられる度合い同様、高かった のは、個体の周囲に十分な空間が空いており、保身もある程度できるようになっていると捉えられたためと考えられる。また、気体分子運動パターンにおいて、 自身の保身を重視するように感じられる度合いの方が、自身の安全を重視するように感じられる度合いよりも、有意に高かったのは、気体分子運動パターンにお いては、危険な流れ弾が飛んでくるため個体の安全は確保出来ないが、保身のための個体身辺の空間的余裕はあると捉えられたためと考えられる。
図表
Figure.1 気体,液体分子運動パターン
分子運動シミュレーションムービー(研究参加者に見せたもの)
気体分子運動
液体分子運動
刺激種類 | 自身の保身を 重視するように |
自身の安全を 重視するように |
守られるのを 好むように |
危険に 立ち向かうように |
液体分子運動 | 2.59 (1.43) |
2.52 (1.33) |
2.98 (1.27) |
0.68 (1.01) |
気体分子運動 | 1.36 (1.36) |
0.85 (1.20) |
0.83 (1.26) |
1.4 (1.35) |
n=200
Table.2 条件間の平均値の差の比較結果(対応あり)
比較対象 | t検定 |
液体保身重視-気体保身重視 | t(199)=8.75** |
液体安全重視-気体安全重視 | t(199)=13.49** |
液体守られるのを好む-気体守られるのを好む | t(199)=18.04** |
気体危険に立ち向かう-液体危険に立ち向かう | t(199)=6.24** |
液体守られるのを好む-液体危険に立ち向かう | t(199)=19.32** |
液体守られるのを好む-液体保身重視 | t(199)=4.47** |
液体守られるのを好む-液体安全重視 | t(199)=4.50** |
液体保身重視-液体危険に立ち向かう | t(199)=15.40** |
液体保身重視-液体安全重視 | t(199)=0.69 |
液体安全重視-液体危険に立ち向かう | t(199)=15.73** |
気体危険に立ち向かう-気体保身重視 | t(199)=0.30 |
気体危険に立ち向かう-気体安全重視 | t(199)=4.22** |
気体危険に立ち向かう-気体守られるのを好む | t(199)=4.20** |
気体保身重視-気体安全重視 | t(199)=5.29** |
気体保身重視-気体守られるのを好む | t(199)=4.90** |
気体安全重視-気体守られるのを好む | t(199)=0.23 |
** p < .01
液体 | ←感じられる度合いが、より小さい | 危険に立ち向かう | 保身重視 安全重視 |
守られるのを好む | →感じられる度合いが、より大きい |
↑差がない |
気体 | ←感じられる度合いが、より小さい | 安全重視 守られるのを好む |
危険に立ち向かう 保身重視 |
→感じられる度合いが、より大きい |
↑差がない | ↑差がない |
(初出2012年07月)
気ままに書き綴った文章を集めたものです。
[要旨] 外部環境に対する女性と男性の空間分布のあり方の差を比較した結果を、簡単な図にまとめました。女性が内側にまとまって団体になって塊になって存在し、その外側に男性が分散して、女性を守る形で苛酷な外部環境に露出、直面すると捉えます。
(初出2009年12月)
女社会と男社会のあり方を比較した結果を、簡単な表にまとめました。
女社会 |
男社会 |
|
リキッドタイプ(液体的) |
ガスタイプ(気体的) |
|
ウェット、温かい |
ドライ、冷たい |
|
姑、母、お局 |
父 |
|
日本的、東アジア的 |
アメリカ的、西欧的 |
|
1 |
保身preservation |
|
101 |
保身、安全の重視 |
危険への対峙 |
互いに自分のことが一番大切である。軍事的に守られるのを好む。 |
自分自身より大切な存在が他にいる。それを守るのを自己の使命とする。 |
|
102 |
前例、しきたり、暗記の重視、保守性、因習性 |
探検、独創性の重視、革新性 |
その通りにやれば大丈夫、無難と分かっている前例、しきたりが確立されたことしかしようとしない。物の見方が保守的である。 自分たちが押し付けられた社会的に逆機能な古い慣習を、次世代、後継者に強制する。物の見方が因習的である。 |
うまく行くかどうか分からない、前例のない事柄に挑戦して、失敗を重ねながら、新たな前例に当たる知見を作り上げる。物の見方が革新的である。 |
|
103 |
減点主義vs批判への脆弱性 |
加点主義vs直接的な欠点修正要求 |
相手のマイナス点、あら探しを粘着的に延々とするのを好む。相手を褒めない。いつまでも陰口、悪口を言う。建設的でない。 対人関係がソフト、デリケートで事なかれ主義のため、他者からの批判、クレームに対して弱く、すぐ妥協しやすい。そのため批判そのものを許さない。 |
相手の長所を積極的に褒める。建設的である。 相手の欠点を、単刀直入に直接的に批判、攻撃して、修正されたら、あっさり余所へ行く。 |
|
104 |
決定、責任の回避 |
決定、責任の不可避 |
決定を先送りする。 |
決定を先送りせず、リアルタイムで決定する。 |
|
2 |
一体性oneness |
|
201 |
相互一体性の重視 |
相互独立性の重視 |
互いに一つになる、融合するのを好む。 |
互いにバラバラに独立するのを好む。 |
|
202 |
依存心の強さ、強権者好き |
自立 |
自分一人だけで自立するのが不安で、誰か周囲に支えてもらいたいと考える。周囲に助け、庇護を求める。自分を積極的にリードしてくれる強権の持ち主や強権政治に惹かれ、なびく。 |
自分一人で自立するのを理想とし、周囲に助けを求めない。権力から自由であることを望む。 |
|
203 |
包含の重視、「袋」指向、枠内、制限指向 |
解放の重視、開放性、枠からの飛び出し、打破指向 |
相手を包み込む、相手に包み込まれる感覚を好む。「袋」の中にいるのを好む。決められた枠内に止まる、枠を守る、制限するのを好む。 |
包まれていた、閉じ込められていたところから解放されるのを好む。オープンなのを好む。決められた枠からはみ出す、飛び出る、枠を破るのを好む。 |
|
204 |
全人的支配、従属 |
支配の部分性、自由の残存 |
親分子分関係のように、相手を全人格的に包み込んで支配したり、全人格的に従属するのを好む。 |
相手を支配するが、全人格を支配するのではなく、相手のコアの部分には、自由を残す。 |
|
205 |
相手の人格制御 |
相手の道具、手段的制御 |
教育などで、相手教師の人格、人柄そのものを慕って付いて行こう、相手子供の人格そのものをコントロールしよう、しつけようとする。 |
教育などで、相手の人格そのものには手を付けず、相手を専ら効果的な学習のための道具、手段として効果的に利用し、あるいは具体的な指示、教示を与える対象として冷静に目視しようとする。 |
|
206 |
所属の重視(所属主義) |
本人個人、フリー、自由の重視 |
人を見る時に、その人がどの集団、団体に属しているかを重視する。 |
人を見るときに、本人の所属ではなく、本人個人そのものを直視の対象とする。どこにも従属せず、自主独立の自由であることを重視する。 |
|
207 |
つながり、コミュニケーション、縁故、コネの重視 |
初対面、別れ、切断前提の付き合い、契約の重視 |
人とのつながり、コミュニケーションを重視する。人を判断する時に、その人が自分とどういうつながりがあるか、どういうコネを持っているかを重視する。採用とかで自分とつながりのない他者をシャットアウトする。一見さんお断り。 |
人を判断する時に、その人自身の能力、利益を生み出す力を重視する。能力のあると思った人は、初対面でコネがなくても採用する。用件が済んだら、さっさと別れて、関係を切る。関係が切れることを前提とした契約を重視する。 |
|
208 |
妬み、足の引っ張り合い |
自他の区別・割り切り、ライバルへの攻撃 |
自分と関わりのある、かつて自分と同等以下で、その後自分より上等になった、なろうとする他者のことを妬んで、互いに足を引っ張る。自分は自分、他人は他人と割り切ることができない。 |
自分は自分、他人は他人と区別し、割り切る。 |
|
209 |
近接、粘着、くっつき |
離反、距離感、はがれ |
人間関係が、相手に近づきくっつくのを好む結果、粘着的になり、ベタベタ、ドロドロしたものになる。 |
人間関係が、相手とあまりベタベタくっつかずにはがれる、距離を保った、あっさりしたそっけないものとなる。 |
|
3 |
集団group |
|
301 |
集団、団体行動の重視(集団主義) |
個人行動の重視(個人主義) |
集団で行動する、群れるのを好む。相手に連れ立って一緒に付いていく、つるむのを好む。 |
個人単位で行動するのを好む。周囲と別行動を取っても咎められない。 |
|
302 |
同調、協調、調和、和合の重視、個性の一定枠内での許容 |
独自判断、違和感、反対の許容、個性の重視 |
意見を周囲や相手に合わせるのを好む。物事を相手と一緒に共同でするのを好む。個性の重視とは、一定枠内に止まりながら、その枠内で最大限目立とうとすることである。 |
意見を周囲に合わせずに独自の判断をしたり、周囲と反対の意見を述べて平気である。個性として許容する。 |
|
303 |
流行、トレンドへの追従 |
自己流、独自性の貫徹 |
皆が追随する最新、最先端の流行を身につけようとする。その時々のトレンドに乗っていこうとする。 |
周囲の動向にお構いなく、自分流を貫くのを好む。 |
|
304 |
仲間外れ、浮きの存在と、無視、いじめ |
バラバラ、単独行動 |
集団の調和を乱す浮いた存在の人を、よってたかって仲間外れにして、無視したり、いじめる。 |
各自が、勝手にバラバラな方向に単独行動を取り、反対する者同士攻撃を加え合う。仲間は一時的な存在であり、別れることが前提である。全員が浮いている。 |
|
305 |
非競争、護送船団主義、談合 |
自由競争、能力主義、成果主義 |
自由競争を好まず、互いに一体となって、一緒に進もうとする。競争のない年功序列、先輩後輩制、談合を好む。抜け駆けを許さない。 |
互いに自由競争で、自分の持つ能力を最大限に発揮して、自分が成果を上げて生き残り、他者を蹴落とそうとする。 |
|
4 |
人間human、有機organic |
|
401 |
人間指向、有機指向 |
機械、無機指向 |
人間、対人関係そのものに対して関心、注意が行きやすい。 |
冷たい機械や岩石(宇宙)とかに興味を持つ。 |
|
402 |
相互監視、密告、牽制 |
プライバシーの重視 |
互いに周囲の他者が何をやっているかに関心が行き、盛んに首を突っ込んで、監視、牽制しようとする。 |
互いに、他者に踏み込まれない独自領域を確保することに熱心である。 |
|
403 |
噂、陰口指向 |
自己主張 |
他人の陰口やうわさ話を流すのを好む。 |
他人ではなく自分自身の主義主張を、周囲に向かって宣伝するのを好む。 |
|
404 |
恥の重視 |
恥知らず |
周囲の他人の目を盛んに気にして、恥ずかしがる。自分が他人にどう思われているかを気にする。 |
他人の目に無関心である。人目を気にせずに、自分のやりたいことに邁進する。 |
|
405 |
媚び、化粧、服飾指向 |
自己評価の重視 |
周囲の他人によく思われようとする。周囲に盛んに媚を売る。演技をする。自分が周囲によく見えるように、自分を飾る化粧や服飾に注意が行く。 |
周囲の他者ではなく、自分自身で自己を客観的に見つめなおし、自己評価を良くして行こうとする。 |
|
406 |
関係保持的配慮、気づき |
制御的配慮、気づき |
互いに、相手が、何か自分に注目してほしいというサイン(メール、ブログ、SNS書き込み等)を自分に対して送っているかどうかに常に神経を配り、リアルタイムで相手に注目していますよとすぐ返事を返すことで、相手の被注目欲求を満足させ、良好な対人関係を保持しようとする。 |
対象となる人(部下とか)や物(乗り物とか)が、自分にとって道具、手段として自分に最高の利益をもたらすように適切に動作、行動しているかどうかに常に神経を配り、リアルタイムでコントロール、軌道修正する。 |
|
5 |
条件condition |
|
501 |
好条件、温室指向 |
悪条件(寒暑)の受容 |
条件のよい温室の中に止まるのを好む。ぬるま湯を好む。 |
条件の悪い所に放り出されるのを受容して、それに何とか適応していく。 |
|
502 |
内部指向、「奥」指向、内外の区別(「膜内」指向) |
代表指向、外部露出 |
より環境の安定した内側に止まる、奥にいるのを好(奥様)。「袋」の中にいるのを好む。 |
代表として、対外的に露出するのを許容する。 |
|
503 |
内輪指向、閉鎖、排他性 |
開放性、オープンさ |
気心の知れた親しい仲間内、身内だけで結束し、外部の人間に対して冷たい態度を取る。 |
誰にでも平等に開かれた空間の存在を大切にする。 |
|
504 |
集団ベースのセキュリティ重視 |
個人ベースのセキュリティ重視 |
集団の中に変な人が入ってこないように、集団への加入条件を厳しくする(入試を難しくして、なかなか入れなくする)。集団内部ではセキュリティがなあなあになって緩くなりがち。 |
新たに近づいてくる人物が危険かも知れないので、その場合排除、自身を護衛できるように、銃の所持とか、個人単位でのセキュリティを重視する。 |
|
6 |
感情emotion |
|
601 |
感情、情緒的、主観的対応 |
論理的、客観的対応 |
相手に対して、冷静に割り切ることができず、情緒、感情を露にして対応する。思わず涙をこぼす。 |
相手に対して、冷静、客観的に割り切って対処する。 |
|
602 |
生肌・粘膜的対応 |
「よろい」着用による対応 |
感覚的な肌合い、肌触りや粘膜(口、鼻等)への働きかけを重視する。自分自身の肌や粘膜の状態に敏感である。相手が自分と肌に合うかどうかを気にする。 |
直接肌の感覚に訴えるのを回避して、肌を覆う固いよろいに身を包もうとする。相手を判断するのに、肌への感覚を遮断する。 |
|
603 |
第六感による総合的判定 |
要素還元による判定 |
物事を判定するのに、個別の要素に分けるのではなく、第六感を駆使して、一挙に総合的に判定する。 |
物事を判定するのに、個別の要素へと還元して、部分的判定を積み上ることで、全体の判定につなげるのを好む。 |
|
7 |
植物plant |
|
701 |
低重心、定住、定着指向、植物的 |
高重心、浮上、移動、動物的 |
大地、一カ所にどっしりと根や腰を下ろした状態を好む。重心が低い。腰が重い。定住、定着を好む。農耕植物栽培に従事する。農耕民的である。 |
重心が高く、ふわふわ浮いてあちこち移動する、根無し草のようなフリーな状態を好む。動物、家畜の飼育に従事する。遊牧民、牧畜民的である。 |
(初出2008年04月)
性差には、セックス(遺伝的行動、精子卵子の違い、先天的脳神経回路網構成の違い)とジェンダー(自然環境、社会環境の違いに適応するための文化的行動の違い、後天的脳神経回路網構成の違い)の違いがある。
自然環境が性差に与える影響は確実に存在する。取り巻く自然環境の大きく異なる遊牧民・牧畜民と農耕民での性差には差異がある。相互の自由独立を指向する遊牧民・牧畜民においては父性の優越と母性の喪失に伴う性格の男性化が見られる。相互の一体化、同調を指向する農耕民においては母性の優越と父性の喪失に伴う性格の女性化が見られる。遺伝子レベルでの環境決定論は支持される。環境によって遺伝子の適応が別々になる。東アジアの農耕民男性が女性化するにあたって遺伝子の女性化の働きも一定程度あると考えられる。
文化的、後天的行動レベルでも環境(砂漠、牧場、モンスーン等)によって、生存様式(遊牧、牧畜、農耕等)の差が出るため、その結果、文化的性差のあり方の違い(遊牧、牧畜では、筋力の強い、個人行動、自由行動が得意な男性が社会を支配し、農耕では、緻密さに強い、集団行動、統制一体化行動が得意な女性が社会を支配する)が出る。
(初出2017年6月)
男女の社会的地位は、職場、家庭等、様々な場面で測られる。社会的地位は、職場進出や、職場での高い地位を占める度合いだけでは測れない。例えば、日本においては性別役割分業が盛んで、職場は男性、家庭は女性がそれぞれ主導的な地位を占めていた。職場での高い地位は男性が主に占めていた。では、日本で女性の社会的な力が弱かったかと言えば全然そうではなく、もともと職場の経営者、労働者について、その母や妻たちが行使する権力が大きい。日本の職場の経営者、労働者はダービー競走馬としての意味合いが強い。日本の母親は母子癒着の度合いが強く、一生息子や娘を精神的に支配し続ける。自分の息子、娘の出世のためダービー競走馬の息子、娘にムチを打つ母の存在が大きい。あるいは、出世のためダービー競走馬の夫にムチを打つ妻の存在が大きい。日本の父と夫は職場で競走馬しか出来ない。この点で、日本の職場での男性の地位の高さは見せかけだけであり、実権は女性が握っている。
家事労働の意味も、社会によって違ってくる。労働者の給与は、日本みたいに労働する夫が、その生活上の管理を妻にすっかり依存している場合、家事労働費用込みと言える。妻は、世界的に、単なる家政婦(欧米とか)と家庭内管理職(日本とか)の立場の違いがある。家計の財布の紐と我が子の両方を掌握、コントロールする日本女は社会の奥の真の権力者である。
育児と男女の役割も、社会によって異なる。日本では、育児における主導権の把握は日本女がずっと勝利している。夫婦共働きだと、夫婦両方共職場村が滅私奉公の長時間残業のため、保育所の確保等で子育てが難しくなり、少子化の原因になっている。
(初出2017年6月)
男女の社会行動上の性差の発生の起源は、凸型性器(男性器)と凹型性器(女性器)の性質の違いから来ている。差し入れる凸型が攻め=能動的で、差し入れられる凹型が受け=受動的に、根本的なところでなりやすい。女性がセクハラされやすい(攻められやすい)のも、これと関係ある。
(初出2017年9月)
生き物にセックスは付き物である。子孫を残す上で必須である。セックスして当然、自然である。
人間も生き物、動物の一種であり、セックスして当然、自然である。後ろめたさを感じる必要は全然ない。セックスに対して卑猥とかマイナスイメージを植え付けることが一番の社会的害悪である。性器表示にモザイクに掛けるとか一番ダメなやり方である。
子供のうちから将来セックスして自分の子どもを作ることを自覚させる必要がある。
セックス可能年齢になったら直ちに子作りできるようにする。
現段階で確立された最高のセックステクニック(前戯を含む)を、ビデオゲームとかで子供に教え込む。
セックスして生まれた子どもは、DNA鑑定で両親を特定の上、両親や祖父母が育てるか、社会で育てる(今の保育所~学校制度と同じ。24時間預かる。あるいは寄宿舎制度。)。
子どもへのセックス表現を見せることの解禁を行う。子供にもセックスシーンを見せる。自分たちが両親のセックスによって生まれたことを自覚してもらい、自分たちも同じことをするのだと理解させる。近親相姦の厳禁を徹底する(遺伝的劣化が起きて、奇形児が生まれる等のデメリットをきちんと説明する)。
子供も大人並のセックスや前戯への知識を持つようにする。「小さな大人」を実現する。
男性も女性もセックスは売り物である(女だけ商品だというのは誤り。男のセックスも商品。だが、女性の方が圧倒的に値段が高い)。男も女も誰もが、緊急避妊薬とコンドームを片手に普通に小遣い稼ぎで副業で売春できるようになると良い(男もイケメンだと売れる)。
セックスや前戯は特に恥ずかしいことではなく、生物として当たり前の行為である。男も女もいつでもどこでも発情して一杯絶頂に達して当たり前である。ただし、やっている間無防備になるので、やる場所を予め安全な密室とか(屋内の部屋)で決める。
セックスやその前戯には相手との事前合意が必要。合意なしのセックス、前戯は、男女にとってセクハラに当たる。満員電車での男性による、女性の了承を得ない一方的痴漢はセクハラで有罪である。異性が、セックスと前戯に合意したかどうかの見極めのテクニックを子供の頃から繰り返し男女それぞれに教え込む必要がある。
アダルトビデオ、エロアニメ、エロゲームの作中の人物が、合意できないセックスをセクハラで訴えるような作品を作る。アダルトビデオ、エロアニメ、エロゲームで、主人公が女性を強引に犯す場面が多いためである。強引に犯したら強姦だとされて警察に突き出されるか、高い示談金を要求される場面を、性器モザイクとか無くす代わりに必須とする。リアルさを追求する。
痴漢ゲーム、アニメで、痴漢隠蔽に失敗すると、捕まって有罪になるようにする。イケメン男の痴漢は許容され、不細工男の痴漢が冤罪になる不合理さを表す作品を作る。女性が絶頂に達して声を出して失禁してうずくまることで痴漢がバレるようにする。上手に女性を絶頂に導く痴漢は許容され、下手くそ痴漢は訴えられる。
アダルトビデオ、エロアニメ、エロゲームで、究極のテクニックで、男女どちらも絶頂に達するノウハウ作品をたくさん作るべき。細かなノウハウ解説(ダメな操作と良い操作)を随所に仕込む。科学的根拠を入れる。ゲームやアニメを見たり聞いたりしながら、何気なく愛撫のこつが分かるようにする。学習ビデオみたいに味気ないものにはせず、見ててエッチで興奮する内容にする。セックス技能訓練のセックスシミュレータを作る。AVビデオ出演者から一般人に対して、理想のセックス技能訓練の国家資格を取らせる(セックス技術学習ゲームクリアで)。セックス技術を向上させ、セックスが下手で子供を十分作ろうとしない人を減らす。
(初出2017年6月)
世界の社会は、以下の2次元に分類される。
男性が弱い/女性が弱い
×
弱い性を立てる(凹まないように優遇する)/立てない(優遇しない)
で、
男性が弱い・弱い性を立てる → 日本、中国、韓国
男性が弱い・弱い性を立てない → ベトナム、フィリピン
女性が弱い・弱い性を立てる → 西欧、北米
女性が弱い・弱い性を立てない → アラブ、イラン、パキスタン
となる。
(初出2014年12月)
男性が差別される現象の根本的原因について、生物学的貴重性の違いと、セックス許可権限の有無の観点から述べています。
社会における女性優遇と男性差別の根源は、
・女性が生物学的に貴重であり、命の重さが重く、それゆえ、自己の保身が許されるのに対して、
・男性は、生物学的に非貴重であり、命の重さが軽く、それゆえ、自己の保身が許されない
という点にある。
具体的には、以下のようにまとめられる。
男性 |
女性 |
|
遺伝子の作り |
精子の担い手である(精子は粗製濫造である)。 |
卵子の担い手である(卵子は数が少なく、リッチな作りである)。 |
育児機構の体内所有 |
体内に育児機構を持っていない。子供を産めない。 |
体内に育児機構、子宮を持っている。子供が産める。 |
生物学的貴重性 |
生物学的に非貴重である。 |
生物学的に貴重である。 |
命の重さ |
命が軽い。 |
命が重い。 |
自己保身の許可 |
自己の保身が許されない。 |
自己の保身が許される。 |
安全の確保 |
危険な役回りを強いられる。 |
安全が確保できる。 |
温室 |
苛酷な役回りを強いられる。 |
温室の中でぬくぬくとしていられる。 |
消防、軍隊、宇宙活動のように、危険で苛酷な前線で活動することを強いられる。 |
||
責任 |
責任を取らされる。 |
責任を取らず、気楽である。 |
労働 |
働かないといけない。 |
働かなくて良い。専業主婦でいられる。 |
嫌な仕事、上司、同僚が待っている。 |
||
仕事による疲労が待っている。 |
||
稼ぎ |
自ら稼がないといけない。 |
自分からは稼がなくて良い。 |
扶養 |
家族を養わないといけない。 |
寄生できる。 |
経済力 |
経済力が必要である。 |
経済力がなくてよい。 |
家計管理 |
財布を奪われ、小遣いを貰う立場に甘んじる。 |
家計管理の権限、財布を握ることができる。 |
表面露出 |
表面、最前線に露出させられる。 |
奥さんでいられる。 |
代表をやらされる。 |
||
攻撃に直接さらされる。 |
直接攻撃されない。 |
|
助け |
自立、独立、自助を強いられる。 |
依存できる。助けてもらえる。甘えられる。 |
守り |
自衛を強いられる。 |
守ってもらえる。 |
一緒 |
一人、孤独を強いられる。 |
皆と一緒にいられる。 |
上記のような男性差別と釣り合う唯一の女性側のリスクが、妊娠・出産である。
出産の際に生命を失ったり、痛い思いをするリスクは、女性側に一方的に存在し、これが、男性の負う差別に釣り合うだけの重大性を持っている、とも考えられる。
女性がレイプを嫌がる根本原因が、嫌な男の子供を産みたくないというものである。女性はそれゆえ自分の膣穴を守ろうとする。
セックスをするか、子供を作るか、産むかどうかの決定権限、セックス許可権限が女性側にある。これが、男性差別のもう一つの根源である。
男性がセックスして貰う、自分の子供を産んでもらうには、まず相手の女性に気に入られないといけない。女性を絶えずちやほやしないといけないし、女性の言うことを聞かないといけない。あるいは、女性にお金を払わないといけない。女性が、セックス受け入れの可否を決める門番の権限を握っていることが、男性差別につながっている。
一方、女性は、閉経して子供を産めなくなると、生物学的貴重性の根拠を失い、只の人になってしまう。力の弱い男性と変わりなくなる。優遇する根拠が失われると考えられる。
上記の男性差別とは別に、行動にウェットさを要求される(稲作)農耕社会では、行動の基盤がウェットな女性が、社会的にドライな男性に優越し、それゆえ男性が社会的に弱い立場に置かれるという男性差別が存在する。それについては、日本男性解放論の書籍を参照されたい。
(初出2009年11月)
遺伝的要因
数が少なく、取替えの効かない卵子や子宮を持つ女性の方が、大事に扱われる。女性が、リスクや責任を負わなくて良いのに対して、粗製濫造の精子の担い手である男性はリスクや責任を負わなくてはならない。
筋肉が弛緩していて、筋力が弱い女性の方が、筋力の強い男性に比べて、身体的に楽な仕事を任される。男性は、筋力の必要な重労働をしなくてはならない。一方、筋力の強弱が、そのまま持てる力の差と認識される(男性が強く、女性が弱いと見なされる)面もある。
環境的要因
一箇所に定住して植物を栽培する湿潤環境の農耕社会は、女性に適合的であり、女性が強い。家の財布を握るのが女性になる。子育ての権限を握るのも女性になる。男性は、社会的弱者、差別される存在となる。
家畜を放牧して移動する乾燥環境の遊牧社会は、男性に適合的であり、男性が強い。家の財布を握るのが男性になる。子育ての権限を握るのも男性になる。女性は、社会的弱者、差別される存在となる。
(初出2015年2月)
人間の男性、女性の身体は、精子、卵子の出先機関、出張所として捉えることができる。
男性は、粗製濫造の精子と性質が似ており、リスク、責任の取得、未知領域の開拓といった危なくて、命を落としやすい業務に従事することになる。例え、男性がたくさん死んでも、一夫多妻で人間としての生命の世代間維持が可能である。
一方、女性は、数少ないリッチな出来の卵子と性質が似ており、リスク、責任の回避、既知領域への滞留が許される存在となる。子供を生める女性に死なれると、人間としての生命維持、人口維持が困難になる。
この差異が、男性に不利な状況をもたらしており、男性差別の元凶と言える。
女性は、男性に比べて、リスクを回避しがちである。
一方、男性は、よりリスクを取りたがる。
ということは、男性固有のY染色体の中に、リスクテイキングを促進する行動を発現するDNAコードが含まれているのではないだろうか?
女性のX染色体には、リスク不安に敏感な行動を発現するDNAコードが入っているとも言える。
(2015年2月)
女性は、自分のことを守ってくれる強い権力者に惹かれる、なびく。女性は強い権力者を肯定する。それが、女性主導の農耕民社会で強権で社会を支配する権力者、独裁者、独裁政党が生まれやすい原因となっている。
あるいは、女性は、生存競争でより強い自分の子孫を残せるように、肉体的、知的、経済的に強い異性の男性に惹かれ、その男性の子供を設けようとする。
女性は、男性に「壁ドン!」されるように強引に言い寄られると、胸がときめく、キュンとなる。強引に事を進める異性に惹かれる傾向があり、強権容認になりやすい。
(2017年5月)
男性は、女性を、自分の世界よりも内側に閉じ込めておきたがるものである。
男性は、女性が自分のところから出て行ってしまおうとするのを阻もうとする。要するに、女性の男性からの自立を阻もうとする。
この事実は、生物学的貴重性の性差の面から説明できる。
男性は、危険に直面する、自分の居場所の内側に女性を守る「ソトの性」である。男性は、粗末に扱われ、大切にされない点、女性よりも、社会的に不利な扱いを受けている。
女性は、外側を、男性に守られる形で、危険に直面しないで済む「ウチの性」である。女性は、大切に扱われる。
従来の学説では、例えば、「サムソン-デリラ コンプレックス」(E.Margolies,L.VGenevie,1986)による説明のように、男性は、女性よりも強くありたい、女性を支配したいから、女性の自立を阻むのだとされてきた。
しかし、実際のところは、男性が、女性の自立を阻むのは、男性が自ら守る対象がいなくなるのを恐れるから、というのが、本当のところではないだろうか。
要するに、男性は、女性に、自分の設定した枠の外に出られると、女性を自分の内側で守る、庇護するという自分の存在意義がなくなってしまうから、女性が自分の枠の外に出る形で自立するのを拒むのではないかと考えられる。
◇
男性が、女性を自らの設定枠内に閉じ込めようとすることで、女性は、男性に守られて安心して暮らせるという安心感と共に、それと矛盾する、男性に閉じ込められているという閉塞感を感じる。言い換えると、女性は、「籠の中の鳥」みたいな気分になって、男性の押しつける、安全だが、閉じた世界から解放されたい、といつか考え始めるようになる。
そうすることで、女性は、男性よりも、外の世界に出たくなる。
女性による、いわゆる「社会進出したい」「自立したい」という主張の本音は、女性が男性により閉じ込められた世界から解放されたいというところにあり、これこそが、実は、「(男性からの)女性解放」運動の真実というか、中心的な主張なのではないかと考えられる。
従来、「女性解放」運動は、「女権拡張(フェミニズム)」運動とほとんど等価と見なされてきたが、実は、両者は、別物であると考えられる。というのは、日本のように、母親が強い、社会が女性の色に染まった母権(女権)社会においても、「女はウチ、男はソト」の図式が未だに強固に成立しており、その点、「女性の男性からの解放」は進んでいない。
「男性が女性より強くありたいから、女性を恐れて閉じ込めたがるのだ」という従来の(「サムソン-デリラコンプレックス」のような)主張は、女性より男性が強い欧米社会固有の、家父長制社会にのみ当てはまるものである。あるいは、欧米におけるフェミニズムでは、女権拡張(弱い女性の権利拡張)と、女性解放(女性の男性からの解放)が一緒くたになって主張されていると言える。
日本においては、女権拡張運動は、「女性は弱くない」ので、成立しないが、「男性によって「ウチ」に閉じ込められるのはイヤ」という、(男性からの)女性解放運動は、十分成立する。
「(男性からの)女性解放」運動は、男性が、生物学的により貴重な女性を守るという、「男=ソト、女=ウチ」という図式が全世界的に成立する以上、世界中に普遍的に起こりうるものである。
◇
「女は家庭(ウチ)、男は仕事(ソト)」という、性別役割分業を肯定し、それにこだわる男性は、女性に対して快適な環境を、自分一人で一通り提供して、女性を感心させたいという自負が強く、それが十分可能であると考え、自分の能力に自信があり、それを自慢したいと考えている。また、女性を自分の枠の中にずっと置いておき、外に出したくない思いが人一倍強いと言える。
こうした男性は、女性によい暮らしをしてもらいたいと思う点、とても女性想いなのであるが、一方では、女性の生活の自由(外に出ようとする自由)を縛って、自分の手の届く範囲に行動を制限しようとする点、女性にとっては、閉塞感を強める原因となる。
◇
男性が、給与稼ぎにこだわるのは、女性に快適・安全な生活空間を提供するに足る、十分な経済力や給与を稼ぎだす能力を持っていることを、女性に認めてもらい、自分が「頼りがいのある男」であることを確認したいからである。
女性に収入の道を与え、経済的に自立させると、女性は、男性の設定枠の外に出て行ってしまう。これが、男性が、女性の経済的自立を望まない本当の理由の一つである。
男性は、女性に贈り物をして、経済力があることを見せて、女性の関心を引こうとする。一方、女性は、そうした男性の品定め、評価をして、一緒に暮らすだけの価値がある男性かどうかを決定する。その点、「男性=貢ぐ性、女性=もらう性」であり、女性の方が、上位にあると考えられる。
そのように、女性が男性の経済力を当てにすることは、実は、男性にとっては、女性が自分の内側に止まってくれることを意味して、都合がよいのである。
◇
女性が男性に閉じ込められるということは、女性がウェットで、男性がドライであることとも関係する。
なぜ、女性がウェットで、男性がドライかということについての、生物学的貴重性との関連による説明は、以下の通りである。
ドライな男性は、「守る性」であり、自らの分布領域の内側に、自ら体を張って、安全で快適な領域を形成し、そこに女性を閉じ込める形で住まわせる。自らは、危険領域との境界に広く分散して、危険な外敵の侵入を阻止すると共に、絶えず、安全・快適領域を広げようとして、どんな危険が待ち構えているかも知れない領域への探検を繰り返す。
男性がドライなのは、広域に拡散して分布して、内側の女性が住む領域へ外敵が侵入するのを防ぐとともに、自分たちの適応領域を絶えず広げようとして、未知領域へ進出を図ろうとするからである。
一方、ウェットな女性は、「(男性によって)守られる性」であり、一定範囲の狭い閉じた安全・快適領域に寄り集まって、互いに一体化・密着して過ごす。女性が心理的に、互いの同調、一体感を、男性よりも偏重する、ウェットな心理を持つ原因は、この辺にあると考えられる。
この点、ドライな男性が、外側に、ウェットな女性が、内側に分布する。
あるいは、男性は、外側に分布する必要があるからこそドライであり、一方、女性は、男性よりも内側に分布する必要があるからこそウェットであるとも言える。
◇
男性が、女性を、自分より内側の狭い領域に閉じ込め、束縛して、外出する自由を与えないのは、男性が、女性を守っているという実感が欲しいからである。男性は、女性を護衛する(エスコートする)役をきちんと果たしていると思いたがっている。その点、男性には、「(女性を)護衛(する)本能」が備わっていると言え、それは、女性に備わっている「自己保身本能」と対になって成立する。
男性が、女性を、自分の内側に閉じ込めるのは、女性に安全で、快適な環境を提供しようとする意図に基づくものである。女性に安全、快適な環境を提供しないと、女性にそっぽを向かれたり、振られたり、逃げられてしまうのである。その点、女性を単に強制的に閉じ込めているというよりは、「この中にどうか入っていて下さい」という懇願とも取ることができる。
しかし、それは、女性にとって、強い閉塞感を感じさせるもととなり、「(男性からの)女性解放」を女性が求めるきっかけを作る。
生物学的貴重性という点では、本来、より貴重な女性の方が、より上位で、その点、男性よりも支配的な立場に立っているのである。しかし、男性に閉じ込められている点、女性は、囚われの身であり、言わば、宝石箱に閉じ込められたダイヤモンドのような「囚われの貴人」なのである。
女性の「社会進出」は、女性が、男性の元を抜け出して、自由に行動できるようにすることで、その点、男性から「自立」する、男性の設定枠を超えることを意味している。これは、自らの内側に女性を囲っておくことで、自分の護衛欲求を満足させようとしている男性にとっては脅威である。
また、女性が閉じ込められている空間は、(男性が分布するところの、危険が一杯な空間に比べて)より安全、快適であり、その安全性、快適性は、男性の犠牲の上に初めて成立しているのである。そういう意味で、「自由」と「安全」は本来、両立しないのである。
つまり、自由さを求めるには、自分自身による、危険領域への露出、危険な外敵との直接対峙を覚悟しなければならず、一方、安全なままでいるためには、(男性に)閉じ込められた状態を容認したままでいる他ない。安全性、快適性が欲しければ、ある程度、男性の決めた制約を受け入れなければならないことになる。
◇
男性は、女性に対して、経済的余裕やバックアップを貢ぐ、もたらす性であり、「貢ぐ、養う性」である。
一方、女性は、男性に「貢がれる、養われる性」であり、自分では稼がずに、経済力のある男性を選ぼうとする。
経済的な豊かさこそが、男性にとって、安全、快適空間を提供維持するためのバックボーンとなり、安全、快適空間を提供する能力レベルを測定する指標となる。
そこから、女性に経済的な豊かさを与えることが、男性自身のステータスだという考えが生じる。
◇
女性の男性に対する存在意義というのは、基本的に、女性が自分の内側にただいてくれるだけでOKというものであり、存在そのものに価値がある。男性にとっては、女性が自分の内側にいないと、そこがもぬけの殻になってしまい、寂しいだけでなく、本来守るべき対象が欠如している点、自らの存在意義が危うくなる。
あるいは、女性は、男性にとって、心の安らぎ、オアシスである。外敵に対応しなくてはいけない男性の気疲れ、緊張を癒してくれる存在である。女性は、看護のように、傷ついた男性を治療し、心理的に支えとなる。あるいは、炊事、栄養士のように、あるいは、職場で「お茶を出す」行動に代表されるように、男性の水分、栄養分の補給を行う。こういった女性の役回りは、前線の外敵に立ち向かう戦闘機役の男性を後方で支援し、バックアップし、補給を行う、空母の役回りである。
一方、男性の女性に対する存在意義というのは、前線に戦闘機として、外敵に立ち向かうことで、女性を守り、女性に安全で、快適な生活条件を提供するというものである。快適、安全に暮らすには、経済的な豊かさが欠かせない。女性は、男性によるこうした快適、安全空間の提供を当然のものと思い込んで、男性に寄り掛かってきた。これが、女性がいつまでも自立できない真の原因である。
「囲う男」の正体は、「守らされる男」とも言える。要するに、男性は、女性に快適で安全な生活を提供できる能力がないと、「ダメな男」と言われて、すぐ振られてしまったり、相手にしてもらえない。
男性が、必死になって女性を守っても、あるいは、女性に快適、安全な暮らしを提供しても、当然視されるだけである。自ら進んで、問題に立ち向かい、困難な事態を切り開かなければならなかったり、危ない目に会ったり、命の危険にさらされるのは、いつも男性側であり、そういう点では、男性に損な役回りが回ってくると言える。しかも、こうしたことに対処できないと、女性から「いくじなし」とか言われて非難されてしまうのである。
女性にとっては、男性は上記のことは「できて当然」と思われる。その点、男性は、女性の提示するハードルを唯々諾々として乗り越えなければならない下僕のような側面を持つ。あるいは、男性は、女性に自らの女性を大切にするという姿勢を伝えるために贈り物をしなければならないが、これも、日本の若い男性によく見られる、女性に一方的に貢がされる「貢ぐ君」、女性の手足としてこき使われる「アッシー君」になってしまうことにつながる。
◇
男性は、女性を自分の所有物のように、しばしば扱う。「オレの女に手を出すな」とかいう表現がそれである。女性とモノとは、男性にとって、自分の設定した枠内に入れて守る対象という点で共通している。
◇
日本では、結婚や出産を機に、女性が会社を辞めて家庭に入るのが望ましいとされてきた。
家庭的というのは、男性の枠内で、すなわち、男性が提供する、経済的なバックアップを含めた、快適、安全な生活の枠内で、生活するのに満足するタイプということになる。
女性がお茶汲みで昇進しないまま退職するというのも、ある面、男性による護衛、設定の枠内で生活するのに満足して、その枠をはみ出ないようにしますよ、という意思表示と言える。
男性は、女性に、自分の領域の内側にいてもらいたがる。それは、女性を守っているという実感が欲しいからでもあるし、あるいは、前線に赴く戦闘機としての自分を後ろから支えてくれる空母、母艦の役回りをしてもらって、心理的に依存したいからでもある。
女性側が、経済的自立を得にくいのも、何も言わなくても女性に安全、快適空間を提供してくれる男性についつい頼ってしまう、当てにしてしまうからだと言える。
女性は、快適、安全な生活を男性に提供されて、それに満足し、男性に乗っかった形で生活をする。従来、専業主婦と言われてきた生活がこれに当てはまる。女性は、男性から経済的な支えを得られるので、自分からは稼ぐ必要がないし、稼ごうと思いにくい。これが、女性による職場進出が遅れる真の理由である。
こうした、女性による、自分からは男性の設定枠の外に出ようとしない生活は、一見、男性に支配されているように見える。これが、女性は男性の枠の外に出て自由に活動すべきだとする女性解放運動の論拠となっていると考えられる。
◇
男性が、自分より優れた学歴や能力を持つ女性と結婚しようとせず、劣った女性と一緒になろうと、劣った女性のみを受け入れようとするのは、なぜであろうか?その理由は、自分より学歴や能力が優れた女性は、その活動領域が、男性自身による設定枠内に収まり切らない。すると男性は、その女性を、自分では守りきれないとして拒絶したくなる。あるいは、女性が、自分の守る能力を超えた存在として、自分の護衛能力に対する自信を傷つける存在として、一緒になるのを恐れる。(注)
(注)あるいは、日本のような母性支配社会においては、次世代の母子連合体を担う女性が、自分たちよりも優れていると、彼女とその子は、前世代の母子連合体(男性とその母親)による支配を脅かす存在となり、反抗されると太刀打ちできなくなる。そのため、自分より優位の立場から結婚相手の女性が来るのをいやがる傾向がある。
◇
これまでの職場での女性の役割というのは、「職場内家庭的」「職場内のウチ」とでも言うか、「後方支援的」とでも言うか、秘書、お茶汲み、看護といった、仕事の前線に飛び出して行って、傷ついて戻ってくる男性たちをケアする役回りがメインであった。この点、職場においても、女性たちは、外部に赴く男性たちの内側、枠内で生活している「閉じ込められた存在」と言える。
◇
女性による男性の設定枠を超えた活躍というのは、ある意味、生物学的に守られるべき女性が、男性による護衛の前線を超えて、危険領域に直接露出してしまうことを意味する。そういう点で、女性の男性の領域を超えた活躍、社会進出というのは、保護されるべき女性が危険な外敵に直接身を晒して死んでしまい、数を大きく減らす可能性を増大させるため、種の保存に直接深刻な影響を与える可能性を持っている。
その点、女性が「社会進出」して、能力を発揮したいという欲求と、男性の女性を守りたい、自分の枠内に女性を抑えたいという欲求という、相反する欲求を同時に満足させる解を見いだすことが必要である。
◇
女性の指向しがちな環境というのは、安全、安心で、甘い、温かく穏やかで、快適で気持ちいい、といった生存に有利なものであり、これらは、男性の犠牲、労苦の上に成り立っていることが多い。
一方、男性の指向しがちな環境というのは、寒かったり、冷たかったり、ストレスのたまる、ハードで不快な、疲れる、辛い、外敵が襲ってくるといった生存に不利な環境であり、これらは、自ら本能的に進んで向かっているという以外に、快適な環境下にい続けたい女性たちから無理やり押しつけられている面がある。護衛や防衛といった、守りの役目、挑戦、戦闘、撃破といった攻めの役目が、男性の指向しがちな役目であり、そこでは、アドレナリン全開状態が出現する。
◇
女性たちは、男性によって提供される心地よい生活が、男性の多大な労苦の上に成り立っていることを忘れ、「閉じ込められている」という閉塞感、被害者意識、満たされぬ感覚を、一方的にむやみに膨らませている。
要するに、女性たちは、男性による安全、快適な「温室生活」の提供を当然のものと思い込み、それに甘え寄り掛かっているのである。そして、「温室生活」や貢ぎ物、贈り物としての給与や、経済力の裏付けとなる貴金属の提供がないと、怒り出し、男性を見捨ててしまう。それでいて、一方では、その「温室生活」が持つ、閉ざされた側面に敏感に反応し、男性に対する不平不満を募らせるのである。
女性たちによる、こうした快適生活享受と、それに満足しない一方的な被害者意識の拡大は、女性のために、せっかく快適な生活空間を作り出そうと汗水たらして努力している男性の立場や気持ちを考えない、尊大で、傲慢不遜な行動と、男性側には映る。これが、「女性解放運動」に男性が批判的になる理由である。
ほとんどの男性は、捨て駒として、数少ない上位者に頭をぺこぺこ下げて自尊心を傷つけられつつ、その中で必死に働き、稼いでいるみじめな存在である。一見支配者に見え、うわべはいい思いをしているかのように見える上位者の男性も、実際は、周囲は仮想敵ばかりで、心休まる暇がない孤独な存在であることが多い。こうした男性の労苦に思いを致す女性が少ないのではあるまいか。
◇
「閉じ込められた」女性の社会進出を促す解決策としては、どうすればよいか?すなわち、女性が、自力で稼いで働くことで、専業主婦以外の自己実現を果たしながら、自力で快適に暮らすにはどうしたらよいいか?
一つは、生態学的な分布領域における男性のパイを食うという戦略が考えられる。今まで、自分たちの外側といっても、比較的内周寄りで相対的に安全なところにいた男性を追い出して、代わりにその領域に進出するというものである。つまり、相対的に快適で、労力のあまり要らない、例えば、腕力不要の建機操縦などの業務に、男性の代わりに入り込むということである。
そうすることで、女性たちは、自ら活動可能な分布領域を広げることができ、より広範囲な活躍をすること=「社会進出」が可能となる。なおかつ、自分たちの外側、外周部は、男性に守らせることで、自分は安全を今までどおり享受できる。その分、男性は、より苛酷な前線活動に追いやられることになる。
◇
男性が女性を囲い閉じ込めるというのは、社会全体としてそうなっているということもあるし、個々の男女のペアでもそうなっているということでもある。
個々の夫婦でも、夫は、妻のいる領域の外側、表側にいて、妻を外側から囲うことで、家の中=巣の中=奥に閉じ込めることになる。
◇
男の領域(外側の危険領域)に女が入り、女の領域(内側の快適領域)に男が入ることで、男女が相互の領域を完全対等に分け合うのが、いわゆるジェンダーフリーである。しかし、これは、男が守り、女が守られるという、精子・卵子システムに基づく遺伝的性差、生得的傾向に反逆している。
そこで、この場合、女性(男性)がどの程度訓練によって、身体的に、あるいは心理的に、男性(女性)の性質を持つことができるか、実験によって確認する必要がある。不可能であることが分かった場合には、遺伝子操作による、遺伝的性差の解消を狙った人体改造が必要となる。
遺伝的性差をなくすには、卵子、精子を体外保存、複製するなり、クローン胚を作るとともに、体外子宮、体外授乳生体器官、ないし人工装置を開発することで、女性の生物学的貴重性をなくし、男性が女性を守る必要をなくすしかない。
そういう点で、完全なジェンダーフリーは、遺伝的、生物学的性差をなくさないと実現しない。
そもそも、女性のヌードやボディラインを見るだけで、男性が性的に興奮したり、男性の筋肉に女性が興奮したりするのは、心理的性差の根源が、遺伝的に決まっている証拠のように見える。こうした心理的性差が、後天的な学習によって覆せるものかどうか、一度きちんと実験して白黒をはっきりさせるべきである。覆せないと、性を超越した人間を作ろうとするジェンダーフリー社会の実現は難しい。
あるいは、女性を見ても興奮しない男性を作るなどして、人間の心から性的な要素を完全に追い出す必要がある。そうしないと、性差に拘束されないジェンダーフリー社会の実現は難しいだろう。
◇
要するに、女性にとっての社会進出を試みる時にぶち当たる壁は、男性によって囲われることによってできる壁であり、それは、根源的には、卵子(女性)・精子(男性)の役割の違い(生物学的貴重性の違い)に基づく壁なのである。
この壁を根本的に壊すには、あるいはなくすには、従来の卵子・精子システムに代わる生殖システムを作成する必要がある。これは、結構大変なことである。そこで、壁や囲いそのものをなくすよりも、囲いを広げることを目指す方がより簡単で効果が大きいのではないかと考えられる。
すなわち、男性の女性を囲う想定枠のサイズを広げることで、女性の活躍可能な領域を広げることができ、女性の男性からの解放を実現できる。
要するに、男性に対して、メンタルなトレーニングや治療を施し、男性が、女性による、従来の男性自身の想定を超えた活躍を許容できるように、人格改造を行うのである。例えば、女性が自分を超える給与をもらうようになった事態を想定して、それを徐々に受け入れていく訓練を行うのである。そうすることで、女性が、ある程度、男性を超えた活動をしても男性から拒絶される度合いが減ると考えられる。
あるいは、女性が、男性に守られた、快適空間を提供された、専業主婦並みのヌクヌクとしたコアを、男性の枠内に残しつつ、男性の作った枠の一部を破って外部進出することが考えられる。
しかし、それでも、完全に囲いをなくするのは、そのままでは無理である。男性による女性の囲いをなくすには、男が女を守るという状況を生み出す、卵子・精子図式を崩す必要がある。それには、卵子・精子によらない生殖を行うように人体を改造するといった、生殖革命が必要となる。
◇
「甘え」とは、相手への一体感を伴った寄り掛かりであり、相手に許される、受容されることを見越して、一方的に負担をかけることである。例えば、女性が、より環境条件の良いところに、男性を外に追い出してでも、い続けようとすることがこれに当てはまる。
◇
男性が女性を囲い、外出させないもう一つの理由は、自分が手に入れた好きな女性を、他の男性に取られたくないとして、女性が浮気しないようにするというのがある。要するに、女性が外に出ないようにして、他の男性に接触する機会をなるべく減らしたいというものである。
これは、男性が、他の男性経験がない処女を好むのと理由が同じである。要するに、「自分専用の女性になってくれる」からである。
男性は、自分の好きな女性に、他の男性の子供を生んでほしくないのである。他の男性の子供を育てるはめになる危険を減らしたいのである。
この場合、男性による女性への囲いは、全ての人が誰の子供かを一発で判定できるようになることで軽減されると考えられる。
遺伝子診断により、子供が胎児の段階で、誰の子供かすぐ分かるようにして、相手男性に子供の養育費を負担させることを義務づけることが必要である。
今までは、女性が産む子供が誰の子供か、妊娠した時に分からなかったが、これが、男性が女性を囲う一つの原因となっている。男性としては、自分の血を引かない子供を育てる脅威を避けたいと考え、それが、女性を他の男性とくっつかないように囲う、独占するきっかけとなっている。
今後、こうした男性による囲いをなくそうと思うならば、イスラエルのキブツではないが、全ての親が、子供を産んだら、子供を専用の養育施設にすぐに預けることで、子供の存在をある程度親から切り離すことにより、子供は夫婦で育てるものという固定観念をなくす必要がある。
要するに、子供を作る上での、男女の組み合わせが、その時々でランダムに入れ替わることを許容し、夫婦の長期間の排他的結合をなくすことが、男性による女性の囲いをなくすことにつながる。
すなわち、A子さんにとって、一番目の子供はP夫さんとの間に生まれ、二番目の子供はQ夫さんとの間に生まれ、三番目の子供は、S夫さんとの間に生まれる、といったようにするのである。
あるいは、L夫さんにとって、一番目の子供はV子さんとの間に生まれ、二番目の子供はW子さんとの間に生まれ、三番目の子供は、X子さんとの間に生まれる、といったようにするのである。
その際は、全ての子供は、各々が世界に母親と父親の組み合わせが1人しかいない独自の存在として扱われ、保育士や看護師たち育児の専門家によって、その子の潜在的な才能を遺伝子解析した上で、その子に合った最適の教育を施すことにすればよい。親と子供は自由に面会できるが、同居はせず、基本的に別々の場所で過ごす。
◇
従来は、男性が強く、女性が弱いと見なされてきた。なので、弱い女性の自立は難しいとされてきたのである。
つまり、護衛する役の者は、守られる役の者よりも、力が強くないといけない、という考えである。
これがもし本当に正しいなら、世界の政権は、軍事政権ばかりのはずである。また、首相のようなトップは、みな筋骨隆々のマッチョばかりのはずである。
しかし、実際にはそうなっていない。日本を含む世界の主要な国家は、現在、文民統治であるし、あるいは、例えば、日本の小泉首相がマッチョであるという話は聞かない。
なので、筋力の弱さとかは、女性の自立を阻む条件には必ずしもなっていないと言える。それを持ち出すのは、女性に自立して欲しくない男性か、従来通り、男性の与える枠内でヌクヌクと快適な生活をしたい女性である。
◇
日本においては、女性は、自分から、自立や社会進出が進まない現状を変革するために、積極的に動こうとしないのが現状である。要するに、退嬰的というか、自らは手を下さずに、動かずに、他の人(男性)に動いてもらおうとするのである。要するに、不満をためて、文句を言って、結婚時期の延期や子供を産まないといった形でネガティブな抵抗をするだけで、改善策とかは自分からはあまり出さず、自分は手を汚さないのである。
例えば、育児退職後の正社員再雇用が進まない、保育園の子供収容人数が増えないと言って、女性同士が連帯して、家事ストライキをしたり、夫への小遣いを0円にしたりといった実力行使をした事例を聞いたことがない。自分からは動かず、男性による対応待ちをしている姿勢がありありと感じられる。
これの男性待ちの受動的な姿勢を何とか解消しない限り、日本において、女性の社会進出も、自立も当分果たされないのではないだろうか。
参考文献
E.Margolies,L.VGenevie, The Samson And Delilah Complex,Dodd,Mead &
Company, Inc.,1986(近藤裕訳 サムソン=デリラ・コンプレックス -夫婦関係の心理学-,社会思想社,1987)
(初出2004年08月)
男性が結婚する時、自分の守備範囲内に収まってくれる、自分よりもスペックの低い相手を選ぼうとするのと同様に、女性は、結婚する時、自分よりも優れた学歴、能力、経済力を持つ男性と結婚したがる傾向がある。これは、女性の能力、活動範囲が、相手の男性によってより外側から守られることを必須とする女性側からの要望である。女性の能力、活動範囲の外側に出て、囲い込むには、相手の男性の能力、経済力、活動範囲が、その女性よりもよりワイドで、上に来ないといけない。
この場合、女性が能力的に高いと、その女性は、自分より能力が上な男性を結婚相手として求めることになるが、そうした男性は、より少数になってしまう傾向にある。そのため、女性の能力開発とそれに伴う社会進出が進むと、普通の男性は、高能力になった女性が指向する結婚のターゲットの目標水準を満たさなくなってしまい、女性にとって不満足な物足りない存在となってしまい、結婚対象から外れてしまい、結婚できなくなってしまう。これが、日本の少子化の原因となっている。女性は、自分より高いスペックの男性をなかなか見つけられないし、多数の男性は、女性の結婚ターゲットのスペックを満たさないため、結婚出来ない。
日本における、女性の男女平等の考えに基づく社会進出、能力開発が、女性のスペックを向上させたのは確かだが、結果的に、女性が自分よりハイスペックな、自分よりも守備範囲の広い、自分より外側にいて自分を絶えず守ってくれる、囲ってくれる結婚相手としてふさわしいと考える男性の数を激減させてしまい、結果として、女性が結婚できなくなるという結果を招いている。これは、また、女性と同じ位かそれ以下のスペックの大多数の男性が、女性の被保護欲求、囲われ欲求を満たさないため、女性に相手にしてもらえず、結婚できなくなる結果を招いている。若い男性の経済力が低いままなこともあり、これらが日本社会の少子化につながっている。
これを解決するには、超高スペックな少数の男性が、多数の女性を侍らせる一夫多妻制を取るとか、さもなくば女性が相手の男性の能力に妥協するとかしないと、うまく回らないのではないだろうか。
(初出2015年3月)
男女の性差はやはり必要である。男女の性差の積極的な肯定が必要である。
人間は、夫婦で、互いが補完し合って、初めて完全体になる。どちらか一方だけでは不完全であり、男女(夫婦、父母)の一方が他方に一方的に合わせるのも不完全である。
世界社会レベルでは、ドライで男性的、父性的な遊牧、牧畜民と、ウェットで女性的、母性的な農耕民とは、世界で互いに補完、分業し合う関係にある。いわば、国際的な役割分担である。
男女、父母の役割分担としては、
・基本的に、男性が、非貴重品で、女性が、貴重品。
・男性が、マクロ、大局を見る力を持ち、女性がミクロ、微細を見る力を持つ。
・男性が、ハードで硬いドリルを持って、外敵を破り勝つ力を持ち、女性がソフトで柔らかいクッションとして、ケア、サポートを行う力を持つ。
・男性が、未知の新天地、闇を開拓する力を持ち、女性が、既存の領域で人と人との結びつきを作る力を持つ。・男性が、表に露出して、リスク、危険に対処する力を持ち、女性が、奥にいて、(幼い子供と一緒に)安全に身を守る、保身して生き延びる力を持つ。
・男性が、冷静に状況を判断しながら、あちこち飛行機、戦闘機のように飛び回る力を持ち、女性は、母艦として、その供給基地の役割を果たす力を持つ。
男女の性差の積極的な肯定は、フェミニズムとかでも必要である。従来の、男女共同参画社会論とかは、男らしさ、女らしさを否定してきたが、それは間違いである。
性差は、(男女それぞれの)生得的な特技として捉えられる。生得的傾向、衝動は、後天的には消すことが出来ない。無理矢理消さない方が良い。むしろ生得的にビルトインされた男らしさ、女らしさの能力を、それぞれ可能な範囲で自由に伸ばし、人間社会の外部環境適応力向上に資するべきである。
男女の性差の積極的な肯定が、日本社会の変革につながる。
すなわち、日本男性にとって、真の男らしさ(ドライで自由独立の気風とか)の新たな獲得が必要であり、それによって、従来の女性に都合の良い女目線での男らしさに偏った状態を変革することが出来、そのことがそのまま女性の強い既存日本社会の改革につながると言える。
ちなみに、従来の女性に都合の良い女目線での男らしさとは、
・女に代わって責任を取る
・女を守る盾になる
・稼いで、女を養う、女に楽をさせる
辺りである。そうした限界から男性が解放されて、新たに、ドライな自由な気風、家計管理の権限、子供の教育権限の獲得といった真の男らしさ、家父長らしさが身に付くように、日本社会を改変することが必要である。
一方、日本女性が女らしさを伸ばすことも、女性にとって多大なメリットがある。すなわち、現状の女性が社会的に権力を握った母権社会の状態を維持、拡張することにつながるからである。
(初出2012年04月)
女性が、男性に比べて保護されやすいもう一つの理由に、望まない妊娠からの保護、膣口の保護があると言える。
年頃の女性を外部に放っておくと、見知らぬ敵、望まぬ第三者の男性から、強姦されて、望まない妊娠をしてしまい、その取消をするのがとても大変(あるいは、取り消し不可で、結局、望まない遺伝子を持つ子供が生まれてしまったりする等)というのがある。
そうした、望まない妊娠を避けるため、女性の膣口は、外敵に犯されないように保護する必要があり、それゆえ、女性は保護されるべきという考え方になる。
(初出2014年11月)責任を取る責任者の性が男性であり、責任を取らない無責任の性が女性である。女性は、自己の保身のため、責任を取らない。責任者になるのを嫌がる。男性に責任を押しつける。
一方、稼ぐ性が男性であり、使う、消費する性が女性である。女性は、自分は働かず、養ってもらいたがる。自分は楽をするのが当然と考える。
こうした傾向が、会社とかの職場で、管理職とかが、男性が主に占める理由となっている。管理職は、責任を取らねばならないし、部下よりたくさん働いて稼がないといけない。こうした性質は、本質的に、女性が避けるものである。女性は、管理職に能力不足とか差別でなれないのではなくて、自らなるのを避けているのである。
管理職を男性が占めるのは、女性が望んだ結果であり、男女の比率とか変えようとしてもあまり意味が無いと思われる。
(初出2012年6月)
なぜ女性がわがままか、その理由は、女性が、自分がより優先して保護、保全されるべきと考えているからである。男は女のために犠牲(盾、踏み台)になって当然とする考え方が根底にある。女性の、男性に対して上から目線で、偉そうで「女様」的態度の源泉が、この「女性優先保護」思想である。これが、社会における男性差別の原点となっている。
女性は、自分本位、自分中心であり、他人(特に男性)は自分の道具であると考えがちである。自分のことが一番大事、大切、最優先なのが、女性の本質である。
女性は、自分が何かと中心でないとダメ、自分が何かと気遣いされないとダメとする面がある。そして、自分からは受身で、動こうとせず、(男性に)「~してもらう」「~される」のでないとダメと考え、そうしない相手(男性)に対して安易にダメ出しをする。そして、自分が何かした場合は、何かにつけて「~してあげたのに」「~してあげたんだから」と恩着せがましい態度を、相手に対して取るのである。
女性は、他人に合わせようとしたり、他人のことを気遣ったりするとか、見かけは他人本位だが、実は、周囲の他人に自分のことを守ってもらうため、自分の保身のために、周囲の他人に気に入られようとするのが、その本心なのである。相互護送船団を指向する。
女性の力が強い日本社会も、こうした自分のことが一番大事な「自己優先保護」の思考パターンにはまっており、同様に女性の力が強い中国の中華思想のように、世界に対して知らずしらずのうちに偉そうな態度を垂れ流していると言える。
(初出2011年8月)
男性が女性を所有しようとすることが頻繁に発生し、そのことが女性の人権を軽視することにつながり、女性解放の視点から問題だと、フェミニストは主張する。それに対する反論をしてみたい。
男性は、身体の重心が軽く、あちこち動きまわる、「軽い性」である。遊牧生活向きである。
女性は、身体(腰)の重心が重く、一箇所に腰を落ち着けて動かない「重い性」である。農耕生活向きである。
男性は、相対的に女性の腰が重く、なかなか自分から動かないので、男が動いて、餌や稼ぎを外から運ばないといけない。「あなた稼ぐ人、私使う人」の関係が生じている。
女性は、貴重な卵子を担うところの重要な生殖資源、資産である。金地金みたいにずっしり重い大切な高価な存在である。一方、男性は、粗製乱造の精子を担う者であり、重要な生殖資源、資産にはなれない。女性に比べて、安価な、軽い存在である。
男性にとって、女性は、貴重な資産であり、うかうかしていると他の男性に取られてしまう。そこで横取りされないように必死になって守ることが、そのまま女性という資産の所有行為となるのだ。女性は単にでんと座って構えているだけ。なにもしなくても、世界は女性の自分を中心に回ってくれるのだ。
これは、どう見ても男性優位ではなく、女性優位の帰結である。女性の人権軽視につながるとは思えない。日本以外の世界に普遍的な現象のようにも思われる。
また、男性は、自分より貴重な生殖資源である女性を、より外側から守る。そのことで、男性は女性より先に外界の物事を知っている必然性が生じる。男性が女性に対して、やたらと教師になりたがる原因がここにあると言える。
(初出2011年10月)
[要旨] 筆者の観察では、男性と女性とでは、好む対象、指向するものがかなり違うようです。具体的には、女性=「血の通った人間(ヒト)」、男性=「非人間的な物体、物質(マテリアル)、メカ」をそれぞれ好むと考えられます。こうした指向の違いについて、表形式に整理してまとめました。
筆者は、書店の店頭で男性と女性が眺める書籍の種類の違いや、おもちゃの男性向け、女性向けの性別、デパートなどでの店頭で男性が立ち寄る商品と女性が立ち寄る商品の違い、男性が進学したがる学科、女性が進学したがる学科の違いについて、長期にわたり観察を行ってきた。
その結果、筆者が観察するに、男性と女性とでは、好む対象、指向するものがかなり違うようである。
大きく分けて、男性は、鉄道のようなメカや岩石、宇宙の星の物理・化学的構成といった、血の通わない非人間的な物体に対して興味を持ち、女性は、人形、赤ん坊、ペットといった、より人間味のある対象に対して興味を持つようである。
この点、男性の好みは「対物(メカ・マテリアル)」指向、女性の好みは「対人(ヒト)」指向としてまとめることができるように思われる。
以下に、「対物(メカ・マテリアル)」指向(男性的)、「対人(ヒト)」指向(女性的)がそれぞれ具体的にどのようなものであるかを分析した表を示すので、参照されたい。
大分類 |
対物(メカ・マテリアル)object、material指向 |
対人(ヒト)human指向 |
小分類↓ |
||
●1 |
メカ(mechanism)指向 |
非メカ(anti-mechanism)指向 |
○11 |
ハード(hard)指向 |
ソフト(soft)指向 |
○12 |
冷たさ(cool)指向 |
温かさ(warm)指向 |
○13 |
非生物・非生命(non-bio)、物体(lifeless)指向 |
生物・生命(bio)、生体(life)指向 |
→131 |
無機(inorganic)指向 |
有機(organic)指向 |
○14 |
異種(difference)指向 |
同種(same)指向 |
○15 |
物体化(materialize)指向 |
擬人化(humanize)指向 |
●2 |
切断(cutting)指向 |
関係(relation)・縁故(connection)指向 |
○21 |
客観(objective)指向 |
主情(emotional)指向 |
→211 |
科学(science)指向 |
非科学(anti-science)指向 |
→212 |
合理(rational)指向 |
非合理(irrational)指向 |
○22 |
デジタル(digital)・論理(logical)指向 |
アナログ(analogue)・非論理(illogical)指向 |
→221 |
コンピュータ(computer)指向 |
反コンピュータ(anti-commputer)指向 |
○23 |
(人間関係の)手段(means)・道具(tool)指向 |
(人間関係の)自己目的化(self-purpose)指向 |
→231 |
非コミュニケーション(anti-communication)指向 |
コミュニケーション(communcation)指向 |
(複合) |
||
●1&2 |
ドライ(dry)指向 |
ウェット(wet)指向 |
教育 |
理工(science、engineering)指向 |
人文(human)指向 |
性差 |
男性的 |
女性的 |
父性的 |
母性的 |
「対人(ヒト)」指向により、女性は、人間や人間により近い存在に興味を持ち、周囲の他者と互いに近づき合うことで、相互扶助の関係に入りやすくなり、その結果、より生き延びやすくなったと考えられる(これは、女性が、生物学的により貴重な存在であり、よりよく生き延びてもらう必要があるニーズに適合している)。
一方、「対物(メカ・マテリアル)」指向により、男性は、人間からかけ離れた、非人間的な存在(物体、物質、機械)に興味を持ち、互いに周囲の他者から距離を置いた遠いところに拡散しようとする。男性は、人間一般からかけ離れた存在(物体、物質)がどのような性質を持っているか、どのようにすればメカニックな道具としてうまく使えるかを客観的に調べ上げることで、自然環境に対する人間の適応可能領域を、我が身の生命を犠牲にしつつ、徐々に広げていく成果を得た。その点、男性の「メカ・マテリアル」指向は、人類の生態学的な分布領域を広げる方向に役立ってきたと言える。
「対人(ヒト)」指向の女性は、自分のしていることが他の「ヒト」にどう映るかを常に気にして行動する。すなわち、自分の行動が、対人的にどのような効果をもたらすかをを常に注意深く計算し、最も他の「ヒト」に気に入られる、受け入れられる、他の「ヒト」の関心を引く行動を取ろうとする。女性が身だしなみや化粧に常にうるさく関心を持つのも、そうした「対人配慮」が根底にあると考えられる。
一方、「対物(メカ・マテリアル)」指向の男性は、機械やコンピュータのメカニズムを分析する作業とか、物理・化学的な世界を探求する、いわゆる「モノ」の世界に没頭してしまい、他の「ヒト」に自分がどう映っているかについて、気にならなくなり、注意しなくなってしまう傾向がある。いわゆる「オタク」と呼ばれる、自分の関心があること以外に興味・話題がなく、対人的に無配慮な行動を取ってしまう人たちの大半が男性で占められるのも、男性に起きやすい「対象物への心理的な没入」現象と関係があると考えられる。
なお、男女の玩具の違いについては、玩具メーカーが、最初は、男女のどちらがどのような玩具を欲しがるか分からず、長年にわたって試行錯誤を重ねていくうちに、男児と女児との嗜好の違いがだんだんつかめるようになって行き、最終的に現在の性別毎に異なる玩具の供与に行き着いた、といった歴史を辿ってきたものと考えられる。
フェミニストは、男女別に異なる玩具を与えることが性差別につながる(本来、嗜好に男女の差はない)と主張するが、彼らは、おそらく玩具の性別分化がどのようにして起きたのかについての歴史を知らないのではあるまいか?
こうした点、男女の心理的性差が、玩具の発達していく歴史にどのような影響をもたらしたかを調べる、歴史心理学のような研究領域が今後より必要となると考えられる。
(初出2003年2月-2005年4月)
日頃、インターネットの掲示板(BBS)を利用していると、発言のタイプが、男性と女性とで、かなり違うと感じさせられることが多い。以下に、どのように違うか、具体例を交えて説明する。
(1)同調・馴れ合い・同意要求(女性的) vs 先人否定・種付け(男性的)
2ちゃんねる等の電子掲示板では、女性的な「同調・馴れ合い・同意要求」型の発言と、男性的「先人否定・種付け」型の発言が存在する。
女性的な、同調・馴れ合いの発言は、例えば以下のようなものである。
「○○だよね?」
「うん、うん、そうそう。私もそう思う。」
「だよね、だよね」
「いい雰囲気になってきたところで、皆さん、お茶、どうぞ~」
みたいに、先人の意見に、同調、調和する、合わせる、馴れ合う、甘えるという発言の連鎖パターンが存在する。
これは、女性が主体の掲示板で顕著であり、女性の持つ、相互の一体感、コミュニケーションの受容を重視する姿勢が現れていると言える。こうした姿勢は、生物学的には、互いにより狭い安全領域に互いに仲良く密着して同居するために必要である。
こうした周囲との同調・馴れ合いの追求と呼応する形で、女性には、「~だよね」「~だと思うのは私だけ?」といった、周囲に暗に同意を求める内容の発言が多く見られる。
一方、男性的な、先人否定・種付け型の発言は、例えば以下のようなものである。
「○○だよね?」
「そんなの、ダメだよ。それよりも、オレの新しく考えた○○はどうよ?」
のように、先人の意見、業績を批判、否定、抹殺、消去し、代わりに、自分の業績、意見を押し上げる、植えつけようとするという発言連鎖パターンが存在する。
これは、男性が主体の掲示板で顕著であり、一種の「文化的種付け」行為である。これは、オスの遺伝的な種付け、すなわち、他オス由来の子供を抹殺して、代わりに自分の子供をメスに生ませようとする行為と、根が一緒である。
(2)豊富な感情表現(女性的) vs 淡々とした事実表現(男性的)
女性による掲示板発言では、(^o^)(;_;)といったような、顔文字の多用が見られる。これは、顔の表現により、自分がどんな感情の下にあるかを、相手に伝えることで、豊かな感情を表現しようとしていると考えられる。
あるいは、女性は、「○○だよね????」とか「○○しました!!!」といった感嘆符をやたらと多用することが多い。
男性の場合、こうした顔文字や感嘆符はあまり使わず、淡々と事実や論理のみを述べようとする傾向が強い。ただ、うつが入った状態であることを示す、うなだれた姿の絵表現である
○| ̄L
は男性もよく使う。男性は、否定的で沈黙するタイプの感情については比較的よく現すと言える。あるいは、「この屑野郎が」「馬鹿かお前は」といった形で、相手に打撃を与えることを目的として攻撃する表現も結構多く見られるようである。
(3)豊富な装飾表現(女性的) vs 飾りのない素の表現(男性的)
女性は、◇◆◇◆とか、☆★といった記号の連鎖のような、飾り立ての表現を、発言の中に混ぜるのを好む。
男性の場合、こうした装飾は文中にはあまり混ぜない。プレーンな、何も装飾や故意の味付けを加えない素っ気ない表現が多い。
(4)あいまい・非断定(女性的) vs 断定(男性的)
女性の場合、「何か、○○のような気がします・・・・」「○○だと思う。。。。」といったように、語尾をはっきり断ち切らずに、あいまいな形で濁して、次第に消え行く残影のような形で続けようすることが多い。
男性の場合、「○○だな」「○○ということだ」といった感じで、語尾をはっきり断ち切る形で、明確に言い切る表現をすることが多い。
(5)ペラペラまくし立て(女性的) vs 要点のみ短く表現(男性的)
女性の場合、その流暢な言語処理・表現能力を露出する形で、ペラペラと、どこまでも途切れず、区切らずに、しゃべりまくる、長文を書くことが頻繁に見られる。何か、あたかもぺちゃくちゃしゃべるのがまず先にあって、実際の思考や論理はその後から遅れて付いてくるような違和感を男性に与える。また、発言の文章が、ひたすらまくし立てる形で途切れずに際限なく続き、長くしつこく感じられることが多い。特に、「えーーーーーっっっ」といったような長音をやたらと多く使う、発話の連続に重きを置く点に、女性の発言の特徴があると言える。
男性の場合、どちらかというと、「まず、○○、次に○○、以上だ。文句あるか。」といった感じで、発言は短く、要点のみを書くことが多い。
(6)発言者人格の好き嫌い(女性的) vs 発言そのものの肯定・否定(男性的)
女性の場合、発言内容自体よりも、その発言をした人に対する人格的な好き嫌いに、話が発展することが多い。自分に合わない意見の相手に対して、「○○みたいなことを言う人は嫌い、みんな相手にしないようにしようね」といった感じで、人格攻撃になりやすい。
男性の場合、発言内容が自分にとって賛成できるか、反対かということ自体に関心が行く。男性は、自分と反対の意見の者を攻撃することを行うが、それは、相手を叩きのめして服従させることに関心があり、人格的な好き嫌いとは切り離して考えられる。
(7)閉鎖的な仲良しクラブでの相互のすり寄り(女性的) vs 開かれたギスギスした不調和の許容(男性的)
女性は、互いに気の合った仲良し同士で、内部が気持ちよく調和、和合した、和やかな雰囲気を醸成し、それを維持し続けるのを好む。一部の限られた、誰が発言しているかすぐ分かる固定ハンドル者同士で、よそ者の入って来にくい、濃密な対話の応酬を行う。よそ者が入ってくると、せっかく形成した和やかな空気が乱されるとして、歓迎しない。
男性は、匿名性の高い、どんなよそ者でもすぐ発言できるようなタイプの掲示板に多く発言する。発言の場が外に向かって開かれている掲示板を好む。その結果、様々な価値観を持った発言者がいきなり発言の場に入ってきて、バラバラで、互いに相反することを、その場の調和も和やかな雰囲気もぶち壊しにする形で、臆面もなく表現するのに無頓着である。
(初出2004年8月-9月)
生命体・生物としての男性・女性の区別は、根源的には、精子・卵子の区別に由来する。
女性は、卵子の担い手であり、男性は、精子の担い手である。
精子・卵子の運動パターンと、人間の行動面での男らしさ・女らしさとを比較してみると、両者にかなり共通点があることに気づく。
特に、男女の性行為に至るまでの両者の相互作用(女性が誘い、男性がそれに惹かれて女性を犯す)については、よく似ていると言える。その他、従来、男らしさ、女らしさとしてジェンダーの観点から指摘されてきた内容(例えば、男性は「攻め」で女性は「受け」など)と、精子・卵子の運動パターンに一定の類似性が見られる。
注)行動の男らしさ、女らしさと、精子・卵子の行動様式との類似を、当ページ以前に指摘したものとしては、[皆本1986]がある。
この男女の社会的、性的行動と精子・卵子の運動パターンとの共通点を、以下では、「精子的行動様式」「卵子的行動様式」として説明する。
卵子的行動様式 |
精子的行動様式 |
||
卵子 |
精子 |
備考 |
|
女性 |
男性 |
||
1 |
誘う性 |
惹かれる性 |
|
精子=男性を誘引・誘惑する。 |
卵子=女性に惹き付けられる、誘惑される。 |
||
化粧する。飾る(人間の場合)。 |
地味である。自らは注目されない(人間の場合)。 |
孔雀のような鳥では、人間とは逆にオス=精子側が派手で装飾的な身体をしている。この場合、オスはメスを自分の元へ惹き付けるために飾っているのではなく、惹き付ける役はあくまでメスである。オスは、メスに引きつけられ(て他のオスと同じメスの奪い合いになっ)たときに自分をメスにアピールして受け入れてもらうためのアピール材料として飾っている。つまりメスに選んで(受け入れて)もらうための飾りであり、選ぶ主体はメス=卵子側であるという点で人間と共通である。 |
|
精子=男性に魅力を振りまく。 |
卵子=女性に魅入られる。 |
||
精子=男性を自分の元に導く。 |
卵子=女性の元へと導かれる。 |
||
2 |
受け・待ち・守りの性(犯される性) |
攻めの性(犯す性) |
|
自分からは静止して動かず、精子=男性の到着(自分のところにやってくるのを)をじっと待つ。受動的である。 |
自分から積極的・能動的に行動し、動き回り、卵子=女性の元にやってくる。 |
||
待ち・受けの姿勢である。 |
攻め(攻略)の姿勢である。 |
||
精子=男性に言い寄られる。プロポーズされる。 |
卵子=女性に言い寄る。プロポーズする。 |
||
精子=男性の働きかけ・情報を受信する。 |
卵子=女性に対して、働きかけを行う。情報を発信する。 |
||
マゾヒスティックである。 |
サディスティックである。 |
||
精子=男性に侵入される、襲われる。犯される。 |
卵子=女性の元へと侵入する。卵子=女性を襲う、犯す。 |
||
精子=男性に対して、防護膜(バリア)を持つ。 |
|
||
決定する性 |
決定される性 |
||
精子=男性を受け入れる。内に包含する。抱擁する。 |
卵子=女性に受け入れられる。内に包まれる、抱かれる。 |
||
3 |
持てる(豊かな)性 |
持たざる(貧しい)性 |
|
栄養分=資源が豊富である。 |
栄養分=資源に欠けている。 |
農耕民族(豊穣、定住)と遊牧民族(質素、移動)の対比と共通である。 |
|
(生存に必要な)資源を沢山持っている。豊か(豊穣)である。資源に恵まれている。 |
(生存に必要な)資源を持っていない。貧しく、粗末・質素である。資源に恵まれない。 |
||
与える性 |
奪う~恵んでもらう性 |
||
身重な性 |
身軽な性 |
||
4 |
少ない性 |
多い性 |
|
数が少ない。希少価値がある。取り替えが効かない。 |
数が多い。粗製濫造である。いくらでも取り替えが効く。 |
||
貴重である。 |
貴重でない。 |
||
守られる性 |
守る性 |
||
安全・保身第一である。 |
危険を冒す。 |
||
遅れた性 |
進んだ性 |
||
競争しない。 |
競争する。 |
||
5 |
売れる性 |
売れない(買う)性 |
|
商品になる。売れる。消費される。 |
商品にならない。売れない。 |
||
魅力を振りまく。自分の魅力を精子=男性に売る。 |
卵子=女性の魅力をお金を払って買う、消費する。 |
||
精子=男性に自分の魅力を買ってもらえ、対価を受け取れるので、(男性を惹き付ける魅力のあるうちは)自らは購買力=経済力が無くてよい。 |
卵子=女性の魅力を買うだけの購買力=経済力がないとやって行けない。 |
上記の卵子的・精子的行動様式が、生き物としての人間の上に現れる時には、2つのレベルからなる。
第一のより根源・中心・コアに近いレベルは、よりミクロな、遺伝に直結する、卵子・精子のレベルである。その卵子・精子の外側を包み覆う形で、第一の根源・中心・コアのレベル(卵子・精子)から大きな影響、コントロールを受け、後天的な学習も取り入れた形で独自の行動を示すのが、より大きな身体としての女性・男性の生体(性徴・性器)~神経系のレベル(第二のレベル)である。
これをまとめると、
(1)根源的・中心的・コアの(一次的な)行動レベル=卵子・精子
(2)外延的・二次的な行動レベル=女性・男性の生体~神経系
ということになる。
この場合、個体の数においては、(2)の二次的レベルでは、男性・女性はほぼ同数であるにも関わらず、行動様式は、(1)の数の比が圧倒的にアンバランスな精子・卵子の場合とそれほど変わりがないことに注意する必要がある。
(1)(2)の両者のレベルを仲立ちするのが、性的ホルモン(女性ならエストロゲン、男性ならアンドロゲン)ということになる。卵子の持ち主は、卵子の存在に由来する女性ホルモンのシャワーを受けて身体~神経系が女性化し、卵子的=女性的行動を取る。一方、精子の持ち主は、精子の存在に基づく男性ホルモンのシャワーを受けて身体~神経系が男性化し、精子的=男性的行動を取ると言える。
ただし、仲立ちがうまく行かないと、卵子(精子)の持ち主だが、身体は男性(女性)という不整合が起きる。その点で、卵子・精子による外延=「人間の身体・生体・神経系」のコントロールは100%完全とは言えない。
[参考文献]
皆本二三江 : 絵が語る男女の性差 , 東京書籍 , 1986
(初出2004年4月-2005年5月)
人間~生物は、種として、大きく分けて2種類の玉(個体)からなると考えられる。
種としての勢力拡張用の玉と、勢力温存用の玉である。生物としての生命~生存範囲拡張用の玉と、生命温存用の玉と言っても良い。
勢力拡張用の玉(個体)が男性、オスに相当し、勢力温存用の玉(個体)が女性、メスに相当する。
勢力拡張用の玉は、各玉が、自らの勢力範囲を拡張するため、より広範囲に飛び散って、武装して体当たりで敵を攻撃して、勢力範囲、支配範囲を広げよう、広範囲に種付けしようと積極的に動き回る(他の玉が敵、ライバルになることもある)。ベンチャー精神に飛んでおり、リスクや責任を負うことを厭わない。自分が死んでも替えが存在する。世界的に広く普遍的に存在、支配しようとする。粗野であり、「野」を行く存在である。攻めの玉である。自分のことが余り大切でない。
一方、勢力温存用の玉は、各玉が、自らを温存、保全するため、周囲を護衛(エスコート)の小玉に守られて、中の方に奥に(=中心部に)、大きく存在する。安全、保身を重視する。自らの存在を温存するため危ない目に遭うのを避けて、リスクや責任を取らない。自らを傷つける可能性のある武器を振り回さない。攻撃されるのを避けるため、周囲に敵を作らず、(表面上は)仲良く、和合を保とうとする。あまり動かない。おしとやかであり、「雅」を行く存在である。守りの玉である。自分のことがとても大切である。
勢力温存用の玉は、生物学的貴重性の高い、その生命を温存するために守られるべき保身安全第一の存在であり、仲間同士で護送船団方式につるむ、集団で動くのを好む。ローリスク・ローリターン体質であり、自分自身の温存が大切な余り、自分自身に傷が付くのを避けて、あまり動かず稼がず、勢力拡張用の玉の成果に寄生しようとする。
一方、勢力拡張用の玉は、リスキーな分野にどんどん飛び込んで、ライバルや未知の危険と闘いながら、自分の勢力を積極的に拡張し、沢山稼ぐ。ハイリスク・ハイリターン体質である。勢力拡張のための冒険をしている最中に、事故や戦闘等で倒れて死ぬことが多い。また、勢力拡張のために十分な能力を持っている玉の数も限られる。そのため、勢力温存用の玉の眼鏡にかなうだけの実力者は、相当限定されて少なくなってしまい、そうした勢力拡張用の実力者の玉が、複数の勢力温存用の玉を抱える事態(一夫多妻制)も起きる。
こうした勢力拡張用の玉(個体)と、勢力温存用の玉(個体)との差が男女の性差の根源に当たると考えられる。この差は、明確で、無くすことはできないと考えられる。
勢力拡張用の玉(個体)は男性の精子に相当し、勢力温存用の玉(個体)は女性の卵子に相当する。
勢力拡張用の玉の、社会における影響力が強い、適合的なのが遊牧牧畜系統の民族(欧米、ユダヤ、アラブ、モンゴル・・・)であり、勢力温存用の玉の社会における影響力が強い、適合的なのが農耕系統(中国、日本、フィリピン、ベトナム・・・)の民族である。
勢力拡張用の玉は、所詮は消耗品であり、勢力温存用の玉は貴重品なので、人間~生物社会における社会的な地位というか扱いは勢力温存用の玉の方が上である。一方、戦略的なリーダーシップをとってトップダウンでリスキーな命令を下す(とともにその責任を取らされる)のは、勢力拡張用の玉の役割になる。勢力温存用の玉のリーダーシップは、和合に向けた調整用となる。
(初出2013年11月)
1.生命であることの証としてのエッチさ
人間は生物である以上、誰でもエッチで当たり前、自然である。エッチでない人はほとんどいない。
次世代の生命を残すには、エッチ好きであることが必須である。
セックスは、動物の交尾、植物の受粉と同じ、生命として自然であり、子供に対しても特に隠し立てする必要はない。むしろ、人間の本質がエッチであることを子供に隠すことがいけないことであると考えられる。
セックスを淫らであるとか、わいせつで不道徳ないけないことである、隠すべきことである、といったように罪悪感をもって語るのは、セックスによって次世代を作るという生命の本質に反した、自分自身が生命であることを否定するような誤った考え方である。
現在の日本では、人間がエッチであることは隠すべきことである、特に女性の場合、エッチであるのははしたないとされているが、それは間違いである。人は、子孫を残す必要がある以上、普遍的に男も女もエッチであり、エッチであることは当たり前のことであるから、そのことを隠す必要はないのである。というか、性欲がない方が、生物としてはむしろ異常である。
エッチについて、子供に隠し立てすべきではない。子供自身、自分がエッチであることはごく自然で当たり前のことであり、エッチであることに罪悪感を感じる必要は全くない、むしろ健康的なことなのだということを、子供に教える必要がある。そして、次世代を孕むのには、どうすればよいか、何を回避すべきか、十分な情報を、隠し立てせずにきちんと教えるべきなのである。
子供でも、セックス(子供作り)の仕組みがどうなっているか、仕組みを知ること自体は、生き物として自然のことであり、悪いことでは全くない。
現状みたいに、性交に必要な情報のほとんどを、アダルト雑誌やアダルトビデオから、大人に見つからないように陰でこそこそしながら得るというのは、不健康、不自然である。人間はセックスについて知る権利がある。大人から子供まで、きちんとした正確なセックスに関する情報を得る権利があり、それを実現する適切な性教育が不可欠である。
子供にセックスの情報を提供することの問題は、むしろ、セックスについての十分な知識がないと、養う環境や用意ができないのに、子供を産んでしまう恐れがあるということである。そのことについての対策の方が必要である。
日本のように、性器をモザイクで隠すというのは不自然である。「性器は卑猥だ」と言われるが、実際のところ、発情への刺激、引き金ととして、性器を出すのと、出さないのでは、さほどの差は見られないのではないか。筆者の体験でも、異性の性器は、見慣れない最初こそびっくりするものの、すぐ慣れて当たり前のものとなり、そのうち段々見飽きてくる。男性にとっては、むしろ、女性の喘ぎ声とかボディライン、肌のすべすべ感、柔らかさといったものの方が、よっぽど性的刺激が強いのではないか。
人間は、性器の仕組みとか、デフォルト、そのままでは知識がない。例えば、男性が初めて男性器を女性器に挿入するときに、最初、どこに挿入すればよいか分からず戸惑うという話をよく耳にする。このように人間が、具体的にどのような手続きを踏めばセックスができるか知らない(遺伝的に、性交の具体的手続きに関する情報が脳に書き込まれていない)ということは、次世代を作ることが必須の生物としては異例のことである。
セックスに対する世代間の正しい知識の伝達のためにも、子供の教育においては、何らかのタイミングで性器の実像をきちんと隠さずに見せる必要がある。
セックスについての具体的で客観的なデータを子供に示すことで、子供は、自分自身が、他の動物と同様・同列の、地球の地殻上を這いつくばって暮らす小さな生物の一種であり、両親のセックスによって生まれ、自らも、男性が女性の凹部に自分の凸部を挿入して(女性なら男性に挿入させて)セックス(交尾)して次世代の自分の子孫を作っていくように運命付けられていることについて、きちんとした理解と自覚を持つことが可能となる。
こうした自らを生物の一種として捉える姿勢は、セックスを下品なものとして見下したり、興味本位で扱おうとする従来の人々の考え方に変化を与え、セックスに興味を持つのも、セックスが好きなのも、実は生物としてごく自然であり、むしろ健全なことなんだ、生き物らしい素晴らしいことだという、意識変革をもたらすことになる。人々は、自分自身生き物であるという自覚を持つことで、地球上の他の生き物より以上でも以下でもない対等な存在であることが気づくことができる。
つまり、他生物に対して、(例えば欧米人みたいに)「人間は動物とは区別されるよりハイレベルの崇高な存在だ」という根拠のない優越感を持つことを防止し、謙虚な態度を持つこと(自ら自然の支配者と驕り高ぶって不必要に生態系を壊さないようにする)にもつながる。
人間にとって、セックスとは、次世代を残す形で生き続けようとする、生物、生命としての意思の現れであり、自らが生物、生命であることの何よりの証拠である。生命の躍動感(バイタリズム)を生み出す源泉となり、生物としての本性をさらけ出すまたとない機会となる。
自分の性器をまざまざと見て、「ああ、自分は、生き物の一種なんだな。こうした性器が付いていることは、自分の子孫をセックスで残そうとするためなんだな。自分は、犬や猫とかの動物と同類なんだな。あるいは、おしべ、めしべを持つ植物とも共通の生殖メカニズムを共有しているんだな。他の動物・植物とは種類が違えど、やっていることの本質は一緒だな。」と振り返るのもいいかも知れない。
生命である人間にとって、セックスは、人間をバイタルな存在たらしめる原動力であり、本質的なものである。セックスのことを淫らだとか下品だとか言って貶める言動、あるいは画像における性器塗りつぶしや局部モザイクといったように、セックスのことを必要以上に隠蔽しようとする行為は、人間の生命としての尊厳を貶め、人間のバイタルな本質を否定することにつながり、本来認められるべきではない。
近年は、避妊技術や、いわゆる「大人のオモチャ」の発達で、次世代の生命を残すというセックス本来の意義から自由になって、セックス時の強い快感そのものを心行くまで味わう人も増えている。
なぜ強い快感が味わえるのかについては、言うまでもなく、快感がないと、人間はセックスする気が起きず、子孫を残さなくなるため、子孫を残そうとする自動的な動機付けとして必要だからである。
セックスの存在理由の他に、避妊が失敗の危険を伴い、人工中絶がリスキーなこと、性病やHIV感染の恐れがあることを予めきちんと押さえて自覚していれば、「セックスを楽しむ」「セックスを極める」「セックスの達人になる」ことは何ら問題ないし、何よりも、パートナー(異性、配偶者)とのコミュニケーション、スキンシップの向上につながる。
「サルのように」セックスしても、それによって頭がバカになったとかいう話は聞かない。避妊を確実にできる、あるいは生まれてくる子供をきちんと養育できそうであれば、むしろ積極的に快感を楽しむためのセックスをした方が、ストレス解消にもつながりよいのではないか。
2.通常モードと発情モードとの棲み分け
一方、セックスのことを、通常の場面でおおっぴらに公表しすぎるのには問題があり、ある程度の節度が必要である。
人間のセックスに関する行動モードには、セックスのことが頭に特に浮かばない通常モードと、セックスをしたくて(性的欲求を満たしたくて)たまらない発情モードがある。
必要なのは、セックスから離れた冷静な考え事が可能な通常モードと、セックスで頭の中がいっぱいな発情モードとの混在の防止、上手な切り換えである。
通常モードと発情モードとは社会生活の上で明確に区切られ、互いに排他的な関係にある。通常モードと発情モードの混在は、人間心理の上で、あまり望ましくない、両者はきちんと分けるべきである。
例えば、仕事、学校などの仕事中や授業中といった通常モードにいる時に、セックスのこと(発情モードの話)をされると、気まずい思いをする。あるいは逆に、セックスに夢中になっているとき(発情モード中)に、仕事の話とか、コンピュータ論理の話をされると、明らかに場違いであり、白ける。
通常モードにいる時に、発情情報にいきなり触れると強い違和感、不快感を感じる。発情を促す情報は、通常モードでは、見えないところに隔離する必要が出てくる。
人間の心は、発情モードと通常モードとが明確に分かれていて、一方に他方が乱入すると、気分が悪い。まじめに仕事をしている最中にエッチ雑誌を見るといきなり気持ちが悪い。
これは、「わいせつ」といった言葉で表されるのであるが、より具体的にどういう感覚であるか心理学的な分析はあまりされていないように思われる。「わいせつさ」は、生暖かさ、ウェットさ、ベタベタした感じなどで表されるように思われるが、どういう感覚なのか、どういった言葉で表すのが適当かは別途詳しい調査分析が必要である。現状のように「わいせつ」「淫ら」の一言で済ますには不足であり、生命の根幹に関わる重要な感覚であり、そうした重要な感覚が通常、しらふの状態でなぜ不快に感じられるかも含めて、深い分析が必要と考えられる。
人間は、生命である以上、誰でも本質的にエッチだが、通常モードでは、エッチなことは考えていないし、いきなり発情することは望んでいない。
また、セックスは、極めて個人的なものであり、普段はプライベートに隠しておきたいものでもある。性器や下着も他人に見られないように周到に隠されているのが普通であり、他人の性器や下着を断りなく見たり触ったりする痴漢行為が犯罪とされるのも、こうした、セックス・プライバシー確保への欲求と関係がある。
また、誰に対しても見境なく発情する訳ではなく、好みというものがある。好みに合わない相手に発情を押しつけられるのはセクハラである。女性は、肌の露出など男性を性的に誘う服装をするが、実際には、自分の好みに合う男性のみを誘いたいのである。しかし、実際には好みに合わない男性も誘ってしまうことになる。このジレンマを解決する方策を考え出す必要がある。
通常モードにいる人間に、発情モードを押しつける、無理やり発情モードにさせるのがセクハラである。男性による女性の痴漢や強姦がそうである。女性による、男性を誘う大胆な露出も実はセクハラなのである。通常モードにいる人を発情に誘うには、その人の意思に反する発情の押しつけをすること(皆が見ている場所で相手を無理やり愛撫して性的に興奮させることなど)は望ましくなく、適切なタイミングを選んで同意を得ることが必要となる。
満員電車で、過度の露出をしている女性は、男性へのセクハラであるとして、警察に突き出す権利を男性に与えるべきである。男性を不適切な場所で発情に追い込むのはセクハラである。発情する方(男性)も悪いが、通常モードにいる人間を無理やり発情させる側(女性)も悪いと考えるべきである。男性が我慢しきれずに痴漢行為をした場合、男性側だけでなく、女性側も、その服装に問題がある場合、突き出すべきなのである。
一方、発情は、人間にとって当然のことであるから、発情モードでは、ノーマルセックスについての情報制限、制約を外すべきである。例えば、雑誌やビデオに性器の画像を載せることも、適切な場所、場面で発情モードに入っている人に対しては何ら問題のないことであり、認めるべきであろう。日本の現状のように性器にモザイクをかけるのは不自然である。要は、発情モードになる場所、場面が、通常モードからきちんと分けられていれば、発情に関する刺激の制約は、ノーマルセックスに関しては外して構わないのではないか(ただし、相手の身体や心理に損傷を加える可能性のある異常性愛については、規制が必要になるかも知れない)。
なお、発情モードでも、セックスの相手の意思は尊重されるべきであり、本人のいやがる体位や服装、器具を用いるなどでのセックスを押しつけは回避されることが必要である。セックスは、その最中も、絶えず相手との同意やコミュニケーションを十分に取りながら行い、相手への心理的な配慮を重んじて、一方の側の一方的な自分勝手な満足に終わらないようにする必要がある。
セックスは、他人の身体が自分の身体の中に入ってくる(女性)、ないし、自分の身体を他人の身体の中に入れる(男性)という点では、(手術で輸血や臓器移植を人為的に行う以外の)唯一の行為である。その点、身体の挿入について、双方の合意が行為前と行為中に取れている必要がある。
通常モードから発情モードへの移行、あるいはその逆をどのようにスムーズに行うかが、人間が、自分の中に内蔵するセックスへの衝動とうまく付き合っていく上では重要である。セックスから離れた通常モードと、発情モードとの区別をきちんと行うしつけを、子供に対して行うことが必要である。
3.セックスと人権
人間が異性とセックスをすること自体は、生物として自然なことであり、そのことについて恥じたりする必要は特にない。
ただし、セックスにおいては、守られなければならない基本的人権に関わる事項がいくつかあると考えられる。
まず、セックスする相手を選ぶ権利が確保されなければならない。自分がセックスしたい、してもいいと思った相手とだけ、セックスできる自由が確保される必要がある。自分がセックスしたくない相手とのセックスを強要されることは、あってはならないことである。特に女性の場合、自身で経済的に自立する十分な生業を持ち合わせていない場合、男性から手っとり早く資金を貢がせる手段として、特に好きでない相手ともセックスをすることが、援助交際や売娼業の形で行われているが、これらは、この原則を脅かす危険な行為である。下手をすれば、女性が、男性側から一方的に強姦された後に、手切れ金を渡されたら、反論できない、みたいな慣行が確立されてしまうことになりかねないからである。
また、セックスにおいては、その全ての過程において、互いの意思が尊重されなければならない。男女のどちらかが、セックス中、一方的に自分の快感を満たそうとして、相手に快感を伴わない苦痛を与えるだけに終わることは、避けられなければならない。あるいは、一方が嫌がる行為を無理やり行ったりすることも避けなければならない。これは、特に女性を「攻める」側に立つ男性側に求められる態度である。セックスの過程においては、互いのコミュニケーション、意思疎通を絶えず十分図ることが必要であり、「~するよ?」「いいよ」、「~して」「分かった」みたいな確認を、互いに段階毎に十分踏んでいく必要がある。
あるいは、セックスは、生命の誕生に関わる重要な行為であり、その遂行に当たっては、自分たちが今行っている行為によって、受精が起こり、新たな生命が誕生することになる可能性があることを、事前に認識しておく必要がある。そのためにも、もし、今行っているセックスによって子供が生まれることを希望しない場合は、事前に、避妊の知識や具体的な手続き(コンドームの装着、ピルの服用など)を十分得てから、セックスすべきである。避妊失敗による中絶についても、予め、母体に子供を産めなくなるなどの影響が起こりうる等の知識をセックスの前に持った上で、原因となるセックスをした女性だけでなく、男性も共同で責任を持って対処すべきである。従来は女性側のみで悩んで、孤独のうちに処理することが多かったと考えられるが、それは不公平である。受精卵からDNAを採取すれば、相手の男性が誰かは分かるはずなので、その男性にも責任を強制的に取らせる法整備があってよいと考える。あるいは、避妊の失敗や人工中絶を取り扱う医療保険のようなしくみを作って、セックスを行う男女が共同加入するのでもよいかも知れない。
4.セックスとプライバシー
人間は、セックスについて、プライベートにしておきたいという欲求がある。なぜ、隠してプライベートにしておきたいか?なぜ、セックスのことを公開するのが不適切と感じられるのか?以下にまとめた。
(1)人間の通常モード(しらふの状態)では、セックスのことを直接的に見聞きさせると不適切である。セックスに関する情報は、通常モードの他人に不快感を与えるためである。
(2)セックスが好きなら誰でもよい、浮気者だと思っているんだと他人に感じられることが不適切である。コロコロ、セックスの相手を変えられてしまうと、人間は困る。それは、特定の相手と子孫を残し、育てる作業を長期共同で行う必要のある、人間の性向に違反するためである。そういう相手を避けたいという気持ちが人間の中にはある。
セックス好きでも、ずっと特定の相手とセックスしまくりが好きなのは、特に問題がない。しかし、人間一般の性向として、セックスを繰り返すと次第に相手に飽きてきて、マンネリになる。結果としてセックス好きは相手をコロコロ変えやすい、ということになる。
容易に発情モードに入りやすい、セックスが好きで、中毒(ヤリマン)であると感じられると不適切であるのは、セックス好きが「浮気者」の概念と結びつきやすいからである。
(3)セックスの相手(誰とセックスしたか)を知られると不適切である。ある相手とセックスしたことを公表されると不適切であり、だれとやったかは秘密にしたい。それは、誰とセックスするかは、誰と子供を残すかに直結することであり、人間は、誰とでも子供を作る訳には行かない。この人とは子孫を残したい、この人とは残したくない、という意向、価値観は尊重されるべきである。下手にセックスしたと公開すると、子供を残す相手を決めたと周囲に速断されてしまうことにつながり、それはマズいことである。
(4)人間は、セックス中は、ガードがなくなる、無防備になるのが不適切である。セックスに夢中になって、外界への注意が疎かになり、外敵に襲われやすくなる。そこで、セックス中であることが分かると困る、隠したいという気持ちが出てくる。
(初出2004年6月-2005年10月)
[要旨] 日本の女性は、今でも多くがスカートを履いていますが、とかく活動しにくかったり、冬場寒かったり、「パンチラ」が起きてしまって、男性による痴漢を誘発したりと、デメリットが多いように思います。そろそろ、スカートを履くのを止めて、ズボンにしたらどうでしょう?日本でも鉄道会社の制服とかで、女性らしさと活動しやすさを両立させたズボン着用が広がっているようです。一方、女性は男性を惹き付けるために、積極的にスカートを履いている側面もあり、スカートを積極的に残すことも考えられます。そのためには、今のスカートの下に履く下着を「見えては困る」存在から、「見えて構わない」「積極的に見せたい」存在に変えればよいのではないでしょうか。
日本の学校や会社で採用されている制服のスカートは、廃止すべきではないか?
あるいは、女性は、スカートを履くのをそろそろ止めるべきではないか?
その論拠は、何よりも、履いている女性が活動しづらいということにある。活動中にとかくめくれやすいのである。これが、女性の社会進出の邪魔になっているのではないか?
特に問題なのが、いわゆる「パンチラ問題」である。
本来隠しておきたい下着=パンツが、活動中にとかく露出してしまいやすいのである。
例えば、転んだり、鉄棒で逆上がりとかをした拍子に、パンツが見えてしまう。
高いところに登ると下から見えてしまう。
めくるとパンツに直接到達するため、満員電車の中とかで、痴漢に会いやすいし、男性のスカートの下を覗く行為を生むきっかけにもなっている。最近、著名な大学教授の男性が女性のスカートの下を手鏡で覗く行為をして逮捕されたが、女性がスカートを履いていなければ、この男性は、自分の社会的地位を失う行為をしなくて済んだだろう。本来、こうした行為を誘発する原因は、スカートにあるのであり、スカートの廃止は、男性にとっても、痴漢をしようという気を起こさずに済むメリットがある。
また、スカートは、冬場とかく足元が寒くて、例えば、群馬県の女子高生とかは、スカートの下にズボンを履いて登校するという話がある。冷え性の女性にとっても、足元がスースーしてしまうスカートよりズボンの方がいいのではないか?
スカートを止めて、ズボン(長ズボン、短パン)、スパッツ、ブルマとかにして構わないのではないか?その方が、女性がより活動しやすくなり、社会的な活躍の場を広げやすいことは明らかである。
パンチラの恩恵(笑)を受ける側の男性の筆者が言うのも何であるが。
男性も、むらむらと出来心でスカートをめくったり、スカートの下を覗いたりしようとすることが起きなくなり、痴漢など性犯罪の防止にもつながる。今まで、女性による、公共の場で、パンツが露出しやすいミニスカートを履いたりすることで、男性の性欲をムラムラと高まらせ、覗きや痴漢などの性犯罪を誘発する行為は、女性側にはお咎めなしとして完全に容認されてきたが、今後は、「公共の場で、男性を故意に性行為へと誘惑する」一種の軽犯罪として、取り締まりの対象にした方がよいのではあるまいか。男性によるスカートの中覗きなどの性犯罪が起きた場合、女性が露出度の高いミニスカートを履いていたりした場合、女性にも相応の責任を取らせるべきである。そういう点では、女性の肌の露出を厳しく規制するイスラム諸国のやり方は、案外理に適っており、参考になるのかもしれない。
さもなくば、女性が、ミニスカートを履いたのなら、ある程度の男性による覗き、痴漢行為は社会的に容認されるとかのガイドライン立案もあってもいいかもしれない。
スカートを履けなくなったら、男性への効果的なアピールが出来なくなって困る、という女性がいるとすれば、例えば、デザイナーメイドによるきれいな模様や色彩の入った「おしゃれな」ズボンを履くことで、代替効果は十分あるのではないか。
なお、男はズボン、女はスカートというのは、男女の区別をしやすくするためというのもあると思う。
男女は、筋力など、肉体的、生理的、心理的にかなりの差があるし、女性は、生物学的に、男性よりも大切に扱われるべきなので、女性がズボンを専ら履くようになっても、男女の見た目の区別は、できればできた方がいい。
制服とかでも、ズボンにデザイン上の工夫をして、男女区別を可能にすることは十分可能である。
例えば、女性特有の尻の出っ張りを強調するとか、色を赤色、肌色といった暖色系統にするとかである。ズボンの色やデザインではなく、他の着用品、例えば、靴や帽子とかで、性差を付けるというのもありではないか?
肌が露出していないと、男性に自分のきれいな脚を見せつけることができないので嫌だという女性がいるかも知れない。そういう女性は、半ズボンを履けばいいのではないか?
男性に肉体美を見せつけたければ、例えば、上着も下着も、水着みたいな肌の露出度の高いデザインで、かつ着脱の容易な服装をすればいいのではないか?そういう衣料品を、メーカーも積極的に開発すべきである。
それなら、下着は見せずに、かつ自分の肉体美を自慢することができる。
日本でも鉄道会社の制服とかで、女性らしさと活動しやすさを両立させたズボン着用が広がっている。個人的には、JR西日本の新幹線や京阪神アーバンネットワークで勤務している女性運転士、車掌の最近のズボン制服は、スタイリッシュで活動しやすく、かつデザイン面での女性らしさ、可愛らしさがよく出ており、女性らしさの実現とスカート廃止の両立の一つの手本となるのではないかと思われる。
一方、何のかんの言っても、女性がスカートを履くことによる、男性誘引効果は絶大なものがあり、女性がそれを利用しているのも事実である。
なぜ、スカートには、ズボンにない効果があるかと言えば、スカートの生地が肌から離れて「めくれる」「動く」ことにより、太ももや、下着に覆われた局部が露になる可能性があり、一方、男性は、そうした太股の付け根や下着に覆われた局部の露出に極端に惹かれ、弱いからである。「局部が見えそうになる」ことが、男性にとってスカートの魅力であると言える。
女性は、痴漢が困るとか言いながら、一方では、好みの男性を惹き付けるために、スカートを計算ずくで積極的に利用している、積極的にスカートを履いている側面もあるのである。
また、女性にとっては、ズボンだと、局部の風通しが悪くて、夏場とか蒸れて不快である、パンツが露出していないと困るという問題もあるらしい。
そこで、スカートを今までどおり残しつつ、「パンチラ」問題を解決するという別の考え方が浮上する。
この場合、考えられるのが、「見えてもよいパンツ」を履くことである。
例えば、下着のパンツの代わりに、水着のビキニパンツ相当のパンツを履くようにすれば、パンツはいくら見えても構わないことになり、パンチラ問題は解決するのではないか。
あるいは、テニスのアンダースコートを履くという手もある。ブルマでもよいかも知れない。
これならば、いくらスカートがめくれても、パンツが見えてもOKということになり、「パンチラ」問題は自然と解決するのではないか。スカートは残せそうである。
男性も堂々とパンツを覗いて構わない、痴漢で捕まらないことになる。
要は、今のスカートの下に履く下着を「見えては困る」存在から、「見えて構わない」「積極的に見せたい」存在に変えればよいのである。そのためには、女性の、スカートの下に履く下着パンツの抜本的な改革が必要である。
(初出2005年05月-2005年06月)
少年向けのコミックは、女性もよく買って読むと言われる。
一方、少女向けのコミックは、男性は、買うのを回避し、あまり読まないと言われる。
なぜ、このようなことが起きるのだろうか?
その原因の一つとして、書店にコミックが並んでいる時の視覚的効果が上げられる。
少年向けのコミックの背表紙は、コミック毎にバラバラで、特定の色に偏ることがなく、中性的である。誰が売り場に入っても、手に取っても、抵抗が少ない。
それに対して、少女コミックは、書店の売り場を見れば分かる通り、背表紙のタイトル文字やトレードマーク、色使い等が、赤やピンク系統の色に統一されているのが分かる。
この赤、ピンクが、実は曲者なのではないかと、筆者は考える。
赤、ピンク系統の色は男性は苦手であり、どちらかと言うと、青とか黒・灰色とかが好みである。
背表紙の赤色、ピンク色の並びが少女コミック売り場全体を覆っていることは、そこに男性立ち入り禁止と言っているような物である。赤色、ピンク色を専ら使うことで、「これは女性専用の読み物の領域です。男性は近づかないで下さい。わざわざ売り場に入って手に取ろうとする男性は変態です。」とか公言しているのに近い。
要は、背表紙に赤色、ピンク色を使って統一することによる、男性を遠ざける「レッドバリア」「ピンクバリア」の効果が生まれていると言える。男性は、赤色、ピンク色の並びに圧倒されて、それがカラーバリアとして、心理的障壁、威圧感の源になってそこに近づけないのである。
少女向けコミックにも、実際読んでみると、腹を抱えて笑える等面白く、男性読者を惹き付けそうなものが結構あると考えられる(例えば、前川涼「アニマル横町」とか)。また、男性には書けない女性ならではのキャラクタデザインやキャラクタ心理描写に、異性の魅力を感じる男性も多いと考えられる。いわゆる「萌え絵、萌えキャラクタ」とか言われるもので、絵や内容の女性らしさに「萌える」点、確実に男性の需要もあると考えられる。
読者に同性だけでなく異性も加わることで、作品内容に新たな飛躍を見せる少女コミック作者も多いのではないかと思われる。異性に人気が出るのもよいことである。
しかし、現状では、男性は少女コミックに近づこうにも近づけないのが現状である。というか手に取るのが恥ずかしいし、購入するのにも抵抗がある。
もう少し、出版社の側で、男性が少女コミックに抵抗なく近づけるように、本の色使いを変えてみてはどうだろうか?少なくとも、背表紙の赤色、ピンク色統一路線は、止めた方がいいと思う。
売り場で、少年向け、少女向けを分けずに混在して売るという手もある。そのために、少年向け、少女向けという先入観を与えない中性的な外観にするというのでもいいかも知れない。そうすることで、少年も少女的な内容のものを手に取り読む機会が増えるだろう。
そもそもコミック誌とかで、少年向け、少女向けの区別をそもそも無くしてしまう、混在して掲載するというのもありかと思う。(現に、青年~大人向けコミック誌では、男性、女性両方をターゲットしているのも4コマコミック誌とか結構ある。)
少年向け、少女向けが混ざっていた方が、異性の精神世界を早くから知ることができて、異性理解を深めるのにも役立つのではないだろうか?将来どうせ結婚することになる訳だし、知っておいて損はないと思われる。
(2005年10月)
[要旨] 装飾主義は、女性に多く見られ、見た目はかわいいが履きにくいハイヒール靴を好むように、物品の見た目や飾りを、生活に役立つ機能よりも優先させます。一方、機能主義は、男性に多く見られ、物品が道具として、自分たちが生きていく上で役立つかどうかそのものを、見てくれや飾りよりもより重要視します。飾りのない、機能の本質部分に的を絞った物品を好み、外観、服装とかに無頓着なため、そうした点にうるさい女性たちの非難を浴びることになります。
女性は、宝石、イヤリング、ネックレス等、飾り物が好きである。カラフルな色使いや、フリフリの飾りだらけのコスチュームとかを見て、「かわいい」「きれい」などと言って喜んだりすることが多い。あるいは、携帯電話のストラップにキャラクタとかの飾りを付けるのを好む。彼女らは、装飾が好きな装飾主義者と呼べる。
装飾は、見た目は良いが、衣食住に必要な機能を内包していないため、生きていくためには役立たずである。
女性は、ハイヒール、厚底靴のように、見た目、流行第一で、機能を犠牲にした使いにくいものを平気で使うが、この辺、機能よりも、装飾を優先することは、「女らしさ=装飾主義=装飾好き、機能に無頓着」と捉えて良いのではないかと考える。
一方、男性は、建物、装置、機器等で、飾りのない、むき出しの素材、スケルトンで中の骨組み、動く仕組み等が見える、機能の本質部分に的を絞った物を、女性に比べてより好む。その点、彼らは、より機能主義的である。
ただし、女性でも、炊事、洗濯、掃除といった家事や、勤務先での仕事の進め方について、手際よくささっと、てきぱきと片づけるのを好む人が多くいるのも事実であり、そうした女性は、作業を進める上で必要な道具、ツールの機能を上手く引き出すのに長けている。
彼女らは、物事を手際よく片づけるために、周囲の他人や物資を効率よく動かそう、働かそうとするので、周囲の人や物を機能的に捉えていると言える。そういう点では、女性にも機能主義者は、相当数存在すると考えられる。物事を進めていく上での要領の良さは、自分が操作する対象から最大限の働き、機能を引き出す点、機能主義者の特徴である。
(主に男性の)機能主義者は、物品から、人間が生きていく上で役立つ、本質に関する部分のみを洗い出して、直に露出させるのを好む。また、そうした生活に役立つ本質を純粋に取り出し、表現した物品を「機能美に溢れている」として尊重する。
例えば、服の見てくれや色、飾りには無頓着で、保温や防護の役に立ってくれればそれで十分とする。毎日同じくたびれた服装でいて何ら気にすることがなく、外観、服装にうるさい女性たち(装飾主義者)に呆れられる結果になる。
要は、彼ら機能主義者は、物が、道具、ツールとして、ちゃんと働くか、使えるかに関心がある。
彼らも、物のデザインには関心があるが、それは「機能美」といった、物がうまく動く、働く、生活に役立つことを明示する点に向けられる。見てくれ上の飾りには関心がない。
あるいは、物の中の働く、動く仕組みが透けて見える、スケルトンを好む、物の骨格や素材(コンクリートとか)が露出しているのを見るのを好むのも、この機能主義者である。
こうした機能主義と関連して、男性には、「高機能、高性能指向」とでも呼べるような指向が存在する。
要は、自家用車や、PC、TVのような電化製品とかのカタログで、より速い、強い、高度な性能のものを求め、そうした高機能、高性能の製品を自分が所持していることを、周囲に対して自慢するのを好むのである。
(初出2006年01月)
[要旨] 恋人同士は、互いにベタベタいちゃいちゃと抱き合いくっつき合い、見つめ合う関係に入ります。これは、もともと相互の親密さ、ウェットさを追求する女性同士の対人関係と同じであり、男性も恋人の前では、こうした女性的な態度を取るようになります。その点、恋愛においては、対人関係の女性化が起きていると言えます。
新幹線の中とかで、恋人同士の取る態度、行動を観察していると、
・互いに、デレデレ、いちゃいちゃ、ベタベタくっつくのを好む。しなだれ、抱き合う。
・頻繁に見つめ合う。流し目をする。
といった感じで、非常に親密であり、ウェットである。
これらの行動は、本来、女性の取る、好む行動であり、男性が、これらの行動を、女性以外の相手とか、あるいは単独でとると、ホモとかオカマといった同性愛者に間違えられる。要は、男性がこれらの行動を取ると、女性化したと見られると言える。
こうしたラブラブな恋人同士の対人関係は、互いに究極の親密さを求める点で、女性同士の対人関係と同じであり、その点、恋人同士は、対人関係が、女性化すると言える。
ふだんドライな男性も、好きな女性と一緒だと、我を忘れて、相手とべたべたくっつくのを好む、ウェットで女性的な態度を取るようになると言え、「男性の女性化」が起きる。
(初出2006年01月)
[要旨] 女性は、香水、エステ、肌へのクリーム塗りといった、生肌や粘膜への心地よい刺激を男性に比べて強く求める傾向があり、これは「生肌・粘膜指向」と呼べます。
女性は、香水や香を焚くといった、鼻の粘膜を刺激する匂い、香りといったものや、クリームを肌に塗るとか、肌のエステといった、生肌や粘膜への心地よい刺激を好む。
女性雑誌を見ると、生身、生肌への働きかけを扱うエステサロンとかの広告が大量に出ており、男性向けの雑誌には出ていない。
女性は、相手の息づかいや肌の温もりを生肌で直接感じるのを好むとも言える。
こういう女性の好みは、「生肌、粘膜指向」とでも呼ぶことができる。
一方、男性が生肌、粘膜を好むのは、女性とのセックスの時くらいで、後は、生肌のような生々しいのとは無縁の、硬質の機械とかに注意が向く。
あるいは、他人を攻撃するときに、男性は、相手から遠く離れて、鉄砲とかでズドンと狙い撃ちをするのを好むのに対して、女性は、直接、相手の肌に触れて、相手の皮膚を爪先とかでピーッと傷つけるとか、爪を剥がすといった生肌に直接関わる攻撃を好むと言える。
要は、男性が、相手と距離を置いたドライな攻撃を好むのに対して、女性は、相手と直接接触し、生肌に直接働きかけるウェットな攻撃を好むと言えるのではないか。
(初出2006年01月)
男性は、対象と一定の距離を保ち、対象を冷静に観察して、処置するのを好む。
一方、女性は、対象を好きになって、ベタベタ一体化して入れ揚げる、頻繁に接触しまくる、尽くしまくる、甘えるか、対象を嫌って、必要以上に避ける、遠ざかるかの間をうろうろし、対象との距離が不定である。
男性は、対象について客観的に観察するのに対し、女性は、対象について、距離を取らずに主情、感情、情緒を交えて、好き嫌いベースで考えようとする。相手を好きな場合、相手に一体化して、とことん親身になって尽くそうとする反面、相手が嫌いな場合は、顔を見るのもイヤな感じで、相手をできるだけ遠ざけよう、避けよう、嫌がらせしようとする。
対象と一定の定まった距離を置いた客観的な把握、客観視が必要な科学者において、男性が多く、女性が少ないのは、この辺と関係があるのではないか。対象との一体化が好きな女性は科学に不向きな面があると考えられる。
一方、対象と距離を置かず、心に密に入り込んで、親身になって相談に乗る、心理カウンセラーが女性が多く、男性が少ないのも、この辺と関係があると思われる。
この点、男性は、客観、科学指向でドライであり、女性は、親身、一体指向でウェットであると言える。
(初出2006年01月)
[要旨] 女性が、「みんなと(一緒に)いる」のを好む「共生の性」なのに対して、男性は、「一人でいる」のを好む「独立の性」といえます。
女性は、「みんなと(一緒)にいる」ことを指向する「共生(連帯)の性」であり、男性は、「一人でいる」ことを指向する「独立の性」である。
女性は、周囲の皆が、自分と一緒にいる仲間だと感じることを指向する。
リーダーシップの強い、流行の先頭に立つタイプの女性の場合は、周囲に自分の価値観を吹き込み、周囲を自分と一体化させる。一方、自分から周囲に同調して合わせる、周囲の流行に付いていく、フォロワータイプの女性もいる。
一方、男性は、周囲から自分は独立した、一人で孤独だが、誰にも邪魔されない自由さを得ることを指向する。
(初出2006年01月)
[要旨] 女性が、芋づる式に関係ある内容を連想させてネットワーク・網目で進むのを好む「連想・Webの性」であるのに対して、男性は、直線・直角で進み、理屈、理由付けを好む「論理回路の性」といえます。
男性は、直線、直角にどんどん突き進んでいくのを好む。鋭角的であり、針や槍のように尖っているのを好む。融通や曲がりが効かない。話をするのに、「~なのは、~だからだ。なぜなら~」みたいに、理屈付けや目的と手段の階層・序列付けを重んじる。直線・直角の理屈・理由付けを好み、進む方向性が明確である。
この点、男性は、コンピュータの論理回路、LSIのような思考を持っていると言える。
一方、女性は、互いに関係あるもの同士をつないで、芋づる式、クモの糸状(Web状)に連想していくのを好む。あることをしゃべっている最中に、それに関連する話題を次々と思い出しては、その話題に話を順に移し、連鎖させて、ネットワーク・網目状に進む。この場合、互いに関係するもの同士は、必ずしも論理的にはつながっておらず、また、どこの方向に向かうかは、必ずしも明確でない。
この点、女性は、連想ゲーム、Webのような思考を持っていると言える。
(初出2006年07月-2006年12月)
-闇の領域と光の領域-
[要旨] 失敗、ヒューマンエラー、リスクに対して、女性は、いけないことであると否定的、消極的に考えてできるだけ回避しようとするのに対して、男性は、ある程度許容されることだと積極的に考えて、リスクを取ろう、冒険しようとするという違いがあると考えます。
人間が引き起こす失敗、ヒューマンエラーに対する意識には、性差があると考えられる。
女性は、エラー、間違うことに対して、否定的な感情を抱き、エラーは悪いことだとネガティブに考える傾向が、男性に比べて強いのではないか。
女性は、自らの保身のため、危ないことは避けて、安全な、正しいことだけをしよう、権威筋(お上、先生、師匠)によって決められた、保証されたことだけをしようと考える。リスクを取るのが怖い、失敗による責任を取るのが怖いと考える。リスクを取ることに対して消極的である。
そして、失敗する、間違うのは、決められた正しいことを守らなかった、従わなかったためであり、悪いことだとマイナス評価を下す。要は、失敗に対して厳しく、決して許されないことであると見なす。
これは、物事に対する正解を絶えず求め、正解の型通りに正確に合わせて動こうとする「正解指向」「定型指向」を生み出す。間違うのは、正解、正しい動作を会得できていない未熟者の証と考え、正解、正しい道を会得した先生、師匠による厳しい鍛錬を当然のこととしてひたすら堪え忍び、学習していくのが良いとする。そういう点では、マゾヒスティックである。
また、既存の決められた正解の枠の中から外に出ようとしない、はみ出ることを許さない窮屈さ、退嬰性(「枠内行動限定指向」)を生み出す。既存の正しいとされることをひたすら守り、その中で生きていこうとする「伝統・正統指向」にもつながる。
こうした、安全第一の正しさを保証されたことだけをしようとする態度からは、前人未踏の新しいことにチャレンジするベンチャービジネスとかを、とかく胡散臭い、危ないことと見なし、避けようとする保守的で事なかれの風潮を生み出す。
失敗の回避は、失敗して皆から非難され、孤立無援になるのを避けたいという心理からも説明できる。これも保身の考えである。
要は、失敗して、互いに強い一体感で結ばれた所属グループから非難され仲間はずれにされるのを避けたいとか、自分の失敗がグループの連帯責任となってグループ員に迷惑がかかり、それがグループ員を怒らせて、自分が仲間に入れてもらえなくなり、助けてもらえなくなる、それを何よりも恐れる心理が底にある。
一人では不安で、絶えず周囲の他者の助けを求める、必要とする援助要求とか、仲間集団に一体感をもって受容されたい、所属したい、互いに守られたいという集団所属への要求が、そうした援助を打ち切られたり、仲間外れにされることにつながる失敗をとにかく避けよう、許さないとする考え方につながっていると言える。
また、女性は周囲からの他人の目や評価を気にするので、皆の目の前で失敗をして、皆の笑いもの、陰口を叩かれる悪評の対象となるのを何よりも恐れるというのもある。
こうした女性の失敗回避、エラーを許さない、正解の枠、型通りに動こうとする態度が、日本社会では主流であり、日本社会における女性の勢力の強さを示すものとなっている。
例えば、学校の勉強や研究とかで、既にある正解知識をひたすら暗記しよう、蓄積しようとして、そこから外れないようにしようとする行き方とか、銀行がベンチャービジネスへの融資を渋る行き方とかが、この女性主流の日本社会における失敗不許可指向の典型である。
失敗して事故を起こすと、当人の個人的な落ち度、決められた通りにやらなかった違反、逸脱として厳しく責め立て、防止策としてより厳しい「正しい」安全基準を作る方向に向かう。
また、リスクをなるべく取らず、積極的に取ろうとせず、ライバル他社との競争とかでやむを得ず取る「後ろ向き」のリスクテイキングの態度が見られる。
一方、男性は、失敗は何をするにも付きものだと考え、失敗に対してよりポジティブであると考えられる。
今までにない新しい未知のことをやろうとすると、未開の闇の中の体験なのでどうしても失敗する。そこから、失敗をある程度入り込むことを容認し、失敗を前提としてシステムを組もうとする態度が生まれる。
積極的にリスクを取ろう、未知の分野へと冒険しよう、そして最終的には成功を収めて、先行者利益を独占しようとする態度がそこにはある。
要は、危険、リスクを取ることをある程度容認する考え方がその底にあり、新たな物事を試行錯誤を繰り返しながら徐々に確立していく独創性、創造性、革新性がそこには見られる。エラーに対して寛容なのと、独創性、創造性には相関があると言える。
むろん、失敗をするのであるから、危険な目に会ったり、責任を取らされることも当然生じるのであるが、そこには、保険とかフェイルセーフの考え方が浸透していて、ある程度の失敗は大丈夫なことを保証する制度が社会に行き届くように考えるのである。それは、社会においてリスクテイキングを前提としたシステムを組もうとする態度に行き着く。
欧米で、リスクを取ったり、ベンチャービジネスを許容する、独創性に富んだ考え方を奨励する行き方が主流となる背景には、失敗に対して寛容な男性が社会において強い、主流であるという事情があるのではないか。
人間の周囲にある環境には、どうなっているか分からない、どんな危険が待っているか分からないリスクに満ちた「闇の領域」と、どうなっているか、どう対処すればよいか、安全か、正しいかが分かる光に照らされた領域(「光の領域」)とがあると考えられる。
光に照らされた安全な領域はどちらかというと限られており、狭いのに対して、未開の闇の領域は光の領域の周囲に大きく広がっている。
既に光のある領域の枠内に止まり、闇の領域に進むのを避ける安全・保身を取るのが女性で、闇の領域に積極的に打って出て、失敗を重ねながら、徐々に闇を光の領域に変えていく開拓のリスクを取るのが男性だということになるのではなかろうか。
男性も光に照らされた、何をどうすれば成功・失敗するか分かっている領域では、女性同様正しさを追求すると考えられるが、その際もわざと本来から逸脱する違反することをやって、そこから思いがけない新たな未開の闇の領域を、本来光に照らされているはずの領域に再発見し、チャレンジの対象として向かっていく。
一方、女性は、光に照らされた領域内で、正しい、成功することのみを繰り返し行い、従うべき前例として蓄積していき、小さな改良を加えていく。どんな危険、失敗が待っているか分からない、安全、保身が確保できない闇の領域には近づかない。
こうした、失敗、リスクに対する性差を象徴するゲームが「マインスイーパー」であると考えられる。
言うまでもなく、マインスイーパーというゲームは、出発点から、どこに埋まっているか分からない地雷を注意深く避けながら、安全領域をできるだけ確保し、地雷以外の安全領域を全て明るみに出せたら完了というゲームである。
この場合、どこに埋まっているか分からない地雷に当たって自爆するのが失敗、エラー発生ということになる。
既に確保された、地雷のない、光の当たった安全領域上のみを分布し、地雷があるかどうか分からない未知の領域に自分からは進もうとしないのが、安全第一、保身指向でエラー回避の、女性や日本人の取る行き方である。
一方、地雷の埋まっているかも知れない未知の闇の領域に、リスクを取りながら地雷をできるだけ避けるように注意深く進出し、人類の適応領域を広げていく、闇を光に照らされた安全な空間に変えていく、そのためにはある程度地雷を踏んでも、失敗してもやむを得ないと許容するのが、リスクを取る、男性や欧米人の取る行き方である。
要は、マインスイーパー・ゲームに対する考え方が、男性と女性ではおそらく大きく違い、実際に男性と女性との間で、ゲームの進め方にかなりの差が出ることが想定される。男性が積極的にゲームをやろうとし、安全かどうか分からない、闇の領域を積極的に開拓しよう、進もうとするのに対して、女性はゲーム自体やりたがらないか、怖々と慎重に少しずつゆっくりと進もうとすると考えられる。ただし、確保する安全領域の広さというゲーム本来の成績は、地雷探しを慎重に誤りなく正しく進めようとする女性の方が、その辺ががさつな男性よりも最終的には良いのではないだろうか。
マインスイーパーのゲームが、失敗やリスクに対する男女の考え方の相違を映し出す鏡となっていると想定される。
では、女性に独創性の能力がないかと言うと、決してそうではなく、あると考えられる。すなわち、女性は、チャレンジしてもリスクの少ない、失敗しても安全なことについては、そこそこ独創性を発揮するのだと考えられる。
例えば、短歌に今までにない平易な口語体を持ち込んで話題をさらった「サラダ記念日」とか、盆栽に草花を新たにあしらうことで、今までの盆栽にない新鮮な風合いをもたらした「彩花流」とか、いずれも女性の発案によるものである。
あるいは、日本のアニメ、コミックの「かわいい」「萌える」キャラクターデザインの生成のように、ある作者が生成したデザインに、別の作者が少し変化を加えて独自色を生み出していくことが連鎖していくうちに、次第に様々な作品を通じて全体として独創性や完成度の高いキャラクターデザインを生み出すに至っている訳であり、そこには日本女性の独創力が大いに発揮されている。こうした人から人への集団的な申し送りに似た形態による「ちょっとずつ」の独創が、女性は得意なのではないかと考えられる。
女性の独創には、
・既存の伝統、しきたり、前例の枠を基本的には維持しつつ、その枠内で可能な革新を行う
・試しに行っても自分の身の安全、保身が保たれる、恥をかきにくい安全領域の枠内で発明、発見を行う
・誰かのアイデアに、別の人が別のアイデアを加えていく申し送りの形で、集団、全体で、漸進的に、新しいことを少しずつプラスしていくことで、時間が経過するにつれてそれなりの大きな変化と高い完成度をもたらす
・既にある優れたアイデア同士を組み合わせ、少し変形を加えることで、今までにない発明、発見をもたらす
点が特徴であると考えられ、「枠内独創」「こぢんまり独創(プチ独創)」「集団、全体独創」「ちょっとずつ、少しずつの独創(漸進的独創)」「組み合わせ、変形独創」という言葉で表現できる。
一方、男性の独創は、
・既存の伝統、しきたり、価値観を根底からひっくり返し、破壊して、その上に自分独自の新秩序を打ち立てる
・危険覚悟で捨て身の試行錯誤を行い、その結果、今まで誰もなし得なかったスケールの大きな発見、発明を行う
・グループに頼らず、個人の力、アイデアを最大限生かして、一度に大幅な変化をもたらす発見、発明を行う
・今まで全く存在しない初めてのアイデアを一から、何もないところ(無)から考え出す
点が特徴であると考えられ、「枠破壊独創」「壮大な独創」「個人独創」「大幅・ワイドな独創」「一からの、初めからの独創」という言葉で表現できる。
日本社会においては女性の影響力が強く、日本人の独創は女性色の強いものとなる。その点、日本的独創は、女性的独創と言える。一方、欧米的独創は、男性的独創と言える。
(初出2006年12月-2008年05月)
[要旨] 叱り方について、男性、父親は、「雷落とし」で、ピンポイントに厳しく叱るが、心理的に空き空間があるのに対して、女性、母親の叱りは、延々と粘着的に説教をする、窒息感がある、という違いがあると考えます。
叱るときの態度には、男女差があると考えられる。
男性、父親の場合には、「コラッ!」といった一喝、一瞬の雷落としになることが多い。
女性、母親の場合には、延々と粘着的に説教をし、説教をしていくうちに思い出した過去の関連する過ちまで持ち出して、ネチネチと叱る場合が多い。
男性、父親の叱りには、当該の過ちは厳しく叱るが、それ以外の所まで持ち出さない、ピンポイント、一点集中の叱りという側面がある。叱られる側が息の出来る空き空間、隙間がある。ドライな叱りである。
それに比べて、女性、母親の叱りには、叱られる側が湿った真綿で首を絞められるような、周囲を包囲されて息苦しい窒息感がある。ウェットな叱りである。
(初出2007年04月)
[要旨] 女性は他人に頼る性、もたれかかる性、依存する性、寄生する性であり、自分で決定しない、決定を回避する性、他人任せの性である。この性質は、「パラサイト(寄生する)・ジェンダー(性)」と呼ぶことが出来、「自立する、自己決定の性」である男性と対をなしていると考えます。
女性は他人に頼る性、もたれかかる性、依存する性、寄生する性である。自分で決定しない、決定を回避する性、他人任せの性である。
女性はまた、他人に甘える、媚びる性である。他人にほめられよう、評価されようとする、他人の目を気にする性である。
こうした点、女性は、「寄生の性、パラサイト・ジェンダーparasite gender (gender of parasite) 」「他者指向の性 gender of others」と言える。
一方、男性は、頼られる性、他人を当てにしない性、自分の足で自立、独立する性、自己決定の性である。
こうした点、男性は、「自立の性independent gender(gender of independence)」「自己指向の性 gender of self」と言える。
女性は、男性に寄生して、頼って生きていく性、寄生する性=パラサイト・ジェンダーと呼べる側面がある。
パラサイト・ジェンダーである女性は、自分からは稼がず、達成を行わず、男性にやってもらう、依存する。彼女たちは、男性の達成する、業績を上げる下で、あるいは経済的庇護下において、子育てに従事する。従来よりメジャーな「専業主婦」がこの典型である。
彼女たちは、男性に養ってもらう、食べさせてもらう、守ってもらうのを当然と考える。例えば、食事に出かけたとき、男性が割り勘を申し出ると、その男性をけちん坊扱いして批判する。あるいは、男性に護衛・エスコートされないと、不満を漏らす。
彼女たちは、頼りになる男性を好む。男を当てにして生きる。自力本願でなく、他力本願である。他人の力、成果を当てにしてぶら下がって生きる行き方が心身に染みついている。これが、女性が、自力で社会で活躍しようとせず、社会の第一線に出てこない本当の理由である。
こうした寄生者である女性が、自立者である男性、社会全体を支配することが、実際のところ可能であり、現に日本ではそうなっている。
その仕組みは、日本の女性が育児を独占しているところに現れている。母親が息子と癒着して、母子一体性を確保し、息子=男性の行動中枢を乗っ取ることで、その行動を支配することが行われている。息子が母親の操りロボットと化しているのであり、女性たちは、自立者である息子たちを精神的に操縦することで、暗黙のうちに日本社会の支配者となっているのである。
その結果、日本社会全体が、女性化、母性化して、依存的な性格を強く持つようになっていると言える。日本の男性も、母性、女性の強い影響下で、自立する性としての側面を弱められており、母や妻、はては自分の所属する会社組織のような母性的存在に甘え、依存して生きる習性が染みついている。
日本は軍事面や国際交渉面で、アメリカに依存し、寄生しているが、これは、日本が女性的国家であることの現われと見ることも出来る。反対にアメリカは、何でも自分で決めたがり、独立したがる男性的国家である。
日本は「寄生国家」であり、アメリカは「自立の国家」と言うことも出来る。
こうした二つの行き方のどちらが生産性が高いか、優れているかは簡単には決めることはできない。
他者指向の人は、他人の高評価が得られるようにがんばり、自己指向の人は、他者の評価はさておいて、自分で納得の行くまでがんばると考えられ、それぞれ利点がある。
一方、寄生指向の人は、自分からは進んで仕事をしようとせず、他人の業績をあてにしてたかるので、自立指向の人に比べて、業績は低くなると考えられる。
(初出2007年04月)
[要旨] 女性には、男性に比べ、科学に向かない面があると考えられ、その理由について手短にまとめてみました。女性は同じ科学でも、冷たい無機的な物理、化学、地学よりも、生物、人間といった、温もり、一体感の感じられる相手を研究するのに向いているのではないでしょうか?
女性には、男性に比べ、科学に向かない面があると考えられる。
女性はもともと宗教、占いといった非科学的な物象判断が好きだという側面がある。
女性は、対象に愛着を持ち、対象との一体感を楽しむのが好きである。対象を愛情をもって抱きしめ、思い入れを持って一緒になるのを好む。こうした行き方は、対象と冷たく距離を置いて、客観的、冷静に分析する科学的行き方と合わない。
女性は、「何となく」「直感では」といったように、分析的な説明が不可能な、直感、第六感に頼る面があり、判断ポイントを一つずつ実証物件をあげて説明可能にすることを目指す科学的行き方と合わない。
女性は、感情、情緒に流されやすく、科学に付きものの冷静な「血の通わない」「冷血な」判断が苦手な面があるとも考えられる。
女性はどちらかと言えば、自分と同じ血の通った、心理的一体化の対象となりうる、生物、人間(心理、生理)向きであり、岩石のような無機的物質を扱う、物理学、化学、地学の研究には向いていない側面があるのではないか。
一方、人間を愛情を持って扱う必要のある教育、カウンセリングとか、医療看護等の分野では、冷血な判断をしやすい男性よりも、却って女性の方が向いているとも考えられる。
(初出2007年04月)
女性は、何をするにつけても、何かと責任転嫁したがる人々である。責任転嫁は、女性の特徴であると言える。
ラブホテルに男女で入ろうとする時に、女性が「エーッ、入るの?」とか言って抵抗するのは、「セックスするのに、自分は抵抗したんだけど、相手の男が強力にプッシュしたので、仕方なくすることにした」という、セックスの責任を男性に転嫁する口実を確保するためである。
「○○しなさいと△△さんが言ったから、仕方なくそうした」とか「○○しようと、△△さんがうるさく主張したので、やむを得ずそうした」というのが全てこの責任転嫁である。
要は、「私が○○したのは、△△のせいであり、私のせいではありません」と主張できるように、何事においても責任を取らずに済む逃げ道を必ず作っておこうとするのである。
女性に「○○にするか□□にするか自分で決めて欲しい」と言って自己決定させると途端に不機嫌になるのは、責任転嫁の逃げ道を断たれるのを不快に感じるためと考えられる。
その点、女性は、自己決定しない、自己決定を回避する性であると言える。
また、事前に必ず責任を転嫁しようする相手に相談し、「△△さんがこう言ったから、それに従ってこうしました」と言える口実を作ろうとするのである。事前協議が好きなのが、女性的体質となっている。
この決定回避、責任転嫁、事前協議の性質が、女性たちが日本社会を支配することにより、日本社会全体に広がっている。
自分からは動かず、決定せずに、アメリカとかに命令、指示されて、「これを指示したのはアメリカさんで、日本のせいではありません」と言いながら重い腰を上げ、そうかと言って、動かずにいてアメリカの機嫌を損なうと困ると考えて、アメリカに媚びて同調、協力行動を繰り返すのが日本社会の常道である。
(初出2007年11月)
[要旨] 女性の社会進出に伴い、彼女らが職場等で部下をどう支配するか、どのような上下関係を好むかを明らかにするため、女性がどのような権力行使を好むかについて手短にまとめてみました。
女性は部下をどう支配するか、どのような上下関係を好むかを、男性と比較して明らかにすることは、女性の職場進出が盛んになって、今まで男性主体だった職場の雰囲気がどう変化するかを知る上で重要である。
女性の権力行使のあり方は、現状、母親(上)と子ども(下)、姑(上)と嫁(下)の間で主に見ることができる。これを、女教師と生徒、女性管理職と部下との間などに応用する。
現状、母親と子ども、姑と嫁との間の権力行使は、男性に比べ、以下の特徴を持っているように見受けられる。
・権力行使の頻度が高い。連続性がある。粘着する。ベタベタくっつかれる形で、頻繁にあれこれ命令される。
・権力行使の密度が緻密で空き、隙間がなく、支配される側にとって窒息感が漂う。ちょっとした細かいところまで口をはさむ。
・権力行使がヒステリックで、厳しい、きついものとなる。姑が嫁に対して、ガミガミうるさく説教をするというのがこれである。
・あることについて説教していると、次から次へと別なことを思い出し、延々と説教を続ける。連想的であり、エンドレスである。
(初出2007年11月)
[要旨] 男性は、攻める、主張する性であり、女性は、受ける、受容し包含し、呑み込む性であると言えます。
男性は、攻める、責める、主張する性である。
女性は、受ける、受容する、包含する性である。
男性がサディストであり、女性がマゾヒストである。
この関係は、例えば女性に人気のBLや宝塚歌劇とかに典型的である。
男性が飛び込み、女性がそれを呑み込む。
卵子に割って入ろうとする精子とそれを呑み込む卵子の関係と同様である。
男性は、出航する飛行機、戦闘機であり、女性は、その元となる空母、母艦、港である。男性は、外に出て行く、飛び出す性であり、女性は、帰りを待つ、受け入れる~飛び出すのを許さず自分の中に閉じこめる性である。
女性が(男性を)包含するには、それなりの大きな懐、十分な心理的体積が必要であり、欧米女性のように矮小だったり、力が弱いと、男性を包み込むことができず、男性にくっついて、お姫様だっこされて寄生、依存するだけの存在となる。
その点、日本女性は、「母」として、男性を深い愛情で包み込み、呑み込む強力で巨大な存在である。日本社会では、男性が「息子」(子供)であり、女性が「母」である。
従来、性差に関する言論においては、攻めの男性に比べて、受けの女性は下位である、力関係で劣るみたいな主張が数多くなされている。女性が社会的弱者である証拠みたいな言い方もされ、女性はもっと受け身でなく、自己主張をしないといけないみたいな主張も頻繁に見かける。
しかし、それは、受けの女性の持つ本当の力の大きさ、恐ろしさを知らない物言いであるということができる。
受けは、突き詰めていくと、全ての攻めを包含、呑み込み、吸収して、すぐ元の形状に戻り、びくともしない、動じない、巨大クッション、底なし沼として立ち現れる強大な存在である。従来、臨床心理の分野でグレートマザーと言われてきたのが、これに該当する。
これを例えばセックスに当てはめると、男性がペニスを挿入し攻める役割であり、女性がそれを受け入れる、受けの役割であるとされている。この場合、男性が何回射精しても、何回オーガズムに達しても、女性が、それがやみつきになって決して満足せず、快感や次回の射精を永久に求め続けて、セックスをいつまでも止めようとしないことを考えれば分かりやすいと思われる。
こういう女性は、男性の精を全て受け入れ、吸い尽くしてしまう存在であり、男性は最初の内は元気に攻め込んでいても、やがて全てを受けの女性に吸収し尽くされて、げっそりやつれて、終いには倒れ、死んでしまう。
こうして見ると、受けは、実は強く、恐ろしいものであり、決して侮ってはいけない代物であるということが分かるであろう。
(初出2008年06月-2008年11月)
[要旨] 男性は、ショック、衝撃を与える性であり、女性は、衝撃を吸収するクッションの役割を果たす性であると言えます。
1.クッションと性差
女性は、相手の主張、攻めをひたすら受け入れ、受け止めて、クッションになって、吸収しまくり、呑み込んでいくタイプの性であると言える。
例えば、セックスで、女性は、男性のペニスの突きや飛び出る精液を、膣で受け入れ、呑み込んで、ひたすら吸収する。
外からやってくる衝撃を、一時的に変形して緩和、吸収して、ほどなく元通りの形に戻る、原状復活することが、クッションの特質である。
女性は、クッションの性、衝撃吸収の性ということができる。
女性は、直接的な物言いを好まず、ワンクッション置いた言い方を好む。また、寝具とかで、身体に心地よい和らいだ感じを与えるクッションを好み、インターネットショッピングとかでは、女性向けのクッションの商品が溢れかえっている。
自らクッションになることや、クッションを好むことは、女性的な証拠であると言える。
これに対して、男性は、クッションの反対で、活発に動き回って相手にぶつかり、衝撃や打撃を与える、相手を突く、相手にショックを与えるショック(付与)の性(あるいは攻撃するアタックの性)ということができる。
(男性からの)全ての攻めを緩和、包含、呑み込み、吸収して、すぐ元の形状に戻り、びくともしない、動じない、巨大クッション、底なし沼となることが、女性の完全型であり、グレートマザー、母権の本質とも言える。
2.日本=クッション社会論
あるいは、こうしたクッションの和らげの特質は、女性の影響力の強い和合指向の日本社会の特質であるとも言え、日本はクッション社会と言える。一方の欧米は、ショック(付与)社会と言える。
すなわち男性的な欧米からやってくる様々な新たな攻撃や衝撃(ショック)を、全て緩和し、呑み込み、吸収して、元からの原型にほどなく復帰するところが、日本社会の特質である。
日本的「和」の精神は、クッションの和らげの精神であるということができる。
従来、日本的な和合とは、周囲との良好な一体感を保ち、衝突、対立しない、分裂しない、仲の良さ、結束力みたいな観点から語られることがほとんどであった。
しかし、このクッション社会論の観点からは、受け止める懐の深さ、大きさや包容力、許容力、衝撃の和らげといったクッション関連の観点も、日本的な和合を説明するのに重要であると言える。
3.ドライな自由、ウェットな自由とクッション
クッションは、ふわふわしていて、自由に変形する。そうした変形への許容力、包容力を持った存在である。いわば、その場のメンバーの動きを包み込む存在である。
このクッションの性質を見ることで、甘えや自由といった、従来社会心理学辺りで触れられてきた概念に、新しい見方を加えることが可能である。
従来、自由といえば、欧米流の互いにドライでバラバラに離散し、自立、独立した個人が、自らの意思で、自分の行きたい方向に進めることといった見方が主流であり、日本的な、ウェットで相互の一体感を重んじ、同調、協調、牽制しあうタイプの社会には見合わないとされてきた。
しかし、実際のところ、こうした日本のようなウェットな社会においても、上記の欧米流のドライな自由とは違う、ウェットな自由みたいなのが成立していることが分かる。
ウェットな自由というのは、個人が、自分を包容する個人(上位者)、所属集団や組織(会社等)の場の備えるクッションの中で、クッションとの一体感を保ちつつ、クッション変形が可能な範囲内で、場のクッションに力を加えてそれなりに変形させながら、自分の好きなように自由に動けることである。
4.甘えとクッション変形
こうしたウェットな自由は、甘えの概念と不可分である。
甘えとは、(母や母代わりの、)その場の支配者である、クッションの主宰者(個人~所属集団、組織)に対して、場のクッションにもたれたり、寄りかかったり、わがままで動き回って力を加えることで、場のクッションを自分の都合、勝手で、自分の思い通りに変形させること(、場のクッションにある程度迷惑をかけること)である。
クッションの変形が一定の包容、許容範囲内、元の形に復元可能な範囲内であるならば、個人が場のクッションをある程度一時的に変形させても、場のクッションの主宰者に、「しょうがないなあ、まあいいか、あまり勝手するんじゃないよ」みたいな感じでわがままや甘え、迷惑を許してもらえる。
しかし、個人による場のクッションの変形が、クッションの許容範囲を超えると、クッション主宰者に「もう我慢できない。堪忍袋の緒が切れた。出て行け。」みたいな感じで宣告され、クッションの中、所属集団から放り出されてしまう。
ウェットな自由、クッションによる自由を個人が享受するためには、個人が、このクッション変形の許容範囲、どこまで自分の思い通りに力を加えてよいかの力加減を熟知することが必要なことが分かる。
(初出2008年11月)
[要旨] 男性は、反社会的であり、既存秩序を破壊して、自分に合った新秩序を打ち立てようとします。一方、女性は、合社会的であり、既存秩序、権威をそのまま受け入れ、適応しようとします。
男性は、その本質が、反社会性であり、既存秩序の破壊である。社会に反する、挑戦することを行い、既存社会、秩序を否定、破壊して、自分に合った、自分が打ち立てた新秩序に作り変えようとする。あるいは、既存の種を殺して、自分の種を新たに植え付けようとする。
一方、女性は、その本質が、合社会性であり、既存秩序への適合と維持である。既存社会、秩序をそのまま受け入れ肯定し、既存社会、秩序に自分を合わせ、適応しようとする。
例えば、科学、技術分野における新発見、新発明は、ある意味、社会において犯罪にならずに、既存の支配者、権威者、支配的な力あるものの見方、考え方、定説を倒して、新しい知見を打ち立てることができる、合法的な既存秩序破壊の手段である。それゆえ、こうした新発明、新発見をすることは、男性向けといえる。
一方、日本の東京大学に代表される、既存定説、秩序をそのまま丸暗記し、体得、貯蔵することを指向する行き方は、女流であると言える。
(初出2009年06月)
以前から、働く女性の所得、収入が、男性に比べて少ないことが問題となっている。
最近では、女性の貧困が社会問題となっている。独身女性の孤立死とかも結構起きているようである。
女性が男性に比べて稼げない、そのままでは経済的に困窮しやすいのは何故か?
その理由は、
その1
女性の性質が、柔らかいクッションであり、困難な状況を打破する固いドリルが無いからである。
女性が、問題状況を切り開く、打破する固い「ドリル」「ハンマー」を持っていないからである。
問題状況(~が難しい、解決できない、~が足りない・・・)は、固く分厚いコンクリートの壁に例えることができる。
ソフトなクッションしか持っておらず、固いドリル、ハンマーを持たない女性は、問題状況を自分では打開できず、その状況にひたすらそのまま合わせるしかない。それゆえ、自分では問題を解決できないまま、困っている状況が続く。
男性の場合、問題状況を新たに打破、打開することで、新たな望ましい状況を生み出すことができる。それが、新たな需要を引き起こすこと、大きな稼ぎにつながる。
女性の場合、自分では問題状況の壁を破る、打開することができず、男性が打開した結果にひたすらタダ乗りしよう、依存、寄生しようとすることになる。
その2
女性の「守られたい」という心理のせいである。
女性には、男性に養ってもらいたいという欲求がある。経済的に男性に寄生したい、経済的に「守ってもらう」のを望む。その方が安心であると考えるのである。
食事とかで、割り勘を嫌い、男性に払ってもらいたいと考えるのもその現れである。自ら男性を養う、男性におごるというタイプの女性があまり見られないのが、女性が稼げないことと密接に関わっていると言える。
その3
女性の、リスクを避け、既に安全性が確立されたタスクのみ行おうとする心理のせいである。
一般に、ビジネスでは、リスクを取らないと稼げない、儲からない傾向があり、男性はリスクを取るのである。
また、安全性確保のためには、それなりのコストがかかり、安全な仕事は、より儲けが出にくくなるのである。
ところで、そのままでは稼げない女性が、経済的に権力を握る、支配力を持つには、
(1)何らかの形で、稼げる男性を心理的に乗っ取るしかない。
その乗っ取りの代表例が、母による息子の乗っ取りである。これは、日本社会で広範に見られる。息子との幼少時からの強力な癒着、一体化の持続により可能となる。
あるいは、結婚することで、妻による夫の乗っ取りというのも、日本では起きている。妻による夫への小遣い制に見られるように、稼いでいるのは夫であるにも関わらず、そのお金の支給権を握っているのは妻となっている。これは、夫が弱体なので可能となっている。なぜ夫が弱体かと言えば、自分の母親との心理的癒着の持続により、行動様式が知らず知らずのうちに女性化しているためである。
これにより、稼ぐのは男性にも関わらず、経済的実権は女性が握るという現象が、日本では起きているのである。
(2)男性の行った問題解決の成果を、女性がそのまま模倣して、コピーし、類似品を安価に大量に売りさばくしかない。かつての日本や、現在の中国、韓国が取っている政策と同じ事をすることで、稼げるようになる。ただしその際には製造コストが安くなくてはならず、なかなか稼ぎ、儲けの利幅を大きくするのが難しい。
世界レベルで見れば、問題解決の固いドリル、ハンマーを持つ男性的な国(欧米)と、持たない女性的な国(中国、韓国、日本)があると言え、オリジナリティのある高価な商品を少量売り出す前者に比べ、後者はコピーの安価な商品を大量にばらまく傾向があるのではなかろうか。稼ぎの利幅は前者が大きく、後者は小さいと考えられる。
(初出2012年03月)
男らしさと女らしさとは、
男らしさ←ゼロ→女らしさ
・マクロな視点←ゼロ→ミクロな視点
・ハードな態度←ゼロ→ソフトな態度
・・・
といった二項対立として捉えられる。
従来の男女共同参画の考え方における、男らしくも、女らしくも無い自分らしい状態とは、言わば、マクロにもミクロにも偏らない、ハードにもソフトにも偏らない、といった、ゼロ原点にいる状態であり、男らしさ、女らしさを消した、中性、中立、無色、無個性の状態であると考えられる。
これに対して、男らしさの中でも、例えば、筋力が弱いが、態度が客観的で冷静である男性とか、マクロさが強く、ハードさが弱い男性とか、いろいろ個性として存在すると考えられる。
これらが、同じ男性の中でも、その人らしさ、自分らしさを表していると考えられる。
男らしさ、女らしさと自分らしさとは、矛盾しないと考えられる。
むしろ、男らしさが足りない男、男らしさを持てない男、女らしさが足りない女、女らしさを持てない女、の救済、ケアが必要であるとか、女らしい男、男らしい女を認めさせることが、社会福祉の観点から必要とされ、それが男女共同参画の考え方における、独特な「自分らしさ」の強調につながっていると考えられる。
例えば、筋力の弱い男は、男らしくないという評価をされてしまい、社会から低く扱われる傾向がある。
筋力があると、強い力で障害物を破壊できる(パワーの側面)。また、素早く瞬発で進むことができる(スピードの側面)。それゆえ、たくましい筋力があると、そうした筋力の助けを生活上必要とする女性からもてるのである。
あるいは、異性にもてるのは、男らしい男、女らしい女であり、そうでないと結婚できず子孫を残せない傾向がある。
男らしさ、女らしさを人並みに十分持てずに、異性にもてないとして、劣等感に苛まれる男性、女性を、救助、救済する必要があり、そのためのキーワードが「自分らしさ」という言葉に、従来なってきた、と言える。
あるいは、男なのに女らしい、女なのに男らしいといった性の入れ違いのある男性、女性の救済も同様である。
男らしくも、女らしくもない自分らしさを強調するには、人間の性質、性格で、男らしさ、女らしさに関係無いものを探し出す必要がある。例えば、男女の両方に同時に当てはまる性質である。
これは、例えば、誠実さ、真面目さ、信頼、信用の厚さ、あるいは明るさ、前向きさといった点が上げられる。
自分らしさとは何か?
それは、
・他の人と違う、独自のものを持っている
・類型的、紋切型ではない(男らしさ、女らしさの紋切型から外れた項目を強く持っている)
・目立つ、平均からズレている(度を越して、過度に男らしい、女らしい。逆に、過度に男らしさや女らしさが欠如している。本来の性からの男女逆転が起きている。)
・周囲に左右されない
ことであり、類型からの逸脱の許容や積極的促進が強く見られる。
男らしくない男性、女らしくない女性の種類をグラフ表示で、以下にまとめた。